断片
ダンナ君が楽しみにしていたのに観れなかった夏のオリンピックとは違い、冬のオリンピックには何の想いもないまま。
一人になってからは、他県に住む姉が見処の競技をお知らせしてくれるので、促されてノーマルヒルにチャンネルを合わせた。
映し出される、白いジャンプ台に宙を舞う選手たち。
に、、ふと蘇るダンナ君。
「テレマーク。」と言いながら着地のポーズを真似して喜んでいた。
語感とポーズが気に入ったらしい。
そうか、、平昌オリンピックがあったな。忘れてたけど一緒に見てたのか。
その頃は小さくて画質が荒く、やたら赤色が蛍光色に映る安物のテレビで。
自分のnoteの記録と照らし合わせると、まだ頭に傷がない頃の事。
昨日、カーステレオでFMから流れてきた某アーティストの『アポ◯ーシス』という曲の歌詞に度肝を抜かれた。死別前夜の曲じゃないか。。
咄嗟に心の奥に蓋をしながらなんちゅー歌詞の曲を、、と呟きながら曲の途中でエンジンを切った。(良い曲ではありました)
そして用事が終わってエンジンを再度かけると、前から調子が良くなかったとはいえステレオが何故か完全に壊れていて、ただただジーッとかザーッとか言うだけだった。
あの曲がステレオ君のお別れの言葉だったんだろうか。。
ダンナ君との思い出が詰まったこの車もやっぱりもうぼちぼちだな。。寂しいけど。
そして今日の日中は今更ながら、家に残っていたダンナ君の医療用麻薬を薬局に処分してもらいに行った。
一年以上経っていても、薬剤師さんとのただそれだけのやりとりに込み上げる思いがあったりする。
後ろは向いてないけど、前も向いてない。
そんな時もあって良い、としよう。
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