映画「グラン・トリノ」感想(完全版)

 この映画は二重の差別意識により成立しています。

 まず、クリント・イーストウッド以外の俳優すべてがほとんど素人のようなクソ演技に留まるところに、ベテラン俳優である自身のみを引き立たせるための優越が滲んでいます。

 次に、あらゆる人種に対して差別意識を持つことで有名な白人ですが、とりわけ黄色人種に対する蔑視が最も深刻というところです。なぜなら、ラストシーンで主人公が昇華される宗教的な高みには、この世で一番軽蔑する何かに向けての自己犠牲でしかたどりつけないからです。

 冒頭、わずかに示される様々の人種へする差別的発言は、イエロー全般に向けた西洋人の差別意識を希釈ないし隠蔽するために用意された作劇上の小道具に過ぎません。この映画を絶賛するクソ評論家どもは、日本国籍を剥奪されてなお同じ発言ができるかどうかの強度をまず試されるべきです。

 ホワイトどもにとって、レイプされた東洋人など、己の信仰にとっての試金石ぐらいに過ぎないのですから。

 さっきテレビのチャンネルを回していたら、イヤなものが目に入った。クリトリス・カントン型包茎みたいな名前の白人が作ったプライベート動画だ。ムカムカしてしょうがないので、少しだけ話をさせろ。

 グラン・トリノのときにも書いたが、コイツは複雑に屈折した人種への「区別」の感情をお持ちのご老人で、心底軽蔑しているものに手を差し伸べることを上等な意識と考えており、己の精神性をその底辺へ下賜することで高めてやろうという姿勢が透けて見えて、もう鼻についてついてしょうがない。オマエ以外の他のだれに言われようが黙ってるけど、オマエにだけは言及して欲しくねえんだよ。純粋コーケージャンのてめえが、社会的賞賛を得たい以外のどんな理由でわざわざ俺たちのそこに無許可で触ってんだ。

 例えるなら、ロールスロイスでママチャリに当て逃げしといて、複雑骨折の母親にバンパーの凹みを指さしながら、いかにこの車が先祖代々受け継がれてきた来歴を滔々と語り、示談に持ち込もうとするようなクソさだ。なんでその母親がゆるすと、少しでも思ってんだ。こんなクソ動画に顔出ししてる邦人は全員死ねばいいと思うし、わざわざ今日を選んでこの音付き連続写真を放映することを選んだテレビ局の誰かとその係累も、考えうる限り最も陰惨な死に方で死ねばいいと思う。

 なんで「沖縄決戦」とか「ゆきゆきて、神軍」を地上波で流さねえんだ。ブッ殺すぞ。


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