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雨だ、今日も。

疲れを律するために、睡眠、入浴。
それすらももう疲れた。

人が行き交う横断歩道の真ん中でふと立ち止まる。さっきまで読んでた本は栞がなくなって、この前まで聴いてた音楽は耳障りになった。

人混みは嫌いだが、人に紛れるのはなんとなく気が楽だ。
人混みも無心も直に途切れる、どこへ行こうか。

歩くことは自分自身との対話である。周りにあるものに目をやって抱く感想によって自分の現状を推し量る。
花は綺麗だよ。色鮮やかで、ゆったり揺れてる。
おおよそいつも通りの感想は惰性か、本心か。

まぁ、生きるための行為を怠ってる時点である程度見当はついているのだが、真実を探ることはしない。自分自身に嫌悪してしまうから。

もう疲れた、人間らしくあることに。くぐもった声は喉におさまる程度の泡となり水面に上がると誰にも届かず消えていく。

なんでこうなっちまったかな。
家を飛び出して目的もなく歩いて。
解決なんてできないのにこれしかないと思い込んでる。
ただ色々なものに恐怖しているだけなのに。

夜の海辺は何も考えないができるほど思考を構成するための要素がなく、嫌悪と反省に耽らせた。

こっちに近づく声とノイズがする。

みるな、声なんてかけてこなくていい。
もっと惨めになる。
情けないんだよ。こうなってんのが。わからねえかなぁ。
泣いてねえよ。年甲斐もなく海ではしゃいだんだよどっか行けよ。

涙に信用はない。いつでも出てくるから。
そんなのに惑わされてるのが馬鹿馬鹿しくなる。
感情に伴うものはほとんどがそうだ。
いつも、心にもないことが多い。後になって反省して、もったいない。冷静でいたい。

少し寒いな。


携帯が震える。
何も考えないが、海辺から消えた。

ふと立ち上がると隣には傘が置いてあった。
さっきまで雨が降っていたのか、
ところかしこに水溜まりができている。

知りたくなかった美しい人の心は私をより嫌悪させた。

でも、なんとなく栞のなくなった本をまた、耳障りな音楽をまた、摂取できたらいいなと思った。

きた道を歩いて帰ろう。もう疲れたから。

愛されていることを知りながら、
私は自分自身のことしか
考えられないです。
自分は良くて、あなたはダメ。
こんな自分に飽き飽きしてしまいます。


ご査収のほど。

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