【きっかけストーリー】~せいちゃん~
その人の「きっかけ」を綴る 「きっかけストーリー」
今回は、【これからの私について】
せいちゃん です。
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これから「カード」を使ったお茶会をしていきたいと思っている、
とせいちゃんが静かに楽しそうに語ってくれました。
でもお話を聴いていくと、「カード」はマストアイテムではなさそうです。せいちゃんが今から創りたい世界はどんな世界なのか、お話を伺ってみました。
-カードを使ってどんなことをするのですか。
カードは具体的に言うと「魔法の質問カード」や「オラクルカード」などです。
これらを引いてもらって、感じたことや思い浮かんだことをもとに、1対1でセッションをしたり、複数の参加者の方と想いを語って共有したり、そんな空間を創りだしていきます。
カードはアイテムとして使っていますが、大切なのはそこで自分の内面や他の方と循環している感覚、交流している感覚ですね。
-なるほど。カードに出会ったのはどんな経緯があったのですか。
私のところに産まれてきた子どもはとても表現豊かで自由でした。
私自身そういった子ども時代を過ごしていなかったので、当時はそれを受け止められませんでした。
責任を持って育てないといけないけれど、どうしたらいいのかわからないことが多くて、このままではまずいなと思い、カウンセリングや心理学を学び始めました。
その後身体に意識が向き、「あくびセラピー」というのを学びました。
その中で人の体に触れるということを初めてしたのですが、ものすごく怖かったのです。
触れることで自分の全てが相手に伝わってしまうのではないか…という恐れでした。
さらにセラピストの在り方を学んでいく中で、触れるのが怖い、というのは実は私自身が触られたかったという気持ちが根底にあったことを知ったのです。
そっと触れることで伝わる安心感、そして手から伝わるものがあるという確信が深まり、大きな体験となりました。
そのセミナー主催の先生のブログで「魔法の質問」という言葉が出てきて、それにものすごくときめいたのです。
そしてその講座を受けそのカードを手にしました。
-魔法の質問カードをどんなふうに使い始めたのですか。
このカードは優しくかわいらしいイラストが書かれています。
それを毎日1枚引いて、自分が思うことをただそのままメモしていきました。
それを2ケ月くらい続けたときに
「書いていることは、全て自分の内から出てきている」
ことが、感覚としてはっきりわかったのです。
私が感じているものは自分の外に出さないとわからないものばかりでした。
カードを見るということは、自分の内側を見る。ということでした。
自分の中にはこんなにいっぱいのものがあって、それを言葉にできたと確信した瞬間でした。
私の中には「出してしまいたい」欲求があって、それは「出して」初めて、「自分の中にある」ということがわかったのです。
自分が思っているよりはるかに多くの出したいものが埋もれているということもわかりました。
-自分の内側にあるものを、形(言葉)として知ったのですね。
幼少の頃から親の感覚には敏感でしたが、それに意識を向けるあまり自分の感覚がわからなくなってしまっていたのです。
そんな私は感じる力が少ないから、ずっと自分を冷たい人間だと思っていました。
でもカードを引いて、自分に問いかけると自分の中から返ってくる、ということが次第にわかってきて、ひとつずつ出てくるものを見て、
「これは自分の中から出てきた感覚なんだ、想いなんだ」
とわかることがとても嬉しかったのです。
これは私だけに限りませんが、自分の外に「出す」ことで客観的に観ることができるようになりますよね。
それが自然にできるようになっていったのです。
そして自分の感じていることと言葉が一致している感覚をどんどん増やしていきました。
カードを引いて絵を見る。
この時注意深く見ていくと、一番最初に感じるものは言葉にさえなっていないものであることが多いです。
「え!」とか「うっ…」とかね(笑)。
この最初の音がとても大切だと私は思っています。
これが出るから、次の言葉、またその次の言葉、とどんどん繋がっていくと思っています。
その最初に感じた音で身体の細胞を揺らしているのでしょうね。
-そこを注意深く観察したことはなかったけれど、確かに最初は言葉にさえなっていないですね。
私はこれからもそういった「自分はどう感じるか?」を大切にしていきたいです。
そのとき感じたものを表現することが、生きていく目的なんだと今は思っています。
様々な瞬間を捉えて喜怒哀楽全てを表現していきたいと思っています。
誰かの感覚が入ってきていない、自分の感覚そのものを感じたいのです。
これこそが私の人生を生きる、ということだと思っています。
そして時にカードなどを用いて、様々な人たちのその時その時の想いに触れることで、自分と違う感覚に触れて揺さぶれながら、その感覚を共有し循環させていきたいと思っています。
私の創りだしたい世界のキーワードは「循環」だと思っています。
人だけに限らず、モノや景色に対しても意識を向ければ対話ができると感じています。
テーブルを拭いているだけでもそこに意識を向けることで、テーブルと対話しているのです。それらと交流しているのです。
その感覚を言葉にすることができるのが人ならば、空気感といった感覚も含めて、自分の中から外に出して循環させてみたい。
それぞれが自分の感覚を知り、自分を出しながら、交流していきたいと思っています。
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数ヶ月前にせいちゃんのインタビュー記事を書きました。
その時よりも今回は、せいちゃんが言葉にして相手に伝える力が数段階増している気がしました。
カードを使ったセッションやカードを使った場づくりをしている方は多くいらっしゃいますが、せいちゃんは「カード」を使うとどういったことがそこに起きているのか?を、とても繊細に捉え、その感覚を言葉にすることができる人なんだと、今回改めて感じました。
「自分の中から出てくる感覚」を捉え、それを外に出していく。
これは体感するのが一番わかりやすく、「これか」と腑に落ちていきます。そしてそのエネルギーを交流させていくというのは、とてもダイナミックな体験だと思います。
せいちゃんがこれから創りだす世界がどんなふうになっていくのか、楽しみです。
(2019年10月15日)
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