【緊急考察】学校給食にもSTが必要か?
非常に悲しいニュースを先ほどラジオで聞いたので、食の専門家としてこれは緊急的に考察しなければならないと考え、筆を走らせている。
小学生1年生が給食中、喉に詰まらせて緊急搬送後、無念な結果になった。
私が最初にこの記事を見た時は、まだうずらの卵が原因だということは伏せられていた。数分後、これを引用するために再び見ると、原因がその食品であったことが書かれていた。
恥ずべきことだが、私は最初原因食品として推測したのは、うずらの卵ではなく、海藻サラダではないかと思っていた。おでんの具、だけの記載では、おでんの具に何が含まれているかが明確ではなかった。
とにかく悲しいし、やりきれないし、憤る。
同じ小学生の子供を持つ親としても、言語聴覚士としても、ただただ悲しみと親御さんの気持ちを思うと胸が痛くてたまらない。
そこで私は思った。学校給食の献立を考えるのは、管理栄養士であるが、小学生の咀嚼機能や嚥下機能までは、彼らは考えないのだろうかと。
うずらの卵というのは、確かに昭和世代の私が小学生の頃も出されていた。
例えば、八宝菜に含まれていたり。でも私は個人的にうずらの卵は好きではなかった。おでんの具に使われる卵は、中の黄身がパサついている。もしおでんを取り分ける際、つゆを多めにいれることがなければ、パサついている状態で口の中に入れるため、子供の小さい口腔内で、自らの唾液でそれを安全な塊にしていく必要があるのだ。
物を飲み込むという過程では、ごっくんの際に、息をわずかに閉じる必要があり、その時の口腔内圧により食べ物が安全に食道側へ運ばれる。
窒息の場合は、この動きが阻害されるため、完全に息が解放されなくなってしまう訳である。
窒息してしまった後の対応法として、我々言語聴覚士は、国家試験の問題にも過去に出題されたのだが、ハイムリック法という方法挙げられる。
図のように、成人と幼児とでは多少対応の仕方は異なるものの、一刻も早く
行うことが蘇生へのカギとなる。
私が学校に勤務していた時は、BLS(Basic Life Support)は研修として必須だったが、現在の公立教員は研修を受けていないのだろうか。
いくら受けていても、その場に出くわすと冷静な判断ができず、学んだことが生かせないことは、可能性として否めない。
その為にも、これらの研修は定期的に行われるべきだろう。
BLSに関するURLはこちらから→日本ACLS協会(https://acls.or.jp/dictionary/bls/)
話を戻すが、言語聴覚士は、小児から成人まで、幅広く安全に楽しく食事が行われるための支援の専門家でもある。解剖学的に飲み込みの機序も学び、支援することの出来る専門家が、学校給食の献立を管理栄養士と共に見直しながら、より安全に子供たちが本当の意味で安全、安心に楽しめる給食を享受できることが、教育の権利の一つとしてもたらされるべきではないだろうか?
国に対しても、今回の事例(今回だけでなく、過去にも様々な事例が散見される)を通して、対策を見直してもらいたいと願う。
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