鍋炊きごはんのこと
私は食べるのが好きだ。
自分で選んだ食材で作る毎日のごはんもデリバリーで頼むピザも週末に立ち寄る居酒屋も手抜きの日のお惣菜も記念日のちょっといい外食も。
全部楽しい。
なにか信念を持って自炊をしてるわけではないが料理を自分なりに楽しむ為に選ぶものがある。
例えば食器。
現代では100円ショップに行けば腰を抜かすくらいいろんなお皿や調理道具が揃っている。
ちょっと奥さんっ!これ100円ですってよ!
大袈裟かもしれないが今の世の中すごいなぁと感心する。
しかし。自分の気に入ったお皿や憧れの鍋がある。てきとーごはんもかわいい皿に乗せてあげればパーティーの主役になれるのだ。
一人暮らしに慣れた頃、炊飯器が壊れた。
もう時間が経ってしまった出来事なのでよく覚えてないが壊れたので捨てた。
そして炊飯器を買い直すこともやめた。鍋でご飯って炊けるじゃん?
自炊が嫌いではなかったのでネットで土鍋でごはんを炊く手順を調べる。案外簡単なんだな、と思った。
それで手持ちの土鍋でご飯を炊く生活になった。
安いお米も土鍋で炊くとなんとなく美味しい。ふっくらして『わざわざ土鍋で炊いてくれてありがとう!』と一粒一粒から感謝の声が聞こえるようだ。
その後頻繁に職場にお弁当を持って行く生活になり、結局人からいらない炊飯器をもらった。
炊飯器はスイッチを押せばごはんが出来上がる。すごいことだ。
もし江戸時代からのタイムトラベラーがうちに来たら炊飯器で炊いてびっくりさせたい。その後は100円ショップに観光に行くプランだ。
そしてまた。引越のタイミングで私はお世話になった炊飯器と決別した。
恨んでたわけじゃない。キッチンが狭くて邪魔になったのだ。あんなにご飯を炊いてくれたのに…恩知らずでごめん。
そんなこんなでまた鍋炊きごはんに戻った。
シンプルに鍋で炊くと美味い。
硬めに炊くのが好きなのだけどそれでもごはん自体の甘さを感じる。鍋で炊いたごはんおいしすぎて食べすぎちゃうんだよね。
おかずかあればもちろんうれしいけど、たまごと炊きたてのごはんがあればハッピー!と思える人間です。
いわゆるTKG【たまごかけごはん】
これ発明した人はほんとにすごい。国民名誉賞を受賞してほしかったと心の底から思う。
鍋でご飯を炊く15分ほどの時間にぼんやり自分の心と対話するのも楽しい日常。