AI活用あるある ~うまくいってるとこある?~
AIを活用に向けて情報収集をしていると、普段接しないような優秀な肩書の方々からご提案いただけます。でも、ご提案内容は意外と似たり寄ったりだったりして、どれもビジネスインパクトが小さくて実運用どころかPOCまですら持っていけないのが多いのが実情。
通販事業でよくあるご提案内容と、なぜそれが実現できないのか事業会社の通販デジタルマーケ部門の視点でまとめてみました。
1.購入率・解約率予測
よくある提案、断トツの1位。
一昔前まではSASやSPSSクレメンタインとかで1個のモデルを作っていたのが、非常に高速化しているのを感じます。
そのうえで、AIがアンサンブルでいくつものモデルのいいとこどりできたり、パラメーター(モデル作成で一番重要)も最適化してくれたりするので、かなりの精度のモデル作成ができると思います。
最近では、世界最大のデータサイエンティストのコンペサイトkaggleでは、lightGBMなどに代表される勾配ブースティングモデルが流行ってますね。
勾配ブースティングは、ちっちゃいモデルをいくつも作って、それらの予測結果の残差からさらに調整してすごいモデルを作っちゃう手法。
スライムLv8が集まってキングスライムになるような、そんな感じです。
▼なぜ活用に至らないか
精度の高い予測ができたところで、それを活用できる施策が無い
例えば、購入率が0-100%で出てきたとして、どんなアプローチをかけても結局はその確率通りの購入率になったりします。
紙DMとかの対象者選定などでは使えるかと思いますが、メールマーケなどのデジタル施策では、対象者が増えてもコストに大きな差がないから全員に出したらええやん、となって使えなかったりします。
ただ、最近はサンプルごとにどの要因が寄与してその予測になったかがわかる手法、SHAPが出てきたので、それを活用するのがこれからのトレンドになりそう。
2.在庫予測
あったらいいなが詰まっていますね
過去の購入データから季節性・トレンド・サイクルなどをベースで作成すれば、ある程度の予測は可能かと思います。
まあ、このレベルであればAIでなくてもできるわけで、大事なのがイレギュラー要素です。
イレギュラー要素とは、CMやテレビで取り上げられたり、SNSでの偶然なバズが起きた時などの要素です。この変数をデータとしてどう読み込ませて、どう処理するかの部分AIが大活躍するのでは。
例えば、pythonという言語を使ってネットの情報を機械的にクローリングして、情報を加工して取得するスクレイピングを使って、SNSとかのトレンドをデータ化して補正したり、できなかったり。。。
▼なぜ活用に至らないか
過去のデータから予測するのはAIの得意とするところですが、これからのトレンドを予測するのはなかなか難しいのかな。。。
SNSなどのテキストデータをどうやって加工するか、それを商品データとどうやって紐づけるかが大事ですね。
3.クリエイティブの自動生成
中国ではなんだかうまいこと言っていると聞きますが、日本ではまだ聞かないですね。
▼なぜ活用に至らないか
結局のところ、クリエイティブの自動生成でできるのはビジュアルとコピーの組み合わせの最適化だったりします。おそらく、その程度の違いでのクリエイティブのだし分けをしても、そこまで効果は変わらないです。
広告のクリックは変わるかもしれませんが、販促やCRMには使えないレベルだと思います。
一つの画像で出しわけるのではなく、ストーリーを出し分けしないといけないです。そう考えるとむしろパーソナライズド動画のほうがいいのか?
個人的にはテレビショッピング最強説を唱えているので、動画はまたどこかで書きたいと思います。
カート放棄した商品のコーディネート画像をSNSから引っ張ってきて、それをパーソナライズドDMにして送っちゃうディノス・セシールさんのDMなんかはすごいなーうまいなーと思います。
まとめ
以上がAI活用の提案あるあるです。他にもご提案はありますが、大体はプロモーション寄りのご提案で売り上げを作るとか業務改善ではなく、話題作りがメインだったりします。
通販のデジタル使った販促とかCRMをやっている自分としては売り上げが作れる事が求められるし、やりたいので事例がたくさん出てくることを願いますし、事例として使われるようなインパクトのある仕事をしたいですね
AI活用あるある
1.購入率・解約率予測
2.在庫予測
3.クリエイティブの自動生成
AIご提案していただけるベンダーさんにこんなことできませんか?と思いを伝えすぎると「AIで何でもできると思うなよ」的な顔されるときがあって、そういうときは「AIで何でもできると思うなよ」的な返答もらったりするので、事業会社もAIで何ができるかとかを勉強しておくことは必要です。
日々精進ですな!