「明日佳ソロ琴ライブ「明日、佳人になれ #2」」
明日佳さんの、待望のソロ琴ライブ。
とても良かった!面白かった!楽しかった!
美しい和室で、PAもエフェクターも無し。
目の前で演奏される箏音をダイレクトに浴びるという、とても贅沢な時間でした。
明日佳さんのまっすぐな演奏は、とても清々しくて、心が洗われるようでした。
ポイントは3つ
1.箏の生音
2.アナログ
3.お客様
プログラムは、
前半は明日佳さんオリジナル曲で「世界を駆ける、お琴」
後半は古典曲、YYによるアレンジ曲、現代曲で「時を駆ける、お琴」
文字通りの「ソロ」ライブ。
舞台には明日佳さんしかいません。
お一人で、演奏もMCも楽器運びもなさいます。
1.箏の生音
箏は曲によって調弦(琴柱)の位置を変えなければなりません。
今回は、曲ごとに調弦をする代わりに、楽器を入れ替えました。
全部で3面?4面?の箏が出たり入ったり。
箏は楽器ごとに音色や響きが違います。
調弦の都合と言いながらも、それぞれの曲に合った、それぞれの箏の音を堪能できたことが、とても贅沢で嬉しい時間でした。
2.アナログ
明日佳さんオリジナル曲、YYによる曲はデジタル配信されています。
いつでも手軽に聞けるのですが、生で聴くそれらの曲は全然違いました。
デジタルでは拾い切れない音がたくさんなっています。
今まで聴いていたのは別の曲かと思うほど、深く細やかで鮮やか。
いずれも素敵な曲だとは思っていましたが、いや、全然。
本当はもっともっと素敵な曲。
明日佳さんご本人の演奏で、全曲を生で聴ける機会は本当にレアですね。
これがまた、嬉しい贅沢時間。
3.お客様
実は今回、一番嬉しかったこと。
それは、お客様が純粋に「音楽」を楽しみにいらした方ばかりだったことです。
箏の演奏会に行くと、いつも客席にはなぜか「箏を弾く(和楽器を奏でる)人たち」しかいません。
そうでない方もいるかもしれませんが、断言したくなるほど「関係者」ばかり。
「音楽」を聴きたくて足を運んでいる私は、いつもアウェー感でいっぱいになります。
クラシックもジャスもロックもポップスも、ただただその音楽を聴いて楽しむ人達がいるのに、なぜ邦楽界には、「ただ聴くだけの人」がいないのでしょう。
箏は様々な表現が出来て、とても面白い楽器だと思うのです。
じっと座って、有り難く拝聴するだけの楽器ではありませんし、お正月気分を盛り上げる小道具でもありません。
「音楽」を楽しもうと足を運んだのが、たまたま箏だった。
そんな人達が増えるといいなあ、という思いが箏の波の活動の元にもなっています。
純粋に「音楽」を楽しむ。
そんなお客様の気が溢れた温かい会場で、このライブを聴けたことが本当に嬉しかったです。
おまけ
初めて彼女の音を聴いたときの衝撃は忘れられません。
もう8年も前のようです。中目黒の楽屋というライブハウスでした。
初めての場所、慣れないライブハウス、知り合いもいなくて、不安な気持ちを抱えたまま、恐る恐る、空いていた席に座りました。
はじめの一音で、そんな気分は吹き飛び、一気に惹き付けられました。
楽器云々の前にまず、音楽は楽しい!
そして、その楽しい音楽を、箏という楽器で表現できるんだ!ということを最初に知ったのはこのライブだったかもしれません。
「箏って面白い!」
あの時の衝撃が、今の箏を聴く旅、箏の波の活動に繋がっています。
箏は、純粋に音楽として聴くだけでも、楽しい楽器なんだ。本当に楽しい楽器なんだ。
それを、皆さんにも知ってもらいたい!
その思いで、こうしてnoteに書き連ねたり、演奏会情報をお伝えしたりしています。
今日もまた、幸せな気分で家路につきました。
*箏の波では、演奏会情報をご案内しております。是非、生の演奏を聴いてみてください。
https://gainful-butter-9171.glideapp.io/
*************
会場 日本橋 橋楽亭
日時 2023年12月16日(土) 16:00
箏 明日佳
幕開
0.「六段の調」より
第一部「世界を駆ける、お琴」
一. 柿渋色の夜染め(日本)明日佳 作曲/和色集#4
二. 溶ける東雲(ニューヨーク)明日佳 作曲/和色集#3
三. Bitter Rain(ロンドン)明日佳 作曲/和色集#2
四. 夜船と北窓(日本)新曲 明日佳 作曲/和色集#5
第二部「時を駆ける、お琴」
五. 尾上の松 作曲&作詞者 不明 宮城道雄 箏手付/年代不明 1919年
六. Y∞Y YY作曲/2017年
七. TEGOTO 宮城道雄 作曲 YY編曲/1946年 2019年
八. 花緑青に足拍子 明日佳 作曲/和色集#1