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心とともに生きていたこと

私は心と生きている。心が身体を使い、意図したほうに動いている。

身体を健やかに保つには、栄養補給が不可欠だ。偏った食事ばかりでは、いつしか身体は壊れてしまう。

心だって、おんなじだ。実体がないから気が付かないだけで。

心は身体と違って、意識がある時間中、意図せず何かを取り込み続ける。目、耳、皮膚、そして頭が思ったことすべてを。いいものでも悪いものでも。愚痴や𠮟責やため息で、心が潰され続けていた。

そうしたものでいっぱいいっぱいになっていて、栄養補給を忘れていた。心に入ってくるものは、どうやっても選べないから、流れに身を任せていた。

心にだって栄養が必要だ。例えば、きれいな言葉の小説だったり、心地よい音楽だったり。そうだ、心にだって自主的に栄養を送り込むことができるんだった。

身体の不調ばかりを気にしていた。でも、心が風邪をひいたみたいだ。音楽が、言葉が、しみわたって元気になるのを感じた。日常の忙しさの中で忘れ去られていた者たち。好きな人の言葉でさえも、うっとうしかった最近。

心が風邪をひいていた。その証拠に忘れていた大切なこと。

音楽と小説とあなたと歌う日常が、心の栄養剤だったこと。

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