どうやって発語を促すか〜情意フィルター仮説を応用してみよう〜
子ども食堂なう 2025
・発語や発達が気になる時は専門家に相談!
・情意フィルターの下げ方: 楽しく段階的に
・頭の中に回路ができる?
・セガンの3段階レッスン
・「発語が聞きたい」のが親心?
・あかごとなうの例
・待ちましょう!
前回に引き続き今回も情意フィルター仮説について書きたいと思う。今回はどうやって応用しているかだ。
最初に断っておきたいのは、なうはただの無資格の勉強好きな主婦だ。もしあなたのお子さんの発語や発達に悩んでいる時は、ためらわず専門家に相談して欲しい。きっとより良い生活が送れるだろう。
そしてなうは決していい親ではない。今日も感染症で家から出られないあかごにずっとテレビを見せている。感染症もう4日目に入り、なうもくたくただ。そんな日も割と多くある。
しかし、子どもの発達と発語について学ぶ中でとても大切に思うことが多く出てきた。忙しくて調べる時間のない保護者にシェアしたい。
情意フィルター仮説は第二言語(外国語)を勉強する際にとても大切な理論だ。要はリラックスして自信を持ってモチベーションも高く持ちましょうということだが、結構難しいとは思わないだろうか。この情意フィルターを上手に下げられる先生が"良い語学の先生"と言えるだろう。
さて、ではどうやって情意フィルターを下げていくのか。なうは"段階的に"というのが鍵だと思う。
なうが大学生の頃、カナダ人の英語の先生に教わる機会があった。この先生は学生に英語を話させるのがとても上手だった。
彼はいきなり生徒を指名して、口を開かせることは絶対にしなかった。まずジョークで場を和ませる。これはすごーーーく大切だ。これだけで心の壁は随分薄くなるだろう。
そして、授業ではまず話す内容を準備させることから始める。最初は一語プリントを穴埋めする程度だ。そして学生間で一語話してみる。そしてやっと先生の前で一語話させるのだ。
これを二語、ワンフレーズ、フレーズを2つ繋げた文、と増やしていき、やっと長い文章を話す練習をした。そしてなんとなうは英語を話せるようになったのだ。それまでは挨拶をすることも出来なかったのに。
先生の指導によって情意フィルターが下がると同時に、頭の中で文を作り、それを言葉にするまでの回路ができたかのようだった。平成の日本の義務教育の英語の教室ではこの練習はほぼしなかった。
ではどう段階的に幼児の発語を引き出すかだ。ここでは前回紹介したモンテッソーリ教育のメソッドを紹介したい。なうはこの教育法が情意フィルターの引き下げに効果的だと思っている。
モンテッソーリ教育では「セガンの3段階レッスン」という語りかけをする。これはフランスの医師、セガンが精神的に発達の遅れた子どもたちに向けて考案し、モンテッソーリが活用したメソッドだ。
まず大切なことは、子どもには見たこともあり、名前も知っているが、発語はできない段階があるということだ。大人でも、英単語はたくさん知っているけど、話せないという人も多いだろう。その時に無理に話す必要はない。たくさんインプットを繰り返し、自分のタイミングで発語できれば、良い形で自分のものになるだろう。
モンテッソーリ教育では、0〜1歳の段階ではインプットに専念し、アウトプットを求めない。なるべく実物を見せて、五感でそのものを実体験として理解させる。
物の名前をいくつか言えるようになったら、3個ほどの物を見せ、まず名前を聞かせる。このワンステップはとても大切だ。そして、「〇〇はどれ?」または「〇〇ちょうだい」という。
こうしたスモールステップを積んでからやっと「これ何?」と聞くのだ。
実はなうもつい、すぐに「これ何?」と聞いてしまいたくなる。モンテッソーリ教育ではこれを何度も先生たちに練習させてから現場に出すという。「なるべく早く幼児の言葉を聞きたい!」というのが親心なのかもしれない。
なうのあかごは現在1歳半だ。自分から図鑑の絵を指差して名前を聞いてくる。なうも積極的に名前を教える。全部の名前を聞いていきたい気持ちをぐっと我慢して、絶対に答えられるだろう物の名前だけ「これ何?」と聞く。すると答えられる。イェーイとハイタッチし、一緒に喜ぶ。すると嬉しそうに何度もその単語を口に出したりする。そして後日、何気ない時にもその単語が聞かれることもある。
これぞ不安なく、自信もあり、モチベーションの高い状態と言えるだろう。情意フィルターを下げることに成功している。
心の壁はなかなか取り払えない。スモールステップで段階的に発語に繋げよう。そのためには我慢と待ちの姿勢が大切なのだ。
子どもの発語が早く聞きたいみなさん!待った方が早いかもしれませんよ!
おおきに⭐️
参考文献:
藤崎達宏(2018)『0〜3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』三笠書房
子ども食堂とは
様々な事情で食事が摂れない子ども達に無料または安価に食事を提供する取り組みです。色々な媒体で特集が組まれているので是非注目してみてください。