ご質問にお答えします!『回想シーンで過去の放送回の種明かしをする場合について』
脚本家志望の方からこちらのご質問がありました。
まず、このような場合に「1話の該当シーンと5話の該当シーンをまとめて撮影するのかどうか?」ですが、撮影時点で1話~5話の脚本ができており、スタッフが5話での種明かしを把握しているのであれば、まとめて撮影することになるでしょう。
そして、5話までの脚本が既にあるならば、スタッフもキャストも種明かしを把握しているわけなので、1話の脚本に「人物Aと会話中の人物Bは、別テーブルの人物Cに合図を送っている」ということは書かなくても構わないと思います。
仮に書き添えるならば、ト書き部分に( )付きでその旨を示しておけば良いかのではないでしょうか。
例えば以下のようなト書きを書くということです。
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人物B、会話を続けながら、さり気なくテーブルを指先でトントンと叩き続けている。(実はこの音が別テーブルにいる人物Cへの合図になっているが、この時点で観客にはそれを明かさない。)
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私のnote投稿ではこれまでにも何度か、特殊なケースでのト書きやセリフの書き表し方をお答えしています。
その度に補足している通り、あらゆるシーンについて「唯一無二の正しい書き表し方」が存在しているわけではありません。
今回も、「私ならこうする」という例をお答えしています。
唯一の正解がない中で質問者さんが、スタッフ、キャストがストレスなく理解できるようなト書きやセリフの書き方を身につけるには、「プロが書いた脚本をたくさん読むこと」が重要だと思います。
一口に「プロ」といっても、それぞれのスタイルに差異はあるはずですが、いずれも「一読すれば、読み手に伝わる表現」にはなっているはずです。
ぜひ「プロは、どんなシーンをどんな風に描写しているか?」の実例に数多く触れながら、ご自身の作品に取り組み続けてください。
これからもお互いがんばりましょう!
脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。
ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。
これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。
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