【日本一ChatGPT講座】-11-“以前と同じ答え”が返ってこない! ~ それが普通なんです
……ココは『日本一ハードルが低いChatGPT講座』……。
今日も教室に生徒さんたちがやってきましたよ (*^^*)
小林:この前、ChatGPTくんにレシピを考えてもらった料理、作ってみたらとっても美味しかったの。
上田:へぇ、良かったじゃない。
小林:それで、また同じ料理を作ろうと思ったんだけど……メモを失くしちゃって……
やまなし:それだったら、ChatGPTには『履歴』が残りますよ。
※ 筆者注:メールアドレス等を登録しないでChatGPTを使った場合は履歴が残りません
上田:そうだよ。履歴をたどればいいじゃない。
小林:それが……ワタシ、知らないうちに消しちゃったみたいで…。
上田:えー、そうなんだ。
小林:それでね、この前と”同じ質問”をしてみたの。「酸味のきいた、ちょっとおしゃれな鶏肉料理を考えて」って。質問は覚えてたから。でも……
やまなし:もしかして、“以前と同じ答え”は、返ってこなかったんじゃないですか?
小林:そうなの!この前は、確か「チキンレモン」だったんだけど、もう一度、聞いたら「チキンのトマト煮」はどうですか?って、別の答えになっちゃって。
上田:そっちも美味しそうじゃん
小林:そうなんだけど、レモンのやつは家族からのリクエストなのよ~。「この前のアレ、もう一回、作って~」って。そんなリクエストには応えたいじゃない。
上田:仕方ないから、レシピサイトとかで調べるしかないんじゃないの?
小林:それが、「よくあるレシピ」に何か“隠し味”を入れたのよ。それは覚えてるんだけど、それが何だったか思い出せなくて…
上田:先生、”同じ質問”をしてるのに、ChatGPTくんが“違う答え”を返してくる、なんてことあるの?
やまなし:結論から申し上げますと、"それが普通"なんです。
生成AIは、「同じ質問をしても、違う答えが返ってくることがある」んです。
小林:えぇっ? 何で? “コンピューター”なのに
やまなし:そう思いますよね。でもそれが生成AIの特性なんです
小林:特性?
やまなし:今日は、よりよくChatGPTくんとつきあうために、生成AIの“中身”について少し勉強してみませんか?
上田:難しい話はカンベンよ。
やまなし:はい、大丈夫です(*^^*) イメージしやすいお話にしていきますね。
小林:あ、そっちの方がいいです。
やまなし:生成AIって、2つの特性を持っているんです。
それが『ランダム性』と『文脈』。
上田:先生、それくらいでもう“ギリ”よ、限界、近いよ。
やまなし:もうちょっとついてきてもらえませんか? (^_^;)
「ランダム性」っていうのは、まさに今回の話のように、「同じ答えを出さないようにする」ということなんです。
人に話しかけた時、いっつも同じことを言う人は、なんだか人間らしくないですよね?
小林:うん、ド◯クエの村人みたい。ヤダ。
やまなし:人間らしさって、そういった「いつも同じ答えを返さない」というところにある、と生成AIは決めていったんです。
小林:「この前していた話、もう一回して」ってお願いしたら、一言一句、カンペキに同じ話をする人がいたらコワいもんね。
やまなし:そうですね (苦笑)ちょっとコワいですね。
上田:「えぇ~? そんな話、したっけ??」なんていうくらいが人間ぽいですね。
小林:ぽいぽい、上田ちゃんっぽい。よく言ってる、そんなこと。
上田:あれ?いつの間にボクの話に?
小林:そっか、じゃあ「同じ質問をしても、同じ答えを返さない」ってむしろ……
やまなし:はい、自然なことなんです。
上田:じゃあ、「文脈」っていうのは?
やまなし:それは、“話の流れに従って、話をする”っていうことなんです。
生成AIは人間の書いたたくさんの文章を取り込んで、「こういう話の時は、次にこういう言葉が出てくるぞ」って勉強しているんです。
たとえば「ねこ」の話をしていたら、「かわいい」とか「ねこ飼いたい」とか「今日はねこの世話をする」といったワードや文章を”連想”するように訓練されるんですね。
小林:「ねこのおやつ」とか「ねこカフェが好き」とかを連想する人もいるかもね。
上田:「ねこ」って聞いて、「肌寒い」って答える人はいないもんね。
やまなし:今、出てきたようなワードや文章それぞれに「どのくらい関連しているか?」という数値を与えるんです。
「ねこ」って言ったら、「かわいい」とか「飼いたい」は関連性があるぞ、「肌寒い」っていう言葉はあんまり関係が無いぞ、って生成AIに教え込むんです。
上田:最近、よく聞く「AIをトレーニングする」って、そういうことをやってるんだ。
やまなし:今、話している話題が何についてなのか?を理解して、その文脈に合った内容を返す……それが「文脈」という考え方です。
小林:(チラッ)上田ちゃん、大丈夫?
上田:オッケー、まだついて行けてる(グッ)
やまなし:その2つが合わさることで、『話の流れはちゃんと守るけれど、毎回、同じことを言うわけではない』といった、まるで人間のような会話ができるようになるんです。
上田:なるほどねぇ。
小林:そのお話と、「よりよくChatGPTくんと付き合う」とは、どうつながるの?
やまなし:このお話を知っていると、ChatGPTくんとつきあう時の“心がまえ”が変わってくると思うんです。
上田:へぇ。ChatGPTのような”システム”を使う時の話じゃないみたい。
やまなし:まさにそうなんです。ChatGPTくんを「コンピューターシステム」だと“思わない”のが、上手なつきあい方のコツになると思うんです。
「AI」とか「コンピューター」って聞くと、“絶対、間違わない”っていうイメージを抱きがちじゃないですか?
小林:うんうん。私も事務仕事をしてるけど、パソコンとかExcelが“間違う”って誰も思ってない。
やまなし:そうですよね。一方、ChatGPTくんは間違ったことも言っちゃうし、自分で言ったことすらも忘れちゃう。全然、コンピューターらしくないんです。
上田:今日のChatGPTくん、超ディスられてる……
やまなし:でも、そんなコだからこそ、“話し相手”にはうってつけだと思うんです。
絶対に間違わない「電卓」や「Excel」と話しても面白くないですよね。
小林:Excelに向かって話しかけてる人、コワい…
上田:『 ほぉ~Excelくんは、8たす1は9だと言うのだね? む~ん……正解 』
小林:……キモチワルイので先に進めて下さい
やまなし:わかりました(苦笑)
私たちは「正しい答えが欲しい時」ではなく、「誰かに相談したい時」にChatGPTくんを頼ればいいと思うんです。
上田:これまでもそういった使い方を勉強してきたよね。「旅行先のアイデア」の相談だったり……
小林:「お料理の献立」の相談だったりね。
やまなし:そうですね。
ChatGPTくんには“正しい答え”を求めるのではなく、“アイデア”を求めると、うまく付き合っていけると思うんです。
小林:なるほどねぇ~。納得。
……先生、話は戻るけど、今回のアタシの「失われたレシピ」は…
やまなし:取り戻す可能性はゼロじゃあないですよ。
小林:ホント?!
やまなし:友だちに「この前していた話」を思い出してもらうのと同じです。
「この前、◯◯の話、してたよね?」とか、「あの時、△△を使ったんでしょ?」といった感じで“ヒント”を出して、思い出してもらいますよね?
小林:うんうん。「アンタ、こんなこと言ってたじゃない」なんて言って、なんとか思い出してもらおうとする。
やまなし:それと同じように、「レモンを使ったレシピだったよ」、「何か隠し味を提案してくれたよ」ってヒントを出してみてはいかがでしょう。
小林:そっか、ワタシも思い出しながら、ChatGPTくんに質問し直してみますね。
上田:先生、ChatGPTくんに教えてもらったコトで、「コレは絶対、忘れたくないなぁ」って話はどう保存したらいいの? そういう機能ってあるの?
やまなし:”履歴”や”アーカイブ”以外だとどうでしょう……ChatGPTくんに聞いてみましょうか。
上田:……わ、すごくシンプルな方法を伝えてきたよ。
小林:何て?
上田:「メモ帳にでもコピペして保存しとけ(超意訳)」って (≧▽≦)
【やまなし先生の解説】
ChatGPTくんを「コンピューター」だと思って接すると、実力を発揮させてあげられないかも知れません。
ChatGPTくんが得意なのは、「正しい結果を返す」ことではありません。それらは、Excelなど他のアプリの仕事。
生成AIは、人間のアシスタントとお話する時のように“意見”や“アイデア”を求めるのが、よい付き合い方。既存のアプリと使い分けていくのが大切ですね。
P.s.
今日のお話の最後、「メモ帳にでもコピペして保存しとけ」は、実際はもっと丁寧な説明をしてくれましたよ。
まぁ、言っている内容は、まさに文字通りなのですが…(^_^;)
【今日のまとめ】
◆ 生成AIは、「自分の言ったこと」でも忘れてしまう
◆ 常に同じコトを言わない「ランダム性」が、人間らしさをつくっている
◆ 生成AIは、話の流れ「文脈」を理解している
◆ 生成AIは、答えがブレるし、正確ではない場合も…。「正しい答え」が欲しいなら、別の手段を試すべき
◆ 「人間のアシスタント」のようにつきあうことで、生成AIの本当の実力を引き出せる
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私たち「ことのは塾」は、実際にみなさんのところにお伺いして『生成AIとうまく付き合うための勉強会』の講師をさせていただいております。
呼んで下さっているのは、全国各地の会社やお店、また市役所や生涯学習センターなど。
企業からは『"仕事"に生成AIを使うには?』というテーマを、
市役所などからは『"普段の生活"をAIで豊かにしたい』というテーマをいただきました。
どちらも場面でも、生成AIはとても頼りになります!
でも……”最初の一歩”でつまづいてしまうと、「生成AIって…意外と使えないね」と思われてしまうかも知れません……。
「AIを使って、何をしたらいいの?」
「“検索”と何が違うの??」
「そもそも、使う意味ある?」
そんな“声”をたくさん聞いてきました。
……でも、私たちの「生成AI講座」を受けてくれた方は、
『そういうコトに使えばいいんだね!』
『"検索"とは全然違うんだね。これは“目からウロコ”だわ』
『こんなのが一般の人にも使えるなんて、使わなきゃ損だね』
と変わっていきました。
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「社員一人ひとりがAIを使えるようにして、良い仕事を笑顔でしてほしい」
「市民の皆さんが、AIを使ってウェルビーイングを実現してほしい」
私たちも同じ“想い”で勉強会を担当させていただいております!
興味のある方は、ぜひ私たちのホームページもご覧になってみて下さい!