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ハグとキスと、食卓。
2週間前。
私が感染症に罹患し、その後もれなく
夫も感染。
もう家族全員感染は免れないだろう。
いや、でもあきらめたくない。
罹らないのが一番だ。
期末考査を控えた、
ちーちゃんは守らなれば。
出来る限りの感染対策を駆使して、
ちーちゃんを守る日々。
きっとその姿は鬼気迫るものだったと思う。
私が罹患して発熱3日目の時。
隔離部屋の天井を眺めながら連日の高熱に
命の危機を感じていた。同時にとてつもなく人恋しくて仕方なくて、泣いた。
いつもしている、挨拶のキス(夫と)
いつもしている、挨拶のハグ
(ちーちゃんと)
3人で話しながら食べる、いつもの食卓
どれも今、できない。してはいけない。
そのことが大きなダメージとなっていたことに驚いた。
家族の温もりが恋しくて仕方がない。
ちょっとでもいいから手を握ってほしかった。
「孤独」にやられてしまうと本気で思った。
もしかしたら、残念なことにこの感染症で命を落としてしまった方々も、体の危機と共にこの心の危機にもさらされていたのかも。
あくまで想像だけれども。
負けちゃいけない。
心が折れそうになるたびに相棒の抱き枕、
シロタンをずっと抱きしめていた。
私の隔離期間がようやく明けても、日々していたちーちゃんとのハグは再開せず。
感染症対策に勤しんだ。
そのことで、温もり不足がちーちゃんにも到来し彼女の体調が不安定な日々に拍車をかけてしまったように思う。
ちーちゃんの体調の悪さに対してそっとハグしたり、背中をさすってやりたいけれど物質的な距離を取ることを優先してしまった。
まだ感染させてしまう可能性が捨てきれないからだ。
圧倒的、温もり不足。
家族みんなが、感染症と戦い温もりに飢え、
とても不安定な日々を過ごした。
そしてようやく、
我が家の「終息宣言」を発表。
ちーちゃんの期末考査が終了したからだ。
もちろん、今後も罹らないに越したことはないので気を引き締めていくのだが、ようやく一区切りだ。
終息宣言に伴い、我が家の
「ハグ」と「キス」、温もりが復活。
久しぶりに3人そろって笑顔で食卓を囲む。
メインは、お刺身。
久しぶりのお刺身をちーちゃんと一緒に買いに行った。大好きなお刺身を見つめる目が輝いている姿、本当に愛おしい。
やっと、日常が戻ってきた。
私たちにとってありふれた、
でも大切な日常。
温もりは、必要不可欠。
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