絶縁のテンペストについて
この作品が掲載されたのは2009年から2013年である。月間少年ガンガンで掲載されていました。今は2023年なので10年の月日が流れましたが、私のこの作品に対する愛は、漫画への熱い情熱は消えあせることはない。なぜなら作品のヒロインの1人である愛花の名台詞。始まりは終わり、終わりは始まり。 それでは、また始めましょうが私の物事に対する原点だからです。
少し話が変わりますが、SEKAINOOWARIの「死の魔法」の歌詞に始まったものはいつかは終わっていくんだ 今を生きるということはソレを受け入れて生きることとあります。この歌も大好きな曲です。物事のあり方、生き方のヒントになってます。
悪いことも良いことも長くは続かないことを教えてくれます。
人は嬉しいことや楽しいことがある時、ずっとつ続けばいいと思ってしまいます。また逆に悲しいことや辛いことに遭遇した時、ずっと永久に続いてしまうという心理に陥りやすいです。
このことに気づいた時、少し悲しい気持ちにもありましたが、同時にほっとしました。
絶縁のテンペストの魅力は物語と個性豊かなキャラクター達です。ファンタジーとリアリティーのバランスが良いです。最終的にハッピーエンドになるのも魅力。
私の推しは葉風(はかぜ)と真広(まひろ)。愛花も嫌いではありません。
でも現実の私は吉野に似てます。笑
この物語のヒロインは魔法使いではあるが、その力を封じ込まれていて、吉野に恋をするが、振り向いてもらえないですし、最終的に魔法の力も無くなってしまう、ある意味悲劇な主人公。
しかし彼女の性格が古風な話し方とは対照的な明るい性格のギャップが魅力的です。
もう1人のヒロイン愛花(あいか)はもっと悲劇のヒロインです。何者かに殺されてしまいます。その犯人を真広と吉野が探す、ミステリー要素を含まれています。そんな中、葉風と出会い、お互いに利害関係が一致して、お互い協力関係を結びます。
私はすっかり物語の世界に引き込まれてしまい、彼女を殺した犯人は誰なのだろう?とドキドキしながら、読んでました。
そして結末に酷く驚きました。彼女は殺されたのではなく、真広(義理の兄)と吉野(彼氏)を救うために命を自ら命を断ってしまう。真広にも吉野にも一言も相談しないで。めちゃくちゃ男らしい。愛花らしいと思いました。自殺は人としてはぜったいダメな行動ですが、気持ち的にはめちゃくちゃ分かります。
彼女が世界を救う為ではなく、大好きな2人を救う為と言った言葉に感動しました。おそらく私も同じ行動をとると思います。自殺という選択は気持ちは理解できます。愛花はビデオメッセージを真広と吉野に残す。そのメッセージが自殺を仄めかす内容にも関わらず、明るく振る舞うところが、心に刺さります。自分がいなくなっても2人の幸せ願っていることが、とてもよく分かります。
主人公真広は自信満々な行動力で相手を圧倒しますが、愛花には弱いところが人間らしい。愛花に恋心を抱いているのですが、1番普通のめぐむ(男)に指摘されて気づくのが面白いです。みんな薄々分かっていたことですが、なかなか言えなかったのだと思います。
逆にめぐむだから言えたのかなと解釈しています。
この物語では黒い蝶が舞って、人が金属化されて死んでしまう世界なのですが、それを平然と冷静にみている新広と吉野は凄いなあと思いました。。高校生なのに、冷静すぎです。大人の私より、大人ぽっいです。
ラストで真広と吉野が大学に合格して、葉風、めぐむとも合流する。それぞれみんな前を向いて生きるところが良かったです。
SF、ファンタジー、ミステリー、学園物、キャラクターの成長ストーリー。それプラスシェイクスピア要素ありです。私にとっては最高の物語です。
この物語の大好きな熱い思いだけで、一気に書きました。書いてる時間は作品を振り返る時間にもなりましたし、楽しかったです。こういう素敵な機会をいただけてありがとうございました。