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条件世界{六章、如月一族と五行の神々}

これは私(如月早苗)と妹の三葉がそれなりに探知法を使いこなし始めてから少し経った頃の話・・・。


私と三葉は探知法が使えるようになってから一緒に下校することが多くなっていた。

「ねぇお姉ちゃん。今日は何して遊ぶ?」

「そーだなぁ・・・触れるものは殆ど触りつくしちゃったからなぁ・・・。」

私たちは最近探知法を使った遊びをしている。

具体的に言うと残留思念が残っていそうなものや歴史がありそうなものを片っ端から触ってその時に見える情報や情景を見て楽しんでいた。

まずは学校の図書室にある歴史書。

以前触った歴史の教科書と違って今度は縄文時代まではっきりと見えた。

「・・・お姉ちゃん。このサルみたいな人間?ってか縄文人?」

「・・・多分。っていうか私が前に歴史の教科書を触った時はこんなにはっきりと見えなかったんだけどな・・・。」

「・・・それって歴史の教科書だったからじゃない?」

「・・・どういうこと?」

「つまり歴史の教科書と図書室の歴史書だと当然だけど記載されてる情報量や情報の関連性の密度に差があるでしょ?多分それが探知法の見え方に影響してるんじゃないかな?」

「成程‼ってことはこの歴史書より古くて関連性の高いものを触ればもっと昔を見ることが出来るわけだ‼」

「・・・多分ね。根拠も確証もないけど笑。」

「でもそんな気がするんでしょ?」

「まあね。勘?みたいな。」

「分かる。私もそんな気がするもん。」

「やっぱり?如月一族の勘なのかな?」

「・・・かもね笑。それより今度はもっと古いもの触ってみようよ‼」

「・・・いいけど歴史書より古いものなんて・・・なくない?何か心当たりでもあるの?」

「あるよ。今迄みたいに本じゃないけど笑。」

「・・・本じゃないの?」

「うん。要は古ければいいんでしょ?だったら昔から世界各地に存在しているものがあるじゃん‼」

「・・・あ‼神社か‼」

「そう。神社やお寺ならどう短く見積もっても学校の歴史書よりも古いでしょ?」

「確かに‼うちの近くって結構古い神社やお寺が沢山あったよね?」

「うん。それに隣町にも幾つか有名な神社があるし・・・家の近くでダメならそっちに行けばいいし!」

「そしたら早速行ってみようよ‼」

「いいけど・・・どこの神社から行く?」

「霹靂(かむとき)神社‼」

「雷神を祀っているって言われている神社だよね?」

「そう。あたしたちの探知法で神社の境内を触れば過去も探れるだけじゃなくて雷神の有無も同時に分かるかもしれないよ?」

「確かに!あたしたちの起源を探る練習にもなるし雷神の起源なんてすっごいワクワクするんですけど‼」

「でしょ?建之霹靂御(たけのはたたみ)の起源に迫れるって考えると・・・鳥肌ものだよ・・・‼」

「たけの・・・何それ?」

「建之霹靂御‼霹靂神社に祀られてる神様の名前でしょ?」

「へ、へぇー・・・建之霹靂御っていうんだ。雷神。」

「そうだよ‼確か授業で習ったでしょ?」

「まぁ習ったけど・・・正確な名前まではね・・・。」

「まぁいいよ。それより早く行こうよ‼」

「そうだね。早く行かないと日が暮れちゃうし。」

「夜の神社は・・・あたし行きたくない。」

「同感。じゃ早く行こうか。霹靂神社。」


~~~~~


あたしと三葉は学校終わりの足で霹靂神社へと向かった。

「・・・ここが霹靂神社だよね・・・。」

「・・・で、合ってると思うよ。入口に書いてあったし。」

「一つ一つが大きいね・・・鳥居も境内も・・・和風シロガネーゼって感じ。」

「・・・例えはよく分かんないけど三葉の言いたいことは良く分かった笑。それより・・・気づいた?」

「・・・何に?」

「鳥居を通ってからまったく風を感じないことに。」

「・・・言われてみれば確かに。周りの木は揺れてるし風の音も普通にしてるのに体に風の当たる気配が全くない。」

「・・・何か目に見えない膜でも張ってあるみたいだよね。」

「・・・結界みたいな?」

「・・・実際に結界を見たことないから分かんないけど・・・そんな感じ。まるでここだけ世界が隔絶されているような・・・ここの空気だけ外の空気とは違うような・・・とにかく静かだなって・・・。」

「成程ね・・・じゃ、試しに空間知使ってみる?」

「お願い。三葉。」

「じゃあいくよ‼・・・・・・⁉」

「・・・どう?何か感知出来た?」

「・・・いや、出来ない。っていうか外の情報も感知出来ない・・・。」

「外も?どういうこと⁉」

「・・・多分お姉ちゃんの勘が当たったと思うんだけど結界みたいのが張られてるんだと思う。神社の中の空気は何か所々靄がかってるのは肌感で分かるんだけど・・・それ以上は分からないの。空間知で上から見ようとしても神社の周りの木の高さより上に行けない。横にも無理。多分境内のご神体を中心にドーム状の膜って言うか境目みたいのがあるんだと思う。」

「・・・恐るべし。霹靂神社。」

「昔、神社の事をこの世であってこの世でない場所って本に書いてあったのを見たけどその意味がよく分かったよ・・・。」

「人成らざる者が住まう世界・・・的な?」

「・・・お姉ちゃんも接触知で探ってみれば分かるよ。」

「・・・いや、入った時から何度かやろうとしてるんだけど・・・なんか出来ないんだよね。」

「それって空気の接触知?」

「そう。接触知で空間知の真似が出来る奴。なんかやる気になれない。」

「・・・意識がセーブされる感じ?」

「そう!あんたも?」

「うん。しようとしても自分でセーブをかけたくなるような・・・本能的に怖い感じ。」

「・・・そしたらさっさと境内に行って直接触って出ようよ。」

「そうだね。あたしも精神的に疲れてきたしこれ以上長くいるとなんかやばそう。」

あたしたちは急いで境内へと向かった。


~~~~~


「・・・ここだ!」

「三葉。早速だけど準備はいい?行くよ‼」

「うん‼」

あたしたちは神社の柱を触って探知法を使った。

「これって・・・‼」

「姉ちゃん・・・見えた?」

「三つの塊みたいなやつでしょ?見えたよ。水と火と・・・。」

「それと岩。」

「そう。この三つの塊が黄色い光を取り囲んでた。」

「多分雷神の誕生だよね。あの光景って。」

「・・・やっぱそう考えるのが普通だよね。」

「・・・じゃああの三つの塊も神様なのかな?」

「水と火と岩って事は・・・其々それを司る神様なのかもね。」

「じゃあその三つの神様が雷神を作ったのかな?」

「探知法で見る限りはそうでしょ。それより今日はもう帰らない?日も大分沈んできたし。」

「そうだね。これ以上は帰ってから考えようか。」

私たちは日が暮れ切る前に家へと帰宅した。


~~~~~


「ふぅ・・・凄かったね・・・霹靂神社。」

「だね・・・神社なんて名ばかりだと思ってたけど探知法が使えないなんて流石、神の社だね。」

「早速なんだけどさ・・・さっきの光景について考えてみようよ!」

「そうだね!・・・で、まず何から考える?お姉ちゃん。」

「まずは・・・あの光の正体かな。」

「あの三つの塊と黄色い光でしょ?」

「そう。まずあの黄色い光は雷神だよね?」

「・・・そうだと思うよ。でもそう考えると一つ疑問があるんだよね。」

「・・・雷神を生み出したのがあの三つの水神・火神・土神らしき物体ってことでしょ?」

「そう。あたしはてっきり全知全能の神が生み出したのかと思ってたんだけど・・・。」

「あたしもそう思ってた。全能の神様が全ての神様を生み出してるのかと・・・。」

「・・・お姉ちゃん。あたし思ったんだけどさ、明日別の神社行ってみない?」

「・・・もしかして水神・火神・土神の何れかが祀られてる神社に行ってみるって事?」

「流石。鋭いねお姉ちゃん。」

「・・・いいけど一つ不安があるんだけど・・・。」

「・・・不安って何?」

「あたしたち二人で平気かな?」

「それは私も不安だけど・・・他に連れていける人なんていないじゃん。お母さんでも連れて行く?」

「それは嫌!お母さんに話したら何言われるか分かんないし・・・。」

「三姉ーーー‼早姉ーーー‼母さんが夕飯出来たってーーー‼」

「はーーーい!今行くーーー‼」

「あ、今一人思いついたよ‼姉ちゃん‼」

「もしかして・・・千を連れて行くなんて言うんじゃないでしょうね?」

「そのもしかしてだよ‼千なら適任じゃない?」

「・・・俺の何が適任なの?」

「あ・・・いや別に・・・。」

「まぁそんなことより夕飯冷めるから早く来てよ。」

「「わ、分かりました・・・。」」


~~~~~


とりあえず次の神社に千を連れて行くのは千が探知法の存在を知っているのか母さんに確認してからということになった。

そして夕食を食べ終わった後私たちは母さんに千の探知法について尋ねた。

「ねぇお母さん。聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「あら早苗。それに三葉も一緒に珍しいわね。それで・・・何?」

「千の探知法についてなんだけど・・・。」

「千の?そんなこと聞いてどうするの?」

「あ、いや、姉弟としてさ、千も探知法使えるようになったのかなー・・・って興味本位で汗。」

「・・・どうなのかしらね。あの子はあんまり感情を表に出すタイプじゃないから・・・分からないわね。でも最近ゲームをやってる時間が減ってる気がするわねぇ。そんなに気になるなら本人に直接聞いてみたらいいじゃない。」

「・・・それが出来たらお母さんに聞いてないって汗。」

「そうそう。」

「まぁそれもそうね笑。それよりあたしからも一つ聞きたいことがあるんだけどいい?」

「いいけど・・・何?」

「あんたたち今日どこに行ってたの?ここ最近探知法を使ってるのは感知して知ってたんだけど・・・今日は全く使ってる気配がなかったから少し探してみたら見つからないから母さん少しびっくりしちゃった。」

「あー・・・。」

「どこに行ってたの?」

「霹靂神社だよ。」

「神社にいたの。でも何で感知出来なかったのかしらねぇ。」

「それは多分神社に結界みたいなものが張ってあったからだよ。」

「結界?」

「そう。正確には薄い膜みたいな境目みたいなやつなんだけどね。とにかく其処では探知法が使えないんだよ。」

「成程ねぇ・・・あそこは昔からある数少ない神社だけどまさか探知法が及ばない場所だったとはねぇ・・・。」

「本当に凄かったよ‼霹靂神社‼」

「接触知は何とか使えたけど空間知は殆ど使えないの!」

「・・・そうなのねぇ。その霹靂神社に行ったのはもしかして如月の起源に近づく為?」

「うん。」

「で、それは順調に進んでるの?」

「ん~~~それはどうかなーー・・・。」

「ボチボチって感じだよねお姉ちゃん。」

「うん、そんな感じだね。」

「それで突然千の探知法について聞いてきたんだね。」

「うん。次は水分神社に行こうと思うんだけど二人じゃ少し心細くて笑。」

「確かに千ならあんまりそういうの怖がらないしねぇ。」

「・・・だよね笑。」


~~~~~


ということで私たちは千に探知法が使えるのか聞いてみることにした。

「・・・聞くっていうのは決まったけどどうやって聞く?お姉ちゃん。」

「それが問題だよね・・・。」

「・・・いっそのことストレートに聞いちゃう?」

「ストレートにって・・・探知法の名前を出すの?」

「うん。そっちの方が色々とダメージ少なくない?」

「・・・まぁまだ開花してない場合“そんなオカルト好きだったっけ?姉ちゃん。”で済みそうだし・・・。」

「そうだよ‼逆に開花してたらそのまま神社に一緒に行ってもらおうよ!」

「・・・そうだね。そしたら聞いてみようか。」


~~~~~


「千!今ちょっといい?」

「ん?いいけどどうしたの?早姉。それに三姉も。」

「あんたに聞いておきたいことがあるんだけど・・・良いかな?」

「聞いておきたいこと?何?」

「・・・ほら、姉ちゃん!(耳打ち)」

「・・・あんたさ、探知法って知ってる?」

「え?あぁなんかうちの家に伝わる力の事だろ?じいちゃんから聞いたよ。」

「し、知ってたの⁉」

「まあね。最初はびっくりしたけど今はある程度使い方も分かってきたし慣れたよ。」

「・・・ってか何でお母さんより先におじいちゃんなの?」

「それは力が使えるようになったのが家で丁度おじいちゃんが母さんに電話してきたからだよ。その時は俺も暇だったから秘伝書を見せてもらって探知法の存在を知ったってわけ。」

「成程ね・・・で、いつ開花したの?」

「一昨日。」

「ちょー最近じゃん‼」

「まあね。」

「で、タイプは?」

「感情だって。早姉は接触なんでしょ?じいちゃんから聞いたけど接触って何なの?」

「何なのって・・・触れば分かるって感じよ。」

「サイコメトリーみたいなもん?」

「まぁそんな感じ。」

「成程ね。三姉は複合って聞いたけどそれって何なの?」

「私はお姉ちゃんの接触と母さんの空間の二つが使えるのよ。」

「へぇ。で、空間って何よ?」

「それは・・・明日お母さんから聞きなよ。空間ならお母さんの方が詳しいから・・・って言うか探知法が使えるようになったならお母さんに言いなさいよね!」

「・・・聞かれたら言うつもりだったよ汗」

「・・・本当に?」

「まぁそれは明日言えばいいわよ。」

「そうだね。それよりも千。明日放課後時間ある?」

「・・・あるけど、何で?」

「一緒に水分神社に行ってくれない?」

「いいけど・・・何しに行くの?」

「神社を調べに行くの。」

「・・・もしかして探知法で全能の神について調べてるの?」

「うん。あたしと三葉だけじゃ心細いから一緒に来てくれない?」

「いいけど・・・役に立てるかどうかは分かんないぜ?」

「大丈夫大丈夫。安心感が欲しいだけだから笑。それよりあんたの感情タイプってどんなことが出来るの?」

「どんな事って・・・一言で言うならテレパシーみたいなもんだよ。相手に意識を集中させると精神状態が分かるんだ。あとは目に見えない思念みたいなものも感じることが出来る。相手の意識がどこに向いているのかも分かる。」

「・・・そうなんだ。」

「そしたら神社の中に霊みたいなのがいれば千は分かるのかな?」

「んーーー・・・神社で力を使ったことはないから分かんないけど多分分かるんじゃない?」

「まぁそれは明日試せばいいでしょ。それより今日はもう遅いから寝るね。」

「そうだね。あたしも今日は疲れたからもう寝る。」

「分かった。じゃ、明日は放課後に水分神社の入り口で待ってればいい?」

「うんそれでいいよ。詳しいことは入り口で説明するから。」

「分かった。じゃ、お休み。」


~~~~~


翌日、私と三葉そして千は珍しく朝一緒にごはんを食べた。

「おはよー。」

「おはよう千。珍しいねぇあんたがこの時間に起きてくるなんて。」

「まあね。それより母さん。聞きたいことがあるんだけどいい?」

「いいけど何が聞きたいの?」

「母さんの探知法についてなんだけど・・・。」

「・・・待って。あんた何で探知法について知ってるの?」

「・・・じいちゃんから聞いた。」

「・・・いつ開花したの?」

「一昨昨日。」

「・・・あんた、開花してたんなら言いなさいな・・・汗。」

「ご、ごめん・・・汗。」

「母さん、今年一番びっくりしたわ・・・。」

「おはよーって千。今日は早いね。」

「三姉。母さんに探知法の事言ったよ。」

「お、ついに言ったか‼で、お母さんどうだった?」

「・・・びっくりしたわよ笑。それより三葉。あんたこのこと知ってたの?」

「あ、あたしも昨日知ったんだよ汗。それでまだお母さんに言ってないっていうから早く伝えるように言ったんだよ‼」

「成程ねぇ。」

「三葉おはよーって千。今日は何でこんな早いの?」

「・・・偶々だよ。」

「ふーん。で、探知法の事はお母さんに話したの?」

「話したよ。早姉たちに言えって言われたから。」

「だってあの調子じゃいつ言うか分からなかったからね!」

「お父さんから教えてもらったってことは・・・秘伝書も見た?」

「見たよ。なんか全知全能の神が何たら・・・って書いてあったけどそれ以外はよく分からなかったな。」

「まぁそうよね。じゃあ時間がある時に改めてお父さんのところに行く?」

「いや大丈夫。多分今読んでもこれ以上の事は理解出来ないと思うし。それより今日早姉たちと水分神社行くんだけどいいかな?」

「別にいいわよ。でも日が暮れるまでには帰ってくるのよ?」

「分かった。」

「じゃ、お母さん行ってくるね‼」

「行ってらっしゃい。」


~~~~~


あたし達は放課後水分神社の入り口へと集合した。

「着いたね。水分神社。」

「そうだね。あとは千を待つだけだね。」

「早姉ー‼三姉ー‼」

「お、来たね。」

「待った?」

「いやあたしたちも今来たところ。」

「そうなんだ。で、いきなりなんだけどさ、ここまでの経緯を聞きたいんだけど。」

「・・・どうして水分神社に行くことになったのか・・・ってこと?」

「そう。如月の起源について調べてたんでしょ?」

「うん。そうだよ。」

「じゃ、それがどこまで進んでるかも含めて教えてよ。」

「分かった。」


~~~~~


私たちは千に今までの歴史書のくだりから霹靂神社で起きたことについて話した。

「・・・成程ね。全能の神に近づく為に古い神社を調べてるってことか。」

「そう。で、霹靂神社で探知法を使ったら水神、火神、土神らしき光の塊に雷神が囲まれてたんだよ。」

「・・・これをどう考える?」

「普通に考えればその水神、火神、土神が雷神を作ったと考えるのが自然だよね。」

「だよね・・・。」

「そうか。だから次は水分神社なのか。雷神を作った水神の祀られてる水分なら全能の神に近づけるかもってわけか。」

「そういうこと。」

「俺が呼ばれたのも分かる気がするよ。雷神を作った水神の神社に行くとなれば当然前の霹靂よりも何が起きるか分からない・・・だから人手が欲しいってわけだ。」

「うん。どう考えても探知法で見たことを踏まえると雷神より水神の方が位が高そうだからね。」

「かなりの確率で霹靂より特殊な場所だと思う。」

「そしたらさっさと用事だけ済ませて出た方が良いね。」

「うん。千には悪いけど今回は寄り道しないで境内だけを目指して触ったらすぐに出るつもり。」

「俺はそれで大丈夫だよ。探知法は歩きながらでも出来るし。」

「私も大丈夫。」

「そっか。なら早速入ろうか。水分神社へ‼」


~~~~~


私たちは水分神社へと足を踏み入れた。

「・・・確かに普通の場所じゃないみたいだね。ここ。」

「千。あなたの感情タイプでも何か感じるの?」

「何か・・・ってレベルじゃないよ。夏のセミみたいにうじゃうじゃ思念みたいのが飛び交ってる。」

「うわぁ・・・怖いこと言わないでよ・・・汗。」

「しょうがないだろ?感じるんだから。それより三姉はどうなんだよ。何か感じる?」

「あたしは以前にも増して空間知が使えない感じかな。あと空気が濃い感じがする。お姉ちゃんはどんな感じ?」

「あたしもやっぱりダメ。さっきからやってるけど出来ない。」

「・・・やっぱり急いだ方が良いね。俺の探知法も少しくるってきた。」

「くるってきたって・・・どういうこと?」

「なんかさっきまで感じ取れていたのが段々開花する前みたいに何にも感知出来なくなってきてるんだ。」

「それだけここが強力な場所だってことだね・・・。」

「千、三葉。もう着くから準備して。」

「分かった。」

そうこうしていると水分神社の境内についた。

「着いたね。」

「うん。」

「そしたら早姉たち。早速見てみて。」

「分かった。」

千に言われたように私と三葉は接触知を使って水分神社の境内を触った。

そこであたしたちが見た光景はまたしても意外なものだった。

「「・・・・・・・・・。」」

「どうだった?早姉。」

「結論から言うと神じゃないと思う。」

「どういうこと⁉」

「六人の天使が見えた・・・。」

「・・・もっと詳しく。」

「六人の天使たちが見えたの。」

「・・・じゃあ水神も全能の神が作った神じゃないってことか?」

「そうだと思う・・・。」

「あら、ここに参拝者なんて珍しいわね。」

「あ・・・ど、どうも汗。」

「しかも高校生なんて。男の子の方は中学生かしら?」

「あ・・・はい。あの、失礼ですがあなたは・・・。」

「私はこの神社の所有者の天雨です。よろしくね♪まぁ何もないところだけどゆっくりしてくださいね。それじゃあ。」

「・・・びっくりした汗。」

「・・・(もしかして・・・。)」

「どうしたの?お姉ちゃん。」

「いや、何か知り合いの母親に似てる気がして・・・。」

「そうなの?じゃあ挨拶しないとまずかったんじゃない?」

「でも、知ってたら何か言ってくるよね・・・。」

「確かにそれはそうかもしれないけど・・・。」

「まぁ早姉が良いならいいんじゃない?それよりさっき見たことを詳しく話してよ。」


~~~~~


私と三葉は水分神社から出た後境内を触って見えたことを千に話した。

「・・・今度は六人の天使が水神を取り囲んでた・・・と?」

「そう。つまり水神も全能の神から生まれたわけじゃないってこと。」

「もうわけ分かんないよね・・・。」

「確かにこれだけだと何が何だかね・・・。」

「・・・とりあえず起源探しは休まない?」

「そうだね。今考えても分からないなら少し時間を置くのも手かも。最近ちゃんと休んでないし。」

「そうだね。俺も探知法が使えるようになってからゲーム全然やってないし・・・あーー‼そう考えたら急にゲームやりたくなってきた‼」

「はいはい笑。まぁ千にしちゃよく我慢した方じゃない?」

「確かに笑。あたし千とこんなに喋ったの小学生の時以来だよ。」

「俺も。姉ちゃん達とちゃんと話したの久しぶりかも。」

「・・・ちょっと探知法に感謝かな?」

「・・・だね笑。」

「じゃ、帰ろっか。家に‼」


~~~~~


あたしたちは日が暮れる前に家へと帰宅した。

「ただいまー。」

「お帰り三人とも。どう?水分神社に行って何か収穫はあった?」

「まぁあったといえばあったけど・・・核心的なことは何も・・・って感じかな。」

「あらそれは残念。そういえば早苗。水分神社で天雨ちゃんに会ったんですって?」

「え?何でそれを?」

「態々電話で知らせてくれてね。“姉弟仲良いわね♪”っていわれたわ。」

「お母さんって天雨さんとどういう関係?」

「何言ってるの?高校からの友達でママ友よ。確か高校の入学式にも会ってるでしょ?あんたのクラスの無水君のお母さんじゃない。」

「あ・・・そうだった汗。思い出した・・・‼」

「やっぱ顔見知りだったんじゃん。お姉ちゃん‼」

「あーあ、失礼働いちゃったね。早姉。」

「い、いや、完全に忘れてたわけじゃないよ?うん‼お母さんに言われてはっきり思い出した‼」

「まぁ天雨ちゃんはそんなに気にしてないと思うから大丈夫よ笑。それよりもう夕ご飯だから早く手を洗ってきなさい。」

「「「はーい。」」」

わたしたちは夕食を食べることにした。


~~~~~


それから私たちは暫く探知法と神の起源探しを忘れて普通に過ごしていた。

しかしそんな平穏な日々を過ごしているある日。千が驚くべきものを図書室で見つける・・・。

「早姉ーー‼三姉ーー‼」

「お、千。どうしたの?」

「今、時間ある?」

「あるよ。」

「三姉は?」

「(鳥かな・・・やけに早く飛んでるけど・・・。)」

「ねぇ三姉?聞いてる?」

「え?あ、あぁ聞いてる聞いてる!時間でしょ?あたしも大丈夫だよ‼」

「そっか。なら良かった‼今から学校の図書室に一緒に来てくれる?」

「いいけど・・・何で?」

「多分・・・なんだけど姉ちゃんたちが水分神社で見た天使の目星がついたんだ。」

「本当に⁉」

「うん。だから図書室まで来て確認してくれない?」

「分かった。」


~~~~~


私たちは千に言われた通りに図書室へと向かった。

「で、これが見てもらいたいものなんだけど・・・。」

「この本って・・・。」

「神話だよ。題名は“全知全能の神と六大側近天使”。」

「六大側近天使って・・・。」

「そう。偶然にも姉ちゃんたちが水分神社で見た天使の数と同じ。」

「で、その神話には何て書いてあるの⁉」

「神話によるとこの六大側近天使は神の啓示を果たす役割を担ってるんだってさ。つまり使いパシリってわけ。で、ここからが重要なんだけどこの天使たちは神・・・つまり俺達で言うところの全能の神の事だけどこの神の命を受けて様々な恩恵を齎してきた・・・って書いてあるんだ。これがどう重要か分かる?」

「・・・もしかして水神を生み出すよう命じたのは全能の神ってこと⁉」

「そう。つまりやっぱ水神は全能の神によって作られたってこと。あともう一つ見逃せないのが天使が神の命を受けてるってこと。」

「神の命を受けて様々な恩恵を齎してきた・・・ってことは神様自身は今まで直接人間界に何か影響を与えたこともないし姿を現したこともないってことだよね・・・。」

「早姉その通り。だから俺たちの起源に近づくには天使の痕跡を調べる必要が出てきたってわけ。」

「・・・じゃあ現世の神の序列としては六大天使、水神・火神・土神、雷神の順になるわけか。」

「そうなるね。で、神様に近づくにはどう考えても天使を経由しないといけない。」

「・・・成程ね。どうりで考えが行き詰まるわけだ。」

「だね。天使なんて日本より外国の方が有名だと思ってたし・・・とにかく色々と新事実が多過ぎてもう頭が沸きそうだよ・・・汗。」

「やっぱり・・・起源探し一旦止めて正解だったね笑。」

「確かに。ここからは気長にやったほうが上手くいきそう。」

「まぁとにかくそんな感じなんだ。どう?大分有益な情報だったでしょ?」

「・・・かなりね。それにしてもやっぱり凄いね。神様って・・・。」

「本当、調べても調べても謎が増えていく一方だよ・・・。」

「とりあえず帰ろっか。今日はもう遅いし。」

「そうだね。」

そういうわけで私たちは新たに分かった神の新事実を抱え家へと帰宅した。


~~~~~


そして翌日。

今度は三葉が探知法で意外なものを探知する・・・。

「はぁ・・・今日も疲れた。」

「お姉ちゃーーん‼」

「あ、三葉。あんたも帰り?」

「うん。お姉ちゃんもでしょ?」

「そうだよ。」

「やっぱし。じゃ一緒に帰ろ・・・・・・⁉」

「どうしたの?三葉。」

「・・・お姉ちゃん。これからかなり変なこと言うけど・・・真面目に聞いてくれる?」

「何?笑。ものすごいダジャレでもいうの?」

「・・・最近時々空間知を使うことがあってね。今もふと使ったんだけど・・・とんでもないものを感知したの・・・‼」

「・・・何よ。そのとんでもないものって。」

「・・・人。」

「何だびっくりさせないでよ笑。人くらい感知出来て当然じゃない。そこらへんにいっぱいいるんだから笑。」

「ただの人じゃないの。空を飛んでるの‼」

「・・・は、はい⁉」

「正確に言うと空を飛んで移動してるの・・・。」

「飛んでることに変わりはないじゃん‼」

「これってどういうことなのかな・・・⁉」

「・・・三葉‼その飛んでる人。今でも感知出来る⁉」

「・・・うん出来る‼まだ探知法の範囲内みたい・・・‼」

「どの方角に飛んでるかとかも分かりそう?」

「それは分かるけど・・・ってお姉ちゃん‼まさか追いかけるつもり⁉」

「勿論でしょ‼こんな面白そうなこと放っておけるもんですか‼」

こうして私たちは三葉の探知法を頼りに空を飛ぶ人間の行き先を調べることにした。


~~~~~


「人が空を飛んで移動してるってどういうことなんだろうね。お姉ちゃん。」

「それはこっちが聞きたいよ‼それより問題はそいつが何者かってことよ‼」

「それなんだけど・・・多分うちの学校の生徒っぽいんだよね。」

「・・・マジで?」

「マジで。だって学校の屋上から飛び立つのを感知してるし。それに前千が天使の神話の本を見せてくれた時あったでしょ?多分その時もそいつ空を飛んでたっぽいんだよね・・・。」

「・・・あんたが千の問いかけに上の空だった時ね。」

「そう。あの時は大きい鳥がものすごく早く飛んでるだけかと思ったんだけど今思えばそんなわけなかった。なんたって飛行機より早いんだもん。絶対おかしい。」

「それよりその人間はまだ飛んでるの?」

「普通に飛んでる。全然追いつける気がしないよ・・・汗。」

「・・・いったん休もう。どこか休める場所はない?」

「まって今スマホで調べる・・・あ、あった‼」

「どこ?」

「・・・志那都神社。偶然にも風伯師が祀られてる神社があるよ。」

「・・・じゃあそこで休まない?多分これ以上追いかけても追いつけないでしょ?」

「まぁまだ飛んでるし・・・。」

「そこで休みながら今までの事を整理しようよ。」

「そうだね。」

私たちは志那都神社で空を飛ぶ人間について一旦考えを整理することにした。


~~~~~


「ふぅ着いたね。志那都神社。」

「そうだね。それより何者なんだろうね。空を飛ぶなんて・・・。」

「まぁ普通の人間じゃないことは確かでしょ笑。なんたって空を飛んでるんだから。」

「それを言ったらあたしたちだって普通じゃないよ笑。まぁ普通じゃないから飛んでる人間を感知出来たんだけどね。」

「確かに笑。・・・ん?もしかしてそいつ神様の力を使う人間なのかもよ?」

「・・・神様の力を使うってあたしたちが全知の神様の力を使うようにそいつも何らかの神様の力を使う人間だって言いたいの?」

「そう。だとしたら空を飛んでるのも説明がつかない?」

「確かにそうかもしれないけど・・・だとしたらその飛ぶ力を与える神様ってどんな神様なのよ?」

「・・・三葉。あたしたちが今いる場所は?」

「急に何よお姉ちゃん・・・あ‼風神⁉」

「確証はないけどそうだと思わない?だって飛んでる人間を追いかけて途中に偶然近くにあったのがこの風神を祀ってる志那都神社なんだよ?」

「確かに偶然にしちゃ出来過ぎてるね。」

「・・・三葉。あんたまだ探知法使える?」

「使えるけど・・・何で?」

「もう一回探知出来る?」

「出来るけど・・・また感知出来るかは分かんないよ?」

「それでもいいからお願い‼」

「もぉ~~しょうがないなぁ。じゃ今からやってみるから。少し静かにしててね?」

「は~い。」

三葉は志那都神社の入り口で探知法を使った。

「・・・どう?」

「んーーー・・・この周辺にはいないかな。」

「そっか・・・。」

「このお周辺にはね。今度は焦点を絞ってやってみるね。」

「・・・そんなこと出来るの⁉」

「まあね。」

今度は更に遠い範囲を三葉は感知し始めた。

「・・・今度はどう?」

「・・・‼、いたよ笑。ここから学校と志那都神社を直線で結んだ方向にさっきのもの凄い速さで移動するものが二つ。」

「二つ⁉」

「まぁとりあえず言ってみようよお姉ちゃん‼」

そういうわけで私たちはその方角へと急いで向かった。


~~~~~


三葉が感知した場所へと辿り着くとそこはかなり敷地の広い周りには自然しかない一軒家へとたどり着いた。

「・・・ここで会ってるんだよね?」

「うん。今も何か分からないけど動いてるよ。とりあえず疲れるから探知は解くね。」

「うん。それより・・・ここって人ん家だよね。」

「表札とかないのかな?」

「・・・あった‼」

「なんて書いてある?」

「“須羽”だって。」

「・・・で、着いたはいいけどここからどうするの?お姉ちゃん。確かにあたしの探知でここまで来たけどどう見ても普通の家っぽいよ?」

「・・・どうしよっか。」

私たちが須羽さんという人の家の前で半ば呆然としていたころ意外な人たちが姿を現した。

「あら早苗ちゃん。こんなところで何してるの?」

「天雨さん‼」

「あら天雨。この子達知ってるの?」

「京ちゃんのとこの娘さんよ。姉さん覚えてない?」

「あーそういえば風太の入学式の時に挨拶したかも。」

「(風太の入学式って・・・じゃあこの人。風太の母親だ‼)」

「で、あんたたちこんなところで何してんの?」

「え、えっと・・・それは・・・。」

当然答えられるはずもなかった。

なんせ探知法を使って此処まで辿り着いたのだ。

しかも普通に生活していれば知りえない情報を手にして。

そんなことを考えていると三葉が口を開いた。

「実はここまで来たのは学校からびっくりするものがここまで飛んでいくのを目撃したんですよ‼ねぇ?お姉ちゃん‼」

「え?あ、あぁ実はそうなんですよ‼それでそれを追いかけてたらこんなところまで来ちゃって汗。」

「びっくりするものが学校からねぇ・・・。」

「(うわ~~~~~絶対信じてくれないよ汗。なんてこと言ってくれちゃったの三葉~~~‼)」

「天雨。」

「・・・はい姉さん。ねぇ早苗ちゃん三葉ちゃん。その話詳しく聞きたいから一緒にお茶でもどう?」

「は、はい・・・。」

私たちは天雨さんの申し出を断ることなど出来るはずもなく言われるがままにお茶の誘いを受けるしかなかった。


~~~~~


「で、さっきの話なんだけどさ。本当なの?あんたたち。」

「・・・正確に言うと半分本当で半分嘘です。」

一番最初に口を開いたのは三葉だった。

「・・・半分本当で半分嘘?それはどういうことなの?」

「それは・・・学校からここまで人が飛んできたことは知ってるんですけど直接見たというのは嘘です。」

「成程ね。正直でよろしい‼天雨‼京子ちゃんには電話した?」

「したわ。京一が迎えに行ってるからあと二・三分でこっちに来るはずよ?」

「了解。」

「え⁉お母さんここに来るんですか?」

「来るわよ?まぁでも早苗ちゃんが心配するようなことにはならないから安心して?」

「早苗ちゃんたち。あたしらに怒られると思ってたんでしょ?その心配はいらないわ。あたしたちあんたのお母さんの能力も一族についても知ってるから笑。」

「え⁉知ってたんですか⁉」

「そうよ~~あんたらが生まれる前からずっとね‼」

「じゃ、じゃあお母さんを呼んだのは・・・?」

「いやお互いの子供の顔合わせと久々に話でもどうかな~~って思ったのよ。あ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私は風太の母の建侯雷姫です。よろしくね‼」

「あ、如月早苗です・・・。」

「私は如月三葉です。よろしくお願いします。」

お互いに自己紹介をしているとクラスメートの風太が部屋に入ってきた。

「母さん修行の時間に何の用だよ・・・ってお客さん?」

「ほらアンタんとこのクラスメートの早苗ちゃんよ。あいさつしな。」

「ど、どうも。」

「どうも・・・。」

「で、母さん。これどういう状況?」


~~~~~


俺はさっきまで須羽さんと修行をしていたが母さんが来た途端修行は中断となった。

その後天雨さんに応接間へと呼ばれ現在に至る。

「で、母さん。これどういう状況?」

「風太あんた、今日空飛んで京一の家まで来たでしょ?」

「ちょ、母さん‼そういった話はここでしちゃだめなんじゃ・・・。」

「大丈夫よ。この子達あたしらの知り合いの子だから。それよりあんたが空飛んだから来たのよ?」

「・・・それ、どういうこと?」

「詳しい話は京一が来てからね♪」

「姉さん‼連れて来たよ‼」

「あ、久しぶり~~~‼京子ちゃん‼元気してた?」

「それなりには。」

「早姉‼三姉‼」

「千!アンタも来たの?」

「・・・家でゲームしてたら母さんに連れてこられた。」

「成程・・・。」

「じゃ、役者もそろったことで詳しく話しましょうか。京子ちゃん。」

「そうですね雷姫さん。じゃあ早苗、三葉。ここに至るまでの経緯を話してくれる?」

「・・・分かった。」

俺は早苗と三葉が探知法とかいう超能力によって俺が須羽さんの家まで飛んだことを感じ取りそれを頼りにここまで来たこと。

そして入り口で母さんたちと会って今に至ることを知った。

「・・・つまりこれはあんたが三葉ちゃんに感知されなきゃ起こりえなかったことなのよ‼」

「それはそうかもしれないけどさ・・・ってか探知法って何だよ⁉それがなきゃ俺だって見つかることなんてなかったさ‼」

「・・・まぁそれはそうね笑。」

「ごめん風太‼あたしたちが感知したばっかりに‼」

「いやそれはいいよ。もう起きちゃったことだし。それに当然だけど能力の事は他人には言わないだろ?」

「うんそれはね。言ったって信じないし言う意味がないからね。」

「だよな。それよりも引っかかってるのが母さん‼」

「な、何よ⁉」

「母さんは探知法について知ってたのか⁉」

「それはまぁ知ってたけど・・・。」

「知ってたなら言ってくれればよかったのに・・・そしたら変に警戒して隠すこともなかったし・・・。」

「いや色々忙しくてね汗。いつかは言おうと思ってたのよ?」

「・・・本当に?」

「本当よ汗。それよりも驚いたのは早苗ちゃんたちじゃない?聞けばお母さんから能力があることすら聞かされてなかったみたいだし。」

「そうなのか?早苗。」

「そうだよ。自分で能力があるかもしれないって思って聞くまではお母さん何にも言わなかったもん。」

「それは流石にちょっと放任主義過ぎない?京子ちゃん。」

「あ、あたしだって能力が開花するまでお父さんに言われなかったからそれが普通だと思ったんですもん。」

「まぁ京子ちゃんは少し抜けてるところがあるからね。」

「そうね笑。」

「久しぶりの再会に懐かしむのもいいけど姉さん。ここらでちゃんと自己紹介した方が良くないか?一応ここにいる人たち全員能力者なわけだし。」

「そうね。じゃあんたからしなさい。京一。」

「え?なんで俺から・・・。」

「言い出しっぺだからよ。ほら‼」

「・・・はいはい。須羽京一です。風の自然術を扱います。」

「あの‼質問してもいいですか?」

「ん?君は・・・。」

「あたしは如月三葉です。」

「三葉ちゃんか。何だい?質問って。」

「その自然術というのは具体的にはどういう能力なのですか?」

「・・・具体的に言うと自然術ってのは名前の通り自然の力を扱う能力だよ。風だったり火だったり水の様な自然に存在するものを扱う能力だ。」

「・・・ってことは須羽さんは風の力を使うってことですね?」

「そういうことだ。じゃ次姉さん。」

「分かってるわよ。名前はさっき言ったから分かるわよね?建侯雷姫です。雷の自然術を扱います。よろしく♪」

「雷?」

「そう。あたしは雷を落とすことが出来るのよ?千くん。」

「雷神みたいですね。」

「あら流石京子ちゃんの子だけあって勘が鋭いわね。」

「勘が鋭いって・・・雷姫さん本当に雷神なんですか⁉」

「一応巷じゃ雷神って呼ばれてま~す‼で、そこにいる京一が風神よ。」

「・・・成程。」

「じゃ次天雨。」

「はい姉さん。あたしは建侯天雨。同じく雷の自然術を扱います。よろしく。」

「・・・さっきから京一さんも天雨さんも姉さんって呼んでるけど三人はどういう関係性なんですか?」

「京一とあたしと姉さんは昔三人で遊んでてね。京一は姉さんより年下だから姉さんって呼んでるわけ。」

「そうなんですね。」

「そう。じゃ次風太君ね。」

「はい。俺は城堂風太です。須羽さんと同じ風の自然術を扱います。よろしくお願いします。」

「・・・風の自然術って具体的に何が出来んの?」

「具体的には空を飛んだり風の壁を作ったり色々だよ。」

「成程ね~~。」

「こっちの紹介は終わったよ。」

「そうね。じゃ次京ちゃんお願い。」

「は~い。あたしは如月京子です。探知法を使います。よろしくお願いします。」

「京子さん。その探知法ってのはどういう能力なんだ?」

「具体的には{知ること}を本質とする能力です。つまり知に関係することなら何でも出来ます。そしてその能力には幾つかのタイプが存在します。まずは私やお父さんが使う空間タイプ。これはとても正確なGPSを想像してもらえると分かり易いと思います。」

「じゃあ京子さんはGPSみたいに人やモノの場所を知れるってことですか?」

「そうです。他にもタイプがあるんですがそれはこの子達から聞いてください。その方が分かり易いでしょうし。」

「そうね。空間タイプは京子ちゃんから聞いて知ってるけど他のタイプは知らないから紹介がてら教えてくれる?早苗ちゃん。」

「ハイ分かりました。では改めて。如月早苗です。私の使う探知法は接触タイプというもので一言で表すならば超能力のサイコメトリーっていうのを想像してもらうと分かり易いと思います。」

「で、そのサイコメトリーで何が出来るの?」

「触ったものの情報が分かるの。例えば筆箱に触ればその中に何があるか分かるし歴史書を触れば過去だって少しは覗ける。」

「・・・それって過去に何があったのか実際に見れるってこと?」

「うん。信じられないかもしれないけど・・・そういうこと。」

「凄いわねぇ早苗ちゃん。じゃ次三葉ちゃんいける?」

「え?あ、はい。いけます‼私は如月三葉です。私の探知法は少し特殊で複合タイプというもので空間タイプと接触タイプ二つの探知法が使えます。」

「へぇ~~・・・なんか凄いな。」

「何を隠そうあんたを探知したのはこの子なのよ?」

「ほぅ風太を感知したのか。そりゃスゴイ・・・。」

「じゃ最後に千くん。お願い出来る?」

「はい。如月千と言います。俺の探知法は感情タイプというものです。特徴としては超能力のテレパシーをイメージしてもらうと分かり易いと思います。」

「・・・テレパシーって心が読めるってこと?」

「いや流石に心までは。具体的には精神状態だったり思念を感じ取れるところまでです。」

「じゃあ霊感みたいなものかねぇ。」

「まぁそういうこと。」

「何?京子ちゃん。あなたも千くんの能力について初耳だったの?」

「ええまぁ。なんせ開花したのがごく最近なもので。」

「あ、そうなんだ。」

「うちの場合は能力の開花自体が不安定だから色々と複雑なんですよ。」

「成程ね。だからこの子達には能力の事をギリギリまで言わなかったんだ。」

「そうなんです。」

「じゃ自己紹介も終わったことだし今日はこれで解散ね。私と天雨はこれから京ちゃんとお茶するけどあなたたちはどうする?」

「俺は自分の部屋でゆっくりするよ。」

「そう。」

「早苗、三葉。それに千はどうする?」

「あたしは家に帰るよ。」

「わたしも。」

「おれも。帰ってゲームの続きしたいし。」

「なら風太。あんた家まで送ってあげなさい。」

「え~~何で俺が‼」

「だって京一は京子ちゃん送ってかなきゃいけないしあんたたち同じクラスメートでしょ?あんたの風ならすぐなんだから送ってあげなさいな。」

「へいへい。分かりましたよ。」

ということで俺は早苗たちを家まで送り届けることにした。


~~~~~


早苗は俺に今回の事について謝ってきた。

「今回は何か・・・ごめんね?」

「・・・何かって?」

「いや・・・色々とさ。私たちの力の事だったりお母さんの事だったり風太の力の事だったりさ。」

「それについては全然気にしてないよ。だってお互い様だし・・・汗。」

「でもあの須羽さんって人の家まで行ったのは完全にやり過ぎたよ。」

「それも大丈夫だと思うぜ?須羽さんは何も言ってなかったし何よりうちの母さんに色々言われたんじゃないの?」

「まぁ最初は怒られるのかと思ったけど・・・全然そんなことなくっていいお母さんだよね。雷姫さん。」

「いいお母さん・・・ねぇ・・・。」

「・・・違うの?」

「・・・俺には分かんねえよ笑。それより俺たち以外にも能力者がいたなんて驚いたよ。」

「それは同感だよ。しかもお互いの母親は能力について知ってったんだから。」

「これからは俺たちも能力について情報共有した方が良くないか?」

「そうだね。あたしたちは今日紹介した家族の他におじいちゃんがひとりいるだけだよ。」

「そうか。うちは今日紹介した母さんたちを除いても紹介してない人の方が多いからまた後日詳しく話をするよ。」

「・・・後日っていつ?」

「・・・明日の放課後とか時間あるか?」

「私は平気たけど三葉たちはどう?」

「私も大丈夫。」

「俺も。」

「そしたら明日放課後学校の入り口で待っててよ。詳しい話はその時にするから。」

「分かった‼」

こうして俺は早苗たちを家へと送り我が家へと帰宅した。


~~~~~


「ただいまー・・・って父さん‼先に帰ってたんだ。」

「お帰り。まぁな。それより今日は遅かったな風太。」

「まぁね。理由は後で分かると思うよ。」

「・・・何かあったのか?」

「うん。修行中に母さんの旧知の人と会ってね。」

「ただいまーって砂一郎今日非番?」

「いや仕事だが早めに片付いた。それより風太が言ってたが今日昔の知り合いにあったんだってな。」

「そうなのよ~~~久しぶりに京ちゃんと会ってお茶したの~~♪・・・風太のおかげでね?笑。」

「・・・風太のおかげ?」

「ちょ、母さん‼」

母さんは父さんに今日あった如月の一件を話した。

「成程な。京子さんの娘さんが風太を・・・。」

「そ‼三葉ちゃんっていうんだけどその子が探知法を使って京一の家までたどり着いたのよ。」

「話を聞いただけだが凄いんだな。探知法という力は。」

「三葉ちゃんが言うには飛行機より早かったっていうんだからその力はただ物じゃないことは確かね。」

「逆にいうと飛行機程度の速さならその探知からは逃れられないということか。」

「そういうことでしょうね。ま、とりあえずそんなことがあったから。あ、あと風太‼多分天雨を通じて無水君にも話が行くと思うからその時は説明してあげな。」

「言われなくても明日するつもりだよ‼お互い能力者なわけだし。」

「まぁそれもそうね。華季ちゃんにはわたしと天雨から言うから大丈夫よ。この際お互いに知っておいた方が良いでしょ。あんたは無水君と漿郗ちゃんのことだけ言えばいいから。砂一郎や雪正の事は私から京子ちゃんに伝えておくから。」

「分かった。」

「砂一郎。明日の予定は?」

「確か俺と雪正は非番だ。華季はどうか知らんが。」

「じゃ、華季ちゃんには私から確認しておくから雪正にはあなたから伝えてくれる?」

「分かった。」

こうして我が家は着々と如月一族と関係を持っていく為行動を起こしていった。


~~~~~


翌日俺は昼休みに無水と漿郗を呼び出し昨日の出来事も含めて放課後の成り行きなどを話すことにした。

「風太ー昼休みに何か用?」

「今日は漿郗たちに話しておかなきゃいけないことがあるんだ。無水は天雨さんから聞いてるよな?」

「ああ。お前が感知されたとかいう話だろ?聞いたよ。」

「まぁその通りなんだが・・・何だかなぁ・・・。」

「待って?何の話?」

「とりあえず簡潔に話すと風太が空を飛ぶことを同じクラスの如月早苗に知られた。」

「え⁉何やってんの?風太‼やばいじゃんそれ‼」

「でも風太は空を飛ぶところを直接見られたわけじゃない。」

「じゃあ何でばれたわけ?」

「それは放課後に話すよ。学校の中じゃこれ以上はまずいし何より早苗には放課後に会う約束を取り付けておいた。」

「でももし仕事が来たら・・・。」

「そっちも問題ない。母さんがなるべく仕事が回らないように手配してくれてるから。それに多分華季さんにも昨日の話は行くから。」

「その話ってそんなに大ごとなの?」

「まぁ大ごとではないけど大きなことではあるよな?」

「ああ。一族同士の出来事というかまぁ・・・大ごとだな。」

「・・・分かった。じゃ放課後話を聞けばいいわけね?」

「ああ。頼むわ。」

そういうわけで俺たちは一旦解散した。


~~~~~


放課後になり俺たちは早苗たちと会う為に学校の入り口へと向かった。

「本当にいるの?その早苗って人。」

「いるよ。昨日約束したんだかから。」

「ほら入り口にそれらしき人がいるぞ。」

「あ、本当だ・・・って三葉⁉」

「ん?・・・漿郗‼あんた何でここにいるのよ⁉」

「それはこっちのセリフよ⁉あんたも・・・そうなわけ?」

「まぁそうだよ・・・汗。」

「で、そっちの男の子は誰だ?」

「あたしの弟の千よ。」

「昨日いたよな。こっちの愛想がないのが無水だよろしく。」

「如月千です。よろしくお願いします。」

「・・・よろしく。」

「三葉にこんな可愛い弟がいたなんてね~~私は毘之漿郗で~す‼よろしくね‼」

「よ、よろしくお願いします汗。」

「じゃ、さっそく移動しますか。」

「そうだな。」

「どこに移動するんですか?」

「神社だよ。ここで飛ぶには人が多過ぎるからね。」

「・・・飛んでどこに移動するんですか?」

「昨日行った須羽さんの家の応接間だよ。あそこならこの人数でも対応可能だからね。」

「成程・・・。」

「着いたね。」

「じゃ、行こうか。」

「そうだな。」

ということで俺たちは須羽さんの家に向かった。


~~~~~


須羽さんの家に着いた後俺たちは本題へと入った。

「じゃ、ここは俺と早苗が仕切るぞ。昨日俺と早苗それに三葉ちゃんと千くんはお互いに自己紹介が終わってるから無水と漿郗自己紹介頼む。」

「分かった。じゃああたしから行くね。私は毘之漿郗って言います。火の自然術を使います。よろしく‼・・・ってこれでいいのかな?」

「・・・漿郗にしちゃ上出来だ。」

「ねぇ漿郗。火の自然術って具体的には何が出来んの?」

「火はね~具体的にはそのまんま火を操れるのよ。某海賊漫画のお兄ちゃんみたいな?あたしはそれで火をコントロールして火山活動を抑えたりしてるの。」

「・・・保護者付きだけどな。」

「しょ、しょうがないでしょ汗。まだ慣れてないんだから‼」

「そうなんだ・・・。」

「まぁあたしが使えるのは正確にはマグマなんだけどねー。」

「マグマ?」

「漿郗。その辺の詳しい説明は自己紹介の後にするから。じゃ次無水。」

「分かった。俺は水の自然術を使う檜河無水だ。よろしく。」

「よし。じゃこっちの自己紹介が終わったところで早苗そっちの紹介をこの二人にしてくれないか?」

「分かった。じゃ改めて。あたしは如月早苗と言います。探知法という力を使います。よろしく。」

「その探知法っていうのは何なんだ?」

「一言でいうなら{知ること}を本質とする能力。つまり知という文字がつくことなら何でも出来る。そしてこの探知法っていうのは人によって使い方に癖が出る。あたしの場合は触ることで知ることが出来る。裏を返せば触れるものなら何に対しても探知法が使えるってこと。」

「・・・何か超能力のサイコメトリーみたいですね‼」

「お、漿郗ちゃんその通りだよ‼まさにそんな感じ。」

「へぇ~~凄いですね‼」

「まあねぇ。」

「(お姉ちゃん嬉しそうだな・・・)じゃあ次あたし行くね?」

「う、うん汗。」

「あたしは如月三葉と言います。私はさっき言ったお姉ちゃんの触るタイプの探知法と空間タイプの探知法を使います。」

「・・・その空間タイプっていうのは何かな?三葉ちゃん。」

「現代風に言うと超高性能のGPSの様なものです。私は頭の中で意識した人やモノの場所が正確に分かります。またある一定範囲内の空間の情報も知ることが出来ます。」

「それは凄いな・・・‼」

「風太はそれで感知されたのよね~~笑。」

「それはもういいだろ汗。」

「そうなんだ‼風太が飛んでるのを知ったのって三葉だったんだね‼」

「まぁそうだよ・・・笑。」

「じゃ最後に千。」

「分かった。俺は如月千と言います。俺は感情タイプの探知法を使います。よろしくお願いします。」

「で、その感情タイプの探知法って何が出来るんだっけ?千君。」

「相手の精神状態が分かります。イライラしてるとか動揺してるとかそんな感じです。また目に見えない思念だったり意識の方向性も感じ取れます。」

「意識の方向性っていうのは何だ?」

「注意が散漫になってるとか怒りの矛先がどこに向いてるかとか・・・です。」

「成程ね。凄いね。」

「ありがとうございます。」

「お互いの自己紹介も終わったことだしこっちの関係性でも話しておきますか‼」

「そうだね。他人からしたら少し複雑だし。」

「じゃまず自然術の種類から。自然術は大まかに分けると5種類しかない。水、火、土、雷、風この五つだ。で、この五種類の自然術。それぞれ得意とする一族がいる。水は無水の親父さんが長を務める檜河家。火は漿郗の母親の華季さんっていう人が長を務める毘之家。土は俺の父さんが長を務める城堂家。で、雷は母さんが長を務める建侯家。風は須羽京一って人が長を務める須羽家。この五種類の一族だ。で、ここからなんだけど漿郗がマグマって言ったのは漿郗の母親が火を司る一族で父親が俺の父さんと同じ城堂一族だからだ。」

「土と火を合わせたからマグマってわけ。」

「成程・・・。」

「ってか無水も純粋な水じゃないんだけどね。」

「・・・そうなの?」

「ああ。俺は氷だ。」

「無水の場合は俺の母さんの妹の天雨さんと水を扱う雪正さんから生まれたから氷なんだ。」

「・・・何かみんな良いとこの子供って感じだよね。親が長なんて。」

「そうか?それより風太から聞いたんだが抑々何で探知法なんて使ってたんだ?」

「それはね・・・あたしたちの起源を調べてるの。」

「起源?」

「そう。私の家には秘伝書があってね。そこには全知全能の神があたしたちの探知法って力の源になってるかもしれない・・・って書かれてたの。」

「・・・神ってそんな大げさな笑。」

「でも無水が能力を使えるのも神様の力かもしれないよ?」

「待て待て‼その話何処まで進んでるんだ?イマイチ話が見えてこない‼」

「具体的には水分神社と霹靂神社。そして志那都神社に行って雷神は水神と火神、土神によって作られたかもしれないこととその水神たちは六人の天使たちによって作られたかもしれない・・・ってことまでが分かってるの。」

「・・・それはどうやって?」

「勿論あたしの探知法で。神社の境内を触って。」

「・・・状況を整理しよう。全知全能由来の探知法と自然神由来の自然術。どちらも神が存在するとしたら俺たちの他にも能力者がいてもおかしくないぞ?」

「・・・もしかして天使由来の能力者ってこと⁉」

「そういうこと。」

「もう頭パンクしそうだよ・・・‼」

「あたしもちょっと疲れてきました・・・。」

「・・・ねぇ風太、無水。今日はここまでにしない?」

「そうだな。これ以上はみんな頭も回らないし無意味だろう。」

「それに当初の目的は果たしてるしな。」

「だよね。」

「じゃ、今日はここまでにするか。」

「よぉ風太。」

「あ、須羽さん‼」

「今丁度姉さんたちの方も情報共有が終わったとこだ。お前たちももう帰りか?」

「はい、そうですね。」

「そしたら早苗ちゃんたちを送ってってやれ。漿郗と無水は俺が送ってやるから。」

「助かります‼」

こうして俺たちは多大な情報交換及び情報共有を終え其々の家へと帰宅した。

そしてこの後俺たちが危惧した通りまた新たな能力者たちと接触することとなる・・・。

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