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「なまけ者のさとり方」という本

『なまけ者のさとり方』という本を紹介します。

著者はタデウス・ゴラス。
訳は精神世界など数々の翻訳、また、ご自身でも本を書いておられる山川夫妻。

アメリカでは1972年に自費出版され、日本では1988年に地湧社より発行され、今でも多くの人々に愛され、読み継がれている。

●怠けものが書いた本なので安心

私はなまけ者です。
世間でよくいわれているように、さとりを開くためには何年も修業が必要だとか、人一倍の努力や厳しい自己抑制、自己鍛錬をしなければならないというのなら、さとりは私には関係がなかったことでしょう。
(略)さとりとは、これらのことはまったく関係がないと、私はこの本でいいたいと思っています。(略)宇宙はものすごく単純に設計されていますから、私達が迷子になったり、不幸になったりしてしまうような仕掛けは、何もないのです。

「なまけ者のさとりかた」タデウス・ゴラス

私もだいぶ怠け者なので、著者の最初の一句が「私はなまけ者です」だったことで、一気にこの本に対する信頼度が上がった。

いろんな本を読み、人生を模索しては、これをやらなければあれをやらなければと、

知識とやるべきことばかりが増えてパンクしそうだった時なので、

「これらのことはまったく関係がない」「不幸になる仕掛けはない」という言葉に心から救われたあの時の感覚を今でも覚えている。

●全ては自分次第。他人は関係ない。

宇宙はただ一種類の実体からできていて、その一つが生命を持ち、一つひとつが自分の存在の仕方を自分で決めています。
(略)
あなた以外の誰も、あなたに対して何一つ手出しをしていないのです。それに、あなたは他人から何かを強制されたことだって、一度もありません。

「なまけ者のさとり方」タデウス・ゴラス

世界は複雑な構造をしていて、一つ一つ学ばないと理解できない、そんな世界観でいると、途方に暮れる。

自分がとても小さな存在に思えて、社会に太刀打ちできないように感じ、絶望感すら覚える。

でも、宇宙はたった一種類の実体からできている、そして自分の存在の仕方を決めることができる、他人のせいでできないということはない、という事実に、一筋の希望を感じた。

●ダメな自分さえも愛する

精神的霊的に自分がよい状態にいるかどうかなどと心配するのは、無益です。
でも、今のあなたの状態を愛せるようにならないと、あなたは今より高い状態にゆくことはできないのです。
(略)
今のあなたの状態に、何も悪いところや、まちがったところはありません。単に、それは私達に与えられている無限の可能性のうちの一つに、たまたまあなたがいる、ということだけなのです。
(略)
真実の愛とは、あなた自身が自分のために行う行為なのです。自分にあまり厳しくしてはいけません。少しばかり、自分自身に愛をあげれば、その愛はどんどん大きくなってゆくでしょう。

「なまけ者のさとり方」タデウス・ゴラス

今は驚くほどたくさんの自己啓発本が出版されていて、「プラス思考でいなさい」「掃除をしなさい」というような”良い事”をしないといけないと思いがちだけど、そんなことは二次的なことのようだ。

マイナス思考でいようと、家事や仕事をさぼっていようと、人に何か損害を与えてしまったとしても、それを善悪に振り分け悪を切り捨てるようなことをせず、そんな自分のそのままの状態を愛すること、受け入れることが大切なのだ。

●精神的に苦しくなった時に思い出すと役に立つこと4つ

本の中に書いてある、苦しくなった時のアドバイスを紹介します。

①さからわないこと
絶対的に良い行動も悪い行動も、この世にはない。
愛を持って行動しているかどうかだけが問題。

②今のあなたのままで、できる限り愛しなさい
自分の見ているものも自分の感情も、どうしようっもなく嫌で、こんなことを愛するなんてできないと感じても、
「私はそれを愛している」「それを嫌っている自分を愛している」といってみる。

③あるがままを愛する
まず、自分のネガティブな感情を愛してあげることから始める。
自分はどこに行っても、自分と共にいるしかない。

④自分を愛しなさい
自分を愛するとは、自分のことが大嫌いなのに、自分は偉いのだ、たいしたものなのだ、と証明することではない。
自分を本当に愛することができれば、自分は人より優れているなどと証明する必要はなくなる。

●さいごに

この本を最初に買ったのは10年以上前ですが、いまだに読み返しては、気づきを得ています。

本と電子書籍両方持っていて、両方ともたくさんマーカーが引いてあります。
(電子書籍はマーカー引きすぎてしまい、限界を超えたようで引けなくなってしまいました。
(;ω;))

この本の存在自体が癒しをもたらしているかのような、本当に純粋でかつパワフルな本です。

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