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夢にチカラをもらう…

どんより曇り空の1日。
こんな日は、足元に美を探す。
あちこちに可憐な蕾 ♪(写真はゼニアオイ)

今朝は、妙にリアルな夢を見た。
目覚めてからも、手に感触が…。

遷延性意識障害・四肢麻痺の状態が続いている夫と、1ヶ月半以上会えていない。
入院生活も、すでに5年。もう、病院ではリハビリ対象外なので、私なりの素人リハビリを続けてきたのだけれど。その効果もあってか、手を握ったり、チョキの動作をしたり… 少しずつ反応が増えてきていた。もしかしたらもう少し回復を期待できるかも… と、小さな希望を抱いていた昨年。
年末に大きな痙攣を起こし、また手を動かすこともできなくなってしまった。
もうずっとこのままなのかな…。
根気よくリハビリを続けたら、また動くようになるかな…。
年明けてからも、体調が安定しないままだったので、積極的に体を動かすのは控えていて。
この先、どうすることがいいんだろう…。葛藤を抱えながら過ごしていた矢先、決まってしまった面会禁止。
「明日からしばらく会えないんだよ。いつも流れてるラジオで、コロナウィルスのことニュースになってるでしょ…」
どのくらい伝わっているのかわからないけれど、見捨てられたなんて思われたら悲しすぎるから…。一生懸命説明して。
「私が来れない間、手を動かすイメトレしてね。今度会うとき、私の手を握ってよ…」
理解しようとしているのか、じっと私の目をみつめていた夫。

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明け方見た夢の中…
なぜか10分だけ面会が許されていて。夫のベッドサイドへ。
いつもの4人部屋。夫以外の3人も変わらず過ごせていて安堵。
(もう辞めてしまった看護師さんがいたり、見たことのない看護助手さんがいたり…。夢ならではの矛盾もいっぱい)
「やっと会いに来れたよ。元気だった?」
まばたきで YES のサイン。
右手に触れたら、ぎゅっと握り返してくれた。
「あら、すごいじゃない」看護師さんも驚きの表情。
「左手も握れる?」
左手でも力強く握ってくれた。
どこか誇らしげに見えた夫。
私、笑顔を見せながらも泣きそうだった。

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ここで夢から目覚めたのでした。
手に強く残った感触。
きっと、毎日がんばってくれてるんだね。
切なくもあり…。
でも夢とはいえ、なんだかチカラをもらえた朝。

目に見えるものだけが、存在するのではない。直接会って、触れているものだけが、リアルなんじゃない。強く思ったり、心の奥の大事なものに触れた時の、心理的な実感は、現実の物よりも、大事だったりする。
 『きれいな水のつめたい流れ つれづれノート17』銀色夏生より

とても共感できる言葉。

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