初語から17ヶ月まで③〜物の名前を言わない?〜
子ども食堂なう2025
・前置き: あなたの子と比べないで
・あかごは物の名前を言わない?
・代名詞の獲得
・気長に対策しよう
引き続きあかごが初語から17ヶ月までに獲得した語彙の分析をしていきたい。
くどいようだが、くれぐれもあなたの子と比べないで欲しい。それぞれの子の課題があるだけなのだから。
以前の記事はこちら↓
物の名前(普通名詞)の獲得と代名詞
あかごは物の名前をあまり言わないなあと思っていた。データを分析して傾向とその理由を考えてみた。
〜月齢、獲得した物の名前と総獲得語彙数に対する割合〜
11ヶ月 2語(100%)
12ヶ月 0語
13ヶ月 3語(50%)
14ヶ月 5語(71%)
15ヶ月 3語(17.6%)
16ヶ月 11語(50%)
17ヶ月 5語(23.8%)
この時期の幼児が獲得する物の名前の割合はおおよそ40%ほどだ。あかごの初語から17ヶ月までの物の名前獲得の割合は39%と、平均的だった。
しかし、上にあげたデータを見ると月によって物の名前の獲得割合にばらつきがある。また、全体の獲得語彙数が一気に多くなった14ヶ月以降の物の名前の獲得割合は35.8%にまで下がる。
15ヶ月と17ヶ月で物の名前の割合が低いことに注目したい。15ヶ月の時にあかごは代名詞(これ)を獲得した。その後一度言わなくなり、17ヶ月くらいにまた言うようになった。
それぞれの月で代名詞を多用して要求する様子が見られた。このために各月の普通名詞の獲得が抑制されたのではないかと考えている。また、母の「普通名詞が見られない」という印象もここから来ていると思われる。
現在あかごは代名詞これやこっち、あれを使用して要求を伝えることが非常に多くなってきた。この傾向が続くと普通名詞の獲得がやや難しくなるだろう。
なるべく本人の発話の後に、「パンが欲しいんだね」、「お風呂に行きたいね」などと補うようにしている。同じような傾向のある幼児が代名詞を多用しなくなるまで時間がかかったというエピソードも聞くので、気長に対処したい。
代名詞は便利だよね!あかご!
続きます⭐️
参考文献:
岩立・小椋『よくわかる言語発達 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)』(2005)