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やっぱり夏はアイドルPOPS!
(タイトル――とは言いつつも、「アイドルPOPS記事」を一年中書いている私ではあるのですが!笑)
いや、いつもいつもアイドルをテーマにするとついつい「長文」「超大作記事」になってしまうので、今回は軽めにいきますよっ!!
(だってさすがに、皆様におかれましても、毎度毎度こんな「オタク純度100%記事」に目を通すのも大変ですものね?)
(……と、こういう読者を思いやる気配りは、noterとして大事な心得ですね。――物書きが持つべき最低限の「たしなみ」として、ええ、これからは、読者への「配慮」を怠らず、書き手としての「節度」もまた、わきまえたいと存じます。笑)
そういやこちらの記事で。
せっかく「各年の年間ランキング上位曲」を調査し一覧にまでしたのだから、それに基づいて「80年代アイドルPOPS-夏のスーパーヒットソングコレクション-」なるプレイリストを作成してみようかと。
・シングル売上年間ランキング30位以内
・曲順は年間ランキングが上位のものから順に
(1年の真ん中のシーズンともいえる夏を、各年どれだけ制したかのランキングとも言えますね?)
※別の年で同じ順位だった場合は、売上枚数が高いほうを上に置きました。
で、「夏の曲」とする判断基準は、
・タイトルや歌詞に「夏」あるいは「確実に夏を想起させるキーワード」がある曲
で、
・発売日から「夏の時期のヒットソング」だと考えられたとしても、歌詞の中に夏を思わせるキーワードが見当たらない曲は、リストから外す。
と、しました。
また、「夏を待てない」「夏を待っていた」「夏まで待てないズッキンドッキン」等の歌詞は(80年代アイドルPOPSに熟達した皆様は、何の曲のことか、もうおわかりですね?笑)「=つまりまだ夏ではない?」ともとれるが、でもいやいや、絶対夏向けに切っているシングルだよね?と考えられるので、独断で「夏の曲」に入れてしまいました。
但し、「夏の前の淡い日差し」という歌詞(「青いスタスィオン」)は、同じく「夏の前」ではあるけど、やっぱ「夏ソング集」に入れるにはちょっと違うかな?(発売日も3月21日だったしね、さすがに「真夏向け」の曲ではないよね?)と思えたので、これも独断で外しました。
(我ながら、いつもここら辺の説明が細かすぎるよね。)
(でも、どうせ作るなら、とことん「厳密なルール」で作成した「完全無敵なプレイリスト」に!と、こだわってしまうタチなんですよね。笑)
では、プレイリストを御堪能ください!
年間シングルランキング30位以内!
80年代アイドル夏のヒットソングコレクション
(年間ランキング順位が高い順)
※付されている順位は、80年代各年のシングル年間ランキングのものです。
4位(83年) 「探偵物語」薬師丸ひろ子
7位(89年) 「淋しい熱帯魚」Wink
※歌詞の中では一言も「夏」とは言っていないのだが、「花柄の水着」着て「待つわプールサイド」なのだし、撮影の仕事で来ています、とかじゃあるまいだろうから、これも「夏の曲」としていいかな?と。
9位(88年) 「人魚姫-Mermaid-」中山美穂
10位(84年) 「サザン・ウインド」中森明菜
※この曲も実は歌詞に「夏」という言葉は一度も出てこないので、「南国リゾートだけど夏じゃない」という可能性もあるのだが、しかし「少なくとも冬とかまたは肌寒い季節ではないよね?」と思って今回は夏の曲に入れてしまいました。
11位(82年) 「渚のバルコニー」松田聖子
14位(81年) 「夏の扉」松田聖子
15位(80年) 「青い珊瑚礁」松田聖子 60.2万枚
15位(84年) 「時間の国のアリス」松田聖子 47.7万枚
※夏を想起させるキーワードとしては唯一「半袖のセーター」ってのが歌詞に出てくるのだが、セーターの半袖はむしろ夏しか着ないよね?と思って夏の曲に入れてしまいました。発売日からも夏向けシングルだと思われますし。
15位(82年) 「小麦色のマーメイド」松田聖子 46.7万枚
16位(83年) 「天国のキッス」松田聖子
18位(88年) 「C-Girl」浅香唯
19位(83年) 「トワイライト」中森明菜 43.0万枚
※「日傘」=「夏」ということでいいですよね?それ以外は「夏」と断定できるフレーズは出てこないっちゃあ出てこないのだが。
19位(85年) 「ボーイの季節」松田聖子 35.6万枚
22位(86年) 「恋のロープをほどかないで」新田恵利 28.4万枚
22位(88年) 「あなたを愛したい」南野陽子 25.5万枚
23位(81年) 「白いパラソル」松田聖子 48.8万枚
23位(87年) 「50/50(フィフティ・フィフティ)」中山美穂 21.1万枚
25位(83年) 「エスカレーション」河合奈保子 34.9万枚
25位(84年) 「渚のはいから人魚」小泉今日子 33.1万枚
27位(84年) 「愛情物語」原田知世
(オリジナル版は未サブスク化で、87年のベストに収録されている再録版しかなかった!残念すぎ!)
28位(87年) 「パンドラの恋人」南野陽子
29位(86年) 「夏を待てない」国生さゆり
※以上、特に但し書きを付けなかった曲は、歌詞の中に「夏」という言葉が入っている曲ばかりでした。
(雑感)
いやはや、それにしても、夏の聖子は特に強し!
22曲中8曲と、3分の1以上を占める結果となりました。
(81年と82年は、年に2枚の夏シングル曲を送り込んでいることになるのだなあ。)
と、いうわけで、
これ以上とない
「80年代最高峰の超ド定番アイドルPOPSサマーソングコレクション」
が完成しましたね!
では皆様、よい夏を~!
……。
……。
「アレ、もう終わり?」
って、もしかして、お思いになりました?
「アイドルPOPSを語り始めたコイツが、こんなに簡単に引き下がるわけがない」
って……今、お思いになりましたよね?ね?
だって、いつもだったら、私のアイドル記事、もっと、も~っと、(タケモット!)、続きますものね?
――ふふふふん。
そう感じてしまうなんて。
あなたもすっかり「アイドルPOPSの虜」になった証ですね?
そうです、今、
ここのくだりまでつい読んでしまっているあなたは、もはや「アイドルPOPS上級者」なのです。
更に高みを目指して、さあさあ、私と御一緒にッ!
(って、読者に対する強引な「勧誘」と「洗脳的行為」はやめなさい!笑)
と、いうわけで、
こっから先は、少々「マニアックな領域」に入っていこうかと。
(「マニアック」って便利な言葉ね。)
(ま、有体に言うと「いつもの」なんですが。)
(てか、
おい!冒頭で述べた「配慮」と「節度」は一体どこへ行ったんだ?!?!笑)
いや、でも、今回は、純粋に音楽好きな方にとっては、ここからのほうが面白がってもらえるかも?です!
以前、こちらの記事で、完全に私の趣味全開で、80年代から90年代アイドルの「夏曲集」を作成したことがあったのです。
そのプレイリストがこちらになるのですが。
さて、同記事の中で、私はこんなことも言っているのです。
(来年は来年で、また別のカセットになりそう。笑)
――と、いうわけで。
(「3年ぶり」とはなりましたが、)実際、今夏改めて作ってみたらどうなるだろう??と。
(つまり、コトモリったら、またやっちまいました!笑)
いやいや――しかしである。
選曲条件について、前回と同じではつまらない、というか、「更なる縛り」がないと、ここ一番の「オタクの底力」を、皆様に露骨に見せられないじゃないですか?
(んなものは見せんでよろしい!隠しとけ!!笑)
と、いうわけで、今夏作成のテーマはこちらです。
シングルA面なし!純粋に音だけで選んだ!
(マジか?正気か?!)
今の耳で聴いても新鮮な
GIRL POPSを探して徘徊する
70年代から90年代へ-Summer Edition-
いや、はじめは「夏の終わりを感じる曲集」か「バラード限定サマーソング集」かでプレイリストを作るつもりで考えていたんですけど。
どっちにしようかな~?
いやいや、迷うくらいなら、どっちも作ればよくない?
てか、いや、それならいっそ、それらをひとまとめにして。
アイドルPOPS定番のキラキラ盛夏から
徐々に変化球ソング連投して翳りのある夏へと
――そして夏の終わりが近づくにつれ
曲のテンポもだんだんと減速していって
最後は夏のバラード集で終わる
みたいなプレイリストを作ったら面白いんじゃない?と。
で、できあがったものを聴いてみたら。
我ながら、なんともまあ
「最高の夏のアイドルPOPSプレイリスト」が
またもや完成してしまったではないですか!!
(毎度毎度同じようなことを言って、本当に申し訳ないんですけど!!笑)
(いや、でも、ホントに今回もいい出来だと思うのっ!!!)
アイドルPOPSの良いところを凝縮しているプレイリストだとも思うから、
アイドルに興味がない方でも、今夏のBGMとしてちょっとサラッとでも聴いてみていただきたいですっ!
――ホントにですっっ!!(笑)
※あと、今回は「個人的にアイドルだと思う方々」全て選曲対象にしたかったので、タイトルを「アイドル」ではなく「ガールポップ」(初めて使ってみたが、これは案外なかなか便利な言葉かも?)としてみました。
(なので、レベッカや渡辺美里氏や今井美樹氏や遊佐未森氏が入っているけど、ま、許してぴょ。)(ぴょ?笑)
いやいや、だって!
思うんですけど、年代当時を全く知らないリスナー層からすれば、彼女らって別に「アイドルとは違うんじゃ?」ってならないんじゃないかと思うんですよね~。
(ちなみに、毎度繰り返しますが、私は「アーティスト」と「アイドル」とを「別物」とはそもそも思っておりませんです、ハイ。)
では、題して
『Slow Down Summer 翳りゆく夏
-Idol Summer Pops Selection
from the '70s to the '90s-』
お楽しみください!
(タイトル長いな!!笑)
「70年代から90年代へ」とタイトルしましたが、今回はリリース順で曲を並べたわけではなく、むしろ年代が相当シャッフルされおります。
でも自然に繋がるように、考えに考えて並べてみたので、そこもお楽しみにね!
今回の曲順は、概ね「BPM順」となっておりまして、始めにアッパー、だんだん曲を追うごとにテンポを緩めていって、最後の10曲ほどをバラードで固める、という構成にしてみました。
そんなこんなで、皆様、良い音楽を聴いて、夏を乗り切りましょう!
(うだるような毎日に、良い音楽は、最高の清涼剤或いは特効薬となるでしょう!)
(で、ここからはオマケとして、)
各歌い手の方を全く知らない方もいると思われますので、ガイド代わりに(たぶんなってないけど、笑)各曲についてちょっとずつコメントも書いておきます!
(ええ、ええ、長すぎる「蛇足」とは自分としても重々承知しておりますが!笑)
(なので、ここからの欄は、特に今記事の結論とかも今回はないですし、全然読み飛ばしていただいて問題ないです!!)
※各曲タイトルに続く(『 』)内は収録アルバムタイトルです
1,和久井映見「MOON」
(『FLORA』)
歌詞から、多分真夏というより秋口に差し掛かった頃の曲かと思いますが(あるいは「回想の夏」という感じか)、プレイリストのラストナンバーも「夏が終わって秋」という内容の曲にしたので、ちょうどオープニングナンバーとして良いかな?と。
1stAL収録曲。3rdALくらいまでは、割と「尖った」内容(曲も詞も)の曲が多く、でもその「ちょっと背伸びして大人の世界を歌う」感じが、かえってよかった。(そういやドラマ主演をするようになる前の和久井氏って、むしろそういう役が多かったかも?ですよね。)
ま、4thALあたりからの、「等身大」というか「(現在の)パブリックイメージ的」和久井映見の作品群も悪くはないのだけど。
でも、「えー、こんな曲を歌っていたんだ?」と驚かれるような楽曲のほうが、和久井氏は「化学反応」をそこに感じられて、個人的には面白く感じました。
2,香坂みゆき「SEA MAJOR」
(『from MIYUKI』)
声量も音程の安定感もあるので、スペクトラムのホーン炸裂しまくるアレンジにも負けない。
というわけで、新田一郎氏の曲である。
このアルバムからシングルカットされたのは「流れ星」で、見事な生歌歌唱はその曲の動画で見ることができる。
香坂氏の最大のヒット曲は、EPO氏による化粧品CMソング「ニュアンスしましょ」で、こちらではファルセットを多用した、たおやかで涼し気なボーカルを聴かせるあたり、引き出しをたくさん持っている方なのでしょう。
他にもシングルでは、山崎ハコ氏の「気分をかえて」など、フォークロックテイストの曲もカバーしていたりと、ホント、ボーカリストとして器用、表現力もありますよね。
今でも俳優業と併行して歌手活動は継続されているようです。
3,中森明菜「Bon Voyage」
(『プロローグ〈序幕〉』)
1stALからの曲。
「え、明菜ったら、こんな曲も歌っていたの?」と多くの方が思うのではないかと思いますが。
間奏にメジャーコードのフュージョンギターが挿入されるような、ずいぶんご機嫌な南国気分ナンバーも、ファーストアルバムの頃は試していたんですね。
(で、これはこれで合うから凄いんだよね。)
4,松田聖子「~南太平洋~サンバの香り」
(『SQUALL』)
と、いうわけで、こちらも1stALから。
聖子はそもそも代表作と言える「夏アルバム」自体が数枚あるので、選ぶのに迷うは迷うのですが、個人的にはこの1stALの頃の歌い方と、あとアレンジの音触もかなり好きなもので、ここから今回はいただいてしまいました。
(もちろん『Pineapple』も『ユートピア』も、そっちはそっちで、とても「聖子の夏」全開で好きなアルバムですけどね。)
5,ピンクレディー「オリエンタル・フィーリング」
(『ピンク・レディーの不思議な旅』)
正直、ピンクレディーは、人気がやや下火になってからの曲のほうが、面白くないですか?
いや、売上絶頂期は「お子様向けソング」にどうしてもなっていた気がするので、割とその「縛り」から自由になった後のほうが、いろいろ試行錯誤もあって、聴いていて楽しいです。
それにしても、ミーちゃんとケイちゃんの声の組み合わせは、奇跡的だよなあ。
いや、どちらの声もソロでも十分魅力的なのだが、合わさると(足し算ではなく)掛け算になる声だよなあ。(と、いうことは、多分既に多くの方が言われていることかとは思いますが。)
70年代末から80年代初頭にかけて流行ったディスコ調の曲にもこれまた合う。
ABBAとかアラベスクとか、当時洋楽として爆発的に売れていたと思うのだが、ちょうど時期的にもそっち路線で更に突き詰めてみるのも良かったかも?(1・2曲のトライにとどまらずに。)
6,山口百恵「恋のホットライン」
(『メビウス・ゲーム』)
当初はこのプレイリストのラストナンバーを、百恵氏ラストオリジナルアルバム収録、井上陽水氏からの提供曲「Crazy Love」(夏の終わりにピッタリ!)にする予定だったのですが、他の曲をラストに持ってきたら、あれ?ラスト以外の位置だと入れる場所がない?(ロッカバラードとして百恵ボーカルもバッチリ完成されすぎていて、間に挟むとそこだけ浮いてしまうんだよな。笑)
なので、単独で参考までに、ここに置いておきますね。
てか、井上陽水セルフカバーバージョンで、かなりもう有名ですかね?この曲。(私も初めて聴いたのは陽水バージョンだった気が。)
そうなると、今回の選曲主旨からも外れるので、やはり別の曲を、となりまして。
で、80年のAL『メビウス・ゲーム』から。
ちょっとテクノ要素も入ったロックナンバー。
いや、もうこの頃って引退も発表されていた時期で、そうすると「守り」に入るのかと思いきや、こんな思い切り挑戦的なアルバム出してくるあたり、百恵氏ったらカッコカッコカッコカッコカッコ……よすぎて泣きたいわ~!(ロックンロ~ル!)
てか、引退の80年って、オリジナルアルバム4枚もリリースしているの?!?!(もちろんその中でシングルも併行して4枚出し、それとはまた別にベストアルバムまで出しています。)鬼だわ!(笑)
7,工藤静香「真夏の蜃気楼」
(Sg「Please」カップリング曲)
今回、70年代から90年代の曲をあえてシャッフルして繋げる試みをしており、で、百恵氏の前曲から次はどう繋ごう??とこの曲にバトンタッチしてみたら、意外とすんなり流れた?!という、こうした「曲順の試行錯誤」がプレイリスト作っていく上で楽しくて仕方がない!
(ホント、サブスクって、簡単にプレイリスト作り倒せるので、最近の私ったら、実は未公開のものも含めてプレイリスト作ってばっかりいます。笑)
そうそう、前回のこちらの記事で、
「夏がくれたミラクル」が意外にも人気を集めていることに戸惑いを隠しきれなかった私ですが(笑)、そうなんです、「静香の夏」は、ま、海辺に行くまではいいとしても、水しぶき上げたりキラキラしたりそういうメジャーコードではしゃいだりしちゃいけないんですよね。(笑)
「静香の夏」が、気だるくないわけがないじゃないですか。
と、いうわけで、「永遠の防波堤」にしようかと思ったら、詞を読んでみたら意外と特に「夏の曲」というわけでもなかったので、同じく海辺でアンニュイさを感じさせるこちらの曲にしてみました。(これよ、これこれ、静香の夏は。笑)
8,REBECCA「蜃気楼」
(『WILD & HONEY』)
え、だって、NOKKOさんはどう考えても「アイドル」だと私思うんですよ。
うん、まあ、REBECCAのサウンドとか曲とか自体ももちろん好きだったんですけど、ステキなNOKKOさんがボーカルじゃなかったら、たぶん、自分そんなに聴いていなかったと思う。
と、いうわけで、「フレンズ」でブレイク前、小暮武彦から土橋安騎夫にバンドリーダーがバトンタッチした新生REBECCA第一弾アルバムからこの曲を。
この曲が、作曲:土橋×(単独での)作詞:NOKKOコンビの一発目の曲で、今改めて聴くとすごーーく良い。
REBECCAって、これまでは大ブレイク作の『REBECCAⅣ』とそれ以降のアルバムを中心に自分は聴いていたんだけど(もちろんそちらの作品群も最高ですが)、小暮リーダー時代も含めて、その前はその前でなかなか良いんですよね。
9,米光美保「ILLUSION TOWN」
(『FOREVER』)
東京パフォーマンスドールの中では、(皆さん上手かったけどその中でも)群を抜いてボーカルが良かった米光美保氏。
そう、米光氏が東パフォ楽曲の歌い出しのパートを担当すると、曲がそれだけでキマる感じがしたものです。
そんな米光氏のソロ作から。
角松敏生プロデュ―スアルバムが2作(これはそのうちの2作目)、その後も長期に渡りアルバムをリリースし続けた。
少しハスキーなのだが、よく通る声質で、なのにうるさくはなく透明感に溢れており爽やかな情感が残る。
この同アルバム内でカバーした「恋は流星」(原曲は吉田美奈子氏)は、近年、アナログ化もされたようです。
10,河合奈保子「海流の島」
(『スターダスト・ガーデン〈千・年・庭・園〉』
所謂「真夏のクリスマス」ソング。
以前、桑田佳祐氏率いるKUWATA BANDが、86年夏に同テーマでシングルカットしたことがあったが、あえて「冬に南半球クリスマスソング」をリリースするのもおつなものだったかもしれませんね。――奈保子氏のシングルだったらそういうのもアリだった気もします。
このアルバム自体、3月発売の割に全体的には「夏アルバム」の様相で、もしかするともうちっと発売日後ろにズラしてもよかったのでは?と思わなくもない。(前作ALから3か月後のリリースでしたしね。)
1年の間に4枚(つまり3か月に1枚ペース)のオリジナルアルバムリリースのラストを飾るアルバムで、この4枚ともがかなり意欲作だったうちの、一番「これまでの奈保子イメージ」を(比較的だが)踏襲したアルバムだった気もまたするので、「いろいろ試して、やはりここへ戻ってきたか」という感じもしないでもない、が、歌手としての冒険と挑戦のし甲斐はあった4作だっただろうな、という印象もある。
11,高岡早紀「16月に逢いましょう」
(『楽園の雫』)
前回も『楽園の雫』からいただいたので、今回は1stアルバムから「太陽はひとりぼっち」にしよう……かと思ったけど、やっぱりこの曲にしてしまったわ。(差し替え多すぎ。笑)
夏のテクノPOPなのに翳りしか感じない。良曲。
(高岡氏の歌の声って、御本人のキャラクターとはちょっと違って、アンニュイなのよな。)
いまだにライブでデビュー当時の曲が歌える、といのは、楽曲に恵まれていた証拠でしょう。
総じて高岡早紀氏のアイドル時代のアルバムは、全体を通してクオリティーが高い、というか、各アルバムにコンセプトがあるので、アルバム通して聴いたほうがよろしく、あまりこうして1曲だけ切り取るというのも曲の美味しさが半減するのでいかがなものかと。(と、言いながら切り取ってプレイリストに入れてしまうんんですけど!笑)
当時から、艶と無邪気さが同居しているような、そんな「無垢な小悪魔」的ボーカルで、やはりけして上手いというわけでもないんだけど、そのウィークポイントさえも生きるような加藤和彦のプロデュースが冴え渡っており、唯一無二の世界がそこには展開されております。
12,菊池桃子「Boy Friend」
(『TROPIC of CAPRICORN』)
イヤ~、今回、一番「どの曲を選ぶべきか」で迷いに迷ったのが桃子氏。(いや、いっそもう「MOMOCO's SUMMER EYES」みたいなタイトルで、別にプレイリスト作ろうかと思ったくらいです。笑)
「バラード集」を考えていた時は、「Night Crusing」を選んでいたのだが、そもそもAL『ADVENTURE』はもう既に結構聴かれているようだし、それなら、それ以外のアルバムから、例えば、吉本ばなな氏の小説「キッチン」にも登場する「ふたりのNight Dive」か、いや、バラードでなくていいのなら、「Alfa Flight」もいいかも?……でも、両曲とも歌詞を読んでみると「夏っぽいけど、夏とも限定できないのか」となり。
それならこれは1stアルバムのタイトルナンバー「OCEAN SODE」で行くしかないでしょ?とも思ったのだが。
結局、夏の曲なんだけど物憂げな「一人ぼっちの淋しい避暑地」みたいなテーマのマイナー調のこの曲もなかなかいいのでは?(MOMOCOの声はこういう曲調にも合う!)ということで、この曲を選んでしまいました。
13,早見優「Mermaid1984」
(『RECESS』)
最近、サブスクで早見優氏も割と隈なく聴き直してみたりしているのですが、実に「80年代真ん中の音触」が合う声質だな、と感じたり。
70年代のストリングスやホーンセクションや生バンドの音が「厚め・重め」で多用されていると、たぶん軽くて負けてしまうボーカルで。
かと言って、90年代特有の超・打ち込み音の中でもまた、落ち着き過ぎていて(キンキンした音域がなくて)埋没してしまいそう。
ちょうどこの曲みたいな「80年代中盤シンセ・ディスコ」的デジタル端境期(YMOテクノの後、小室哲哉の前のその二つの間あたり?)サウンドが、妙に合う。
無機的な歌い方なんだけど、それが「クール」ともいえ(もっと激しいロックを歌ってもどこかクールである)、その上、落ち着いた艶がありながら、しかし爽やかさは失われない。
今もサブスクでリスナー数が多いのは、今時の人々の耳の感覚にもどこかしっくり馴染む「時代を纏い過ぎない匿名性」を持つ「クールさ」があるからなのかもしれない。
14,岡本舞子「ファッシネイション」
(『FASCINATION』)
化粧品CMソングのシングル「ナツオの恋人ナツコ」のB面でもある。
――いや~、もしかすると、こっちA面にしていたら、もっと弾けていたんじゃないか?と思わなくもないけどなあ。(うん、夏の化粧品CMにこの曲、合いそうだもんね?)
2020年代になって、「シティポップブーム」の影響で、サブスク上で急速に注目が集まっているこの曲なので、当時ももうちょっと前面に出せていたら、岡本氏の歌手活動自体がもう少し盛り上がっていたような気がするんだよなあ。
歌唱力のあるボーカリストだったので、もったいなかったなあ。
15,ribbon「LADY LOVE」
(『Jessica』)
ribbonって、シングルA面も含めて、割と尖った曲をディレクションされている印象ですよね。
そうそう、なんだかんだいって、グループアイドルは、仲の良いチームワークがあるほうがいいですね。――いや、そんなの曲と関係ない?
でもコーラスワーク(をするならなおさら)とかそういうところに「出る」気がします。生身の人間が歌う「歌」って、どうしてもそういうもんじゃないですか。
ま、それが出ないくらい「ボーカリストとして熟達した人ばかりが集められた上で」やっている「THE プロ集団」なら話は違ってきますが――よっぽどのベテランでない限りはなかなか難しいですよね。
ribbonのコーラスワークは、「その持っているボーカル力以上に」私は好きでしたね。
(言いたいことが伝わったでしょうか?)
16,西田ひかる「人魚になりたい」
(『幸せのかたち』)
久石譲氏プロデュースのアルバム曲で、詞曲は大江千里氏によるもの。
もう歌手デビューして10年目の作品なので、ボーカルはしっかり目の安定ライン。ファルセットの音域も無理なく出せている。
西田氏自身のそれまでの歌手活動については、割とシングルもアルバムも、期間全体を通して見てしまうとイメージがバラけるというか、「ひかる氏自身は、どんな音楽をやりたかったのだろう」とか、「ディレクターは、どんなコンセプトをもって西田ひかるをディレクションしていたんだろう」とか、そこらへんが見えてこない。(むしろ「ときめいて」で歌手としてブレイクする前のほうが、コンセプトが明確にあった気がする。)
知名度もあったし、タイアップが付いたシングル曲はそれぞれヒットもしていたし、もう少し「明確な歌手活動の方向性」がリスナーに示せていたら、「コアなファン」以外の聴衆の耳も掴めたのではないか、と思ったりもする。
今聴いても、ボーカリストとして、なかなか魅力的な声質だと思うし、西田氏だからできるジャンルも「空席として」きっとあったと思うんだよなあ。
17,森高千里「Romantic(ロマンティック)」
(『Romantic』)
近年、「夏の終わりの秋風」というものを、ますます感じにくい気候にもなってまいりましたので、せめて曲の中だけでも、と。(笑)
それにしても、我ながら、あえて継子的なミニアルバムからの曲を選曲するあたり、ひねくれているなア、とは思う。(笑)
制作陣からして、このアルバムだけは、いつものメンバーと入れ替わっている。
アルバム自体が「夏」をコンセプトとしたミニアルバムで、ミニアルバムなんだけど、8cmCDだった。(アナログは存在するのかな?見たことないけど。)
いや、大ブレイク前の初期作品群の中で「一番森高さんっぽくないあたり」からあえて良曲選んでみるのも面白いかな、と思いましてね。
こうした「(やや)ウィスパー唱法」も、このアルバム以外だとあまりお耳にかかれない気も?
――さて、ここらへんから、
ミディアムテンポエリアに入っていきますよ!
18、渡辺満里奈「八月、最初の水曜日」
(『SUNNY SIDE』)
アイドルの夏アルバムは数多ありますが――私は満里奈氏の『SUNNY SIDE』はかなり好きなんですよねえ。
バラード集を検討していた時は、同アルバム収録の「リア・ウインドウにGood-bye」を入れようと思っていました。(切なすぎる名曲。「夏休みだけのサイドシート」の翌年版ということでしょうか?これ。わからんけど。)
で、この曲「八月、最初の水曜日」もまたいいんだ!
満里奈氏のアルバムって、このアルバムに限らず、いずれもホント、クオリティ高いです。
シングルカットされていない中に、面白い曲がたくさんある。
御本人も当時は「やりたい音楽」の方向性もあったようだし、そういうのもまた、アルバムの出来に滲み出ますよね。
いや、私は、80年代アイドルが「いかにも80年代的アイドルソングから脱却しようと藻掻く」みたいな時期の作品群、実はとっても好きなんですよねえ。(当時のアイドルファンの中には、それを受け入れない方々もいたけど。)
19,Qlair「思い出のアルバム」
(『CITRON』)
シングルA面以外からという縛りがないのなら、今回は「眩しくて」を入れたかったんだけど!!
でも、そういや、Qlairも「夏アルバム」を出していたのでした。
満里奈氏に続き、偶々ですが、EPICソニーアイドルが並びました。
何というか、当時のEPICソニーのアイドルって、アルバムまで大切に作られている感があって好きです。「EPICの心意気」を感じるというか、概して、ジャケ写のデザインもよかったりして。
乙女塾出身アイドルの中では、売上的には後塵を拝したQlairでしたが、今の人の耳にも目にも「古く聴こえない・映らない」存在として、貴重な90年代アイドルと言えるのではないでしょうか。(後から追いついたアイドルファンの評価も高い。)
30年の時を経ても古びないって、当時から「かなり良いセンス」で作品がディレクションされていたってことだと思います。
そうそう、Qlairの3人のハーモニーも、私、大好きです。
20,岡田有希子「さよなら、夏休み」
(『シンデレラ』)
『FAIRY』収録の「ポップ・アップ・リセエンヌ」にしようか迷いましたが、『十月の人魚』収録「Bien」にしました。(どちらもかしぶち哲郎・作)きっとコアなファンは、有希子氏のアルバム曲からという条件なら「さよなら、夏休み」あたりを選んだりするのかなと思いますが、私はやはりひねくれているので、その「いかにもユッコなど真ん中ストライクゾーン」は外してみたり……しつつも、曲の並びからだと、ちょうどここに「さよなら、夏休み」が入るのは、悪くない気もしてきてしまいました。(最後まで迷っている。……どうしよう。笑)
収録アルバム自体は、タイトルや発売日からして「秋向け」のものかと思うのですが、その中にこの「夏の曲」が入っていたということは、もしかするとシングル「Summer Beach」の時の候補曲だったのかも?ですね。
有希子氏の歌う夏は、どこまでも涼し気、そしてどこかセンチメンタルです。
(で、結局、「さよなら、夏休み」に差し替えました!笑)
(いや、曲の並びとしては、やっぱりこっちだよね?)
竹内まりや作品、且つ、ファンの間でも人気のアルバム曲のようなので、「そういうド定番は今回は入れないよ~」と思っていたけど、「夏の終わり」をテーマにしたこのプレイリストに入れずしていつ入れるの?今でしょ!と予備校CMみたいなことを私の心が叫んでうるさかったので。(笑)
21,岩崎良美「カメリアの花咲く丘で」
(『Cecile』)
プレイリストのどこに入れるべきか迷う曲が今回何曲かあって、これもそのうちの一曲でした。
AL『唇に夢の跡』収録の「優しい関係」も、THE CITY POPでいいかと思ったのだが、良美氏の曲には「絶対歌うのに難曲であろう」なはずなのにいともたやすく歌っているものを選びたい、というのがあって、この曲を選びました。
いや~、いかにも難しそうなメロディーラインなのだが、難しそうに聴こえない。(←という、ここがポイントだということです!)軽くサラッと歌っているように聴こえる。(良美氏におかれましては、この曲に限らないことだが。)
そう、姉の宏美氏と、確かに声質は似ているとは思うのだが、「サラッと軽い」のが良美氏のボーカルの特徴なのだ。
「情感」の宏美氏に対して、「POPさ」の良美氏、といったところだろうか。
ドメスティックな歌謡感の少ない、特にヨーロピアン路線は、やはり良美氏のほうに合っているかな、と思う。
22、中山美穂「COCK A TOO」
(『De’e aya』)
どこに入れようか相当迷った曲、その2。
いや~、メチャかっこいい曲ほど、プレイリストの中に置くと「浮く」ということはあるあるですね。(笑)
シングルでいうところの「Rosa」の頃のアルバムで、アルバム全体、そういった「ハウスとかブラコンとかダンスミュージックとか民族音楽とかいろいろごちゃ混ぜつつ中山美穂が歌ってギリギリセーフなライン」を攻めている感じと言えばいいのか。
つまり、バラエティーに富んではいるものの、まとまりがないわけでもない、つまり、良いアルバムです。私は好きです。
いっそ「Rosa」も収録して、アルバム自体の売上枚数を上げるほうが、その後の美穂の音楽評価も高まったのでは?なんていつもの「たら・れば」妄想を発揮してしまうわけですが!
さて、後半戦、ここからは「静けさと翳りの夏ソング」集といった趣になってまいりますです。
23,原田知世「Jamais-Vu」
(『彩』)
原田知世氏の音楽年表をごく大雑把にまとめると。
「時をかける少女」あたりまでのそこまで精力的ではない期
→80年代中・後期のCBSソニーアイドル記
→90年代に入って移籍、セルフプロデュース開始期
→鈴木慶一氏とタッグ期
→トーレヨハンソンプロデュース・スウェディッシュポップ期
→再びセルフプロデュース期
→伊東ゴローとタッグ期(現在に至る)
と、なるかと思うのだが、
上記の中でいうところの、「セルフプロデュース期」に、何故か光が当たりにくい気がする。
いやいや、しかし、この「セルフプロデュース期」のアルバム、改めて聴き直して気づいたんですが、すご~く、良いんですよねえ。
特に90年にフォーライフに移籍してからの3枚(うち、ミニアルバム1枚は、未サブスク化ですが。)
なので今回はそこから絶対選ぶぜ!と熟考を重ねて、この曲にしました。
プロデューサーの影に隠れがちですが、知世氏御本人の音楽センスも、とても「鋭い光を放っている」と思います。
90年代以降だと、特にトーレヨハンソン期が取り上げられがちなんですけど、そこらへんより、90年代頭のここら辺のアルバムのほうが、正直、「面白み」は強めだと個人的には思います。
24,今井美樹「Martiniqueの海風(かぜ)」
(『A PLACE IN THE SUN』)
坂本龍一教授が今井美樹氏の曲の中で作曲編曲両方手掛けた唯一の作品。(もう一曲、同アルバム収録のインストはあるけど。)
完全布袋寅泰プロデュース期に突入する前に、坂本龍一×今井美樹で、1枚フルでアルバム作ってみてもらいたかった気もする。(たぶん今井氏のボーカルは、教授の好きなタイプの声質じゃないかなあ、と。)
そうそう当初は、『retour』収録の「幸せになりたい」を入れようかと思っていたのだ。――いや、久々に改めて聴き直したら(当時から好きな曲ではあったが)歳をとったせいか、この曲の詞がすごくしみじみ良く感じられてしまって(そうそう、都会はイヤなところもあるけど、良いところもあるよね、なんて思ったりして)が、よくよく思い返してみるとこの曲、アルバムのリードナンバーで当時からそこそこ知られてしまっている曲だったので、今回の選曲主旨と合致しないので、「それなら他の曲?どうしようかな~??」と探っているうち、この坂本教授の曲を思い出しました。
もうここらへんからは、「湿度のない夏」って感じの曲が集まってきますね。テンポがゆるやかになると、何故か俄然、「サラッと風通しの良い」感じの曲が増えていくサマーソングスあるある。
(現実の現夏はどんなにダラダラゆっくり過ごそうともいやそうするほどに湿度が高くて困っちゃう夏ですけどね!笑)
25,中谷美紀「汚れた脚 The Silence of Innocence」
(『食物連鎖』)
前曲から坂本龍一作品で続けてみたり。
そもそもこの『食物連鎖』というアルバムが私は好きで、特に1曲目から5曲目は、飛ばさず(もうCDオンリーが流通している時代に入っていましたが珍しく)続けてよく聴いていました。(ダビングしたものを持っていた記憶がないので、たぶんこの作品は始めからCDで入手していたんでしょうけど。)
だから、プレイリストに組み込んで別の曲順の流れに置くのも、なんかヘンな感じがしたりしなかったり。(アルバム全体通してで聴いていた曲って、そういうのってありません?笑)
いや、でも、このプレイリストの中でも、なかなかいい曲で挟んだんじゃない?と私は思っています。(また自選自賛だよ。笑)
前回の夏のプレイリストのラストナンバー「MIND CIRCUS」も同アルバムからいただいたので、今回は別のアルバムからにしよう……と思っていたけど、何か「夏のバラード集」っていってこの曲を混ぜるイメージがはじめのほうで出来上がってしまったので、やはりこの曲を採用しました。
26,島田奈美「見つめているのに」
(『CURIOSITY』)
島田奈美氏も、アルバム曲はこの『CURIOSITY』の辺りから尖り始めてきた気がして、個人的には「面白くなってきた」と思っていました。
とはいえ、実はこの曲、サブスクの再生数がやけに高いことから久しぶりに聴き直して「アレ?この曲、いい曲じゃない?」となった次第です。
アイドルPOPSに限らず、そういう形での「曲との再会」、サブスクで聴き始めてから多いです。
いやはや、サブスク再生数、バカにできないですね。面白い曲は(もれなく全てとはさすがにいかないけれど、でも)注目されていることが多いですね、やっぱ。
27,山瀬まみ「金の波銀のなみ」
(『RIBBON』)
デビュー曲「メロンのためいき」って、改めて聴いてみると、いい曲だなあ。
とはいえ、今回は「シングルA面曲は入れない」という条件でプレイリストを作っているので、さてさて、と。
そういや、このアルバムの中にも、夜の海辺で泳いでいる曲があったなあ、なんて思い出しました。
デビュー年の山瀬まみ作品は全て松本隆氏の作詞なんですね。(アルバムはこの1stと次の2nd、シングルは1~4th)
いや、改めて並べて読み直してみると、松本隆さん、相当力いれていたんじゃないかなあ、なんて感じたりします。
(や~、「デビューが魔の86年じゃなかったら……」なんてたられば妄想をまたここでしてしまうわけですが。)
山瀬まみ氏のボーカルも良いです。
だいたい歌が上手い人は、売上が振るわずとも、アニメ主題歌か、ロック化かで歌手としての更なる生き残りを図るんですけど、山瀬氏は、どっちもやってのけましたね。(笑)
28,相田翔子「魚になりたい」
(『JOIA』)
「この人は、人の曲を歌うアイドルとしてデビューするより、シンガーソングライターとしてデビューさせたほうがよかったのでは?」
なんて思う人が何人かいるのだが、そのうちの一人が相田翔子氏である。
Wink活動停止後のこのソロアルバム、ほとんど全曲の詞と曲を相田氏が担当しており、なかなかこれが良かったりする。
今回ご紹介した曲は、レゲエテイストを纏ったバンドサウンドで、Wink時代より力強いボーカルをそこに載せている。
が、相田氏の特に得意とするボサノバ調の曲では、ファルセットも多用した、やわらかで軽やかなボーカルを聴かせ、なるほど、曲によって歌い方に相当バリエーションを持たせられるようである。
そのあたり、さすが9年間のWinkとしての活動キャリアの賜物であろう、なんてことも思う。(Winkも最後のほうはいろんな曲調にチャレンジしてたしね。)
今回のプレイリスト、オリジナルアルバムを多めにサブスク化している歌い手を中心に選んでいるのだが……しかし、残念なことに相田氏のソロアルバムは、ベスト盤しかサブスク化されていない……。(Wink時代のアルバムはたぶん全てサブスク化されているのに……。)(ソロの1st・2ndの頃はまだ、レコード会社を移籍していたわけでもないのに……。)(確かに相田翔子ソロのベスト盤にこの2枚のアルバムから何曲かは収録されているけどさ……。)(てか、私はCDで持ってはいるけどさ……。)(でもなあ……。)
(私の心のボヤキがこだまし続けるから、はやくサブスク化を……。笑)
29,荻野目洋子「夏のステージライト」
(『ラズベリーの風』)
荻野目ちゃんの夏ソング、さて、前回プレイリストの「軽井沢コネクション」みたいなエッジの効きまくった曲をチョイスして……と当初は思っていたが。
今回選んだこの曲も、「おお、やけに再生数が多いな」と聴き直して、「あらま?これまたいい曲だったね?」と気づいた曲で(80年代当時にも聴いていたはずだったのだが)、今回やけに気に入ってしまって、プレイリストに選んでしまった。
荻野目ちゃんの「音楽とファンに対する誠実さ」みたいなことも感じると、この曲の歌詞の意味も、ちょっとプラスアルファされて、更に感動が増すところもある。
逆にこういったミディアムテンポのバンドサウンドを荻野目ちゃんが歌うのは、「新鮮さ」という意味では我ながら結果的に良いところを突いたのでは?とニンマリしている。
30,河合その子「空を見上げて」
(『Replica』)
♪夏のきざし運ぶ
という歌い出しの歌詞から、まあ、夏の終わりというよりかはむしろ夏の始め頃の曲だとは思うのですが、選んでしまいました。(笑)
回想の夏の場面が出てくる「薄い紫のブライトライツ」を置く案もあったのですが、実は他のプレイリストで一度使っているので、別の曲にしようかとなり、かと言って「シャングリラの夏」だと、これまたアルバムのリードナンバーで、テレビでも何度か歌われていたかと思うので、あれこれと悩んでこの曲にしてみました。
この曲は、その子氏が全曲作曲を担当したラストアルバム収録曲。――う~む、何かのタイアップでもついてくれていたら、シングルカットしなくてもアルバムごと評価されて、あと数枚、自作曲アルバム作れたかも?なんてことを考えてしまうけれども。
デビュー時より音域も広くなり、表現力も豊かになって、ボーカルの透明感も増したところだったので、もう少しここからの活動展開をみたかった気もする。
31,太田裕美「ピッツァハウス22時」
(『ELEGANCE』)
歌詞の中では「暑いわね、そっと笑顔ではぐらかす」という部分しか、夏を感じさせる部分はないのだが。(もしかすると、冬でも「暑い店内」ってあるかもしれないが、――ま、今回は設定:夏でいいよね?)
流れるように進行する筒美京平メロディーに添えられた、まるで短編小説のようなこの曲の作詞は、松本隆氏。
ホント、80年代の松本隆の詞の世界のミューズが聖子するなら、70年代は明らかに太田裕美でいいんじゃないかと私は思う。
特に(この曲でもそうなのだが)松本隆が詞の中で描く「私」はもちろん「僕」すらも、太田裕美なら、どちらも歌の中で的確に自然に表現できてしまう。
あるいは、松本隆が大切に使うキーワードの一つが「風」だと思うのだが、太田裕美氏のボーカルの中には、いつでも「風」が流れている。
そして、歌い手も、その聴き手も、その風に「こころが揺れている」感じがするのだ。
――これは78年のアルバムの曲だが、70年代という「時代」に流れていた「風」もまた、いや、そこにあった「光」だって「影」だって、「目に見えないからこその部分」を、歌という語りでしっくり表現できる稀有な存在の一人が、太田裕美だったのではないかと思う。
実に、「アイドルは世につれ世はアイドルにつれ」である。
32,遊佐未森「空色の帽子」
(『ハルモニオデオン』)
と、いうわけで、(初期・遊佐未森氏の作品群の作曲と言えば主に外間隆史氏等が思い浮かぶが、)この曲の作曲者は太田裕美氏。
いや、太田氏、作曲家としてもいいメロディーを紡ぎ出すなあ、と。
(特にファルセットを多用する歌い方が似ているせいか、2曲しかない遊佐未森への提供曲は両方ともなかなか良い。)
遊佐未森氏の夏は、どこか涼しい。
例えば「夏草の線路」がたとえ「どこまで続いても」、うだるようなイラつくような蒸し暑さはそこにはない。(って、ま、これは別の曲の歌詞の話だけどな。)
そして、冬の曲は、温かい。
夏涼しくて、冬あたたかい、とは、これ、「聴きごこちよい声」だけがなせるワザであろう。
さて、
「遊佐未森氏はアイドルなのか」と問われたならば、間違いなく「私の中では永遠のアイドルですが何かっ?」と答えざるをえない。
――キミ、「ヘタな愚問」はやめてくれたまへ。(笑)
33,高井麻巳子「風鈴物語」
(『いとぐち』)
やっぱこの曲とか聴くと「いい声だよな」と思う。
別に歌唱力があるとは思わないけど、で、まあ、アイドルだって歌唱力はあるにこしたことはないとも思うけれども、「上手くて声が綺麗なら、後は何でもいい」……わけがないのである。
高井氏の声、発声するだけで、どこかセンチメンタリズムとか懐かしい部位とかがくすぐられるといいますか。
この曲は1stALの収録曲だが、1月発売のアルバムの中に夏の曲があるということは、これもまたその半年前リリースのデビュー曲の候補だったのかな?なんてことも想像する。
さて、ここからは完全に
バラードコレクションエリアに入っていきます!
34,小泉今日子「あなたがいた季節」
(『AFROPIA』)
夕陽が街を染めて
夏にさよならを告げるのを
というわけで、夏も終わりの曲となってまいりました。
(いや~、それにしても、最近は夏の終わりも「終わってくれて清々する」ばっかりで、去り行く夏の寂しさも何もあったもんじゃないですもんね、いつまでもダラダラ暑すぎるしね!)
(「夏の終わりが淋しい」という「概念」自体が、もはや「思い出の中だけ」「過去の産物」になりかけている今日このごろ――閑話休題、)
これまた名曲――詞がキョンキョン、曲が鈴木祥子氏のこの組み合わせは、「優しい雨」と同じ布陣なので、もしかすると、この「あなたがいた季節」の良い仕上がりをうけての、シングル発注だったかもしれないですね?
そこまで凝った表現とか難しい言葉とかは使わないけど、どこかキョンキョンの中に「ささやかにある哲学」みたいなものが、「そこはかとなく」(これ見よがしでなく)滲み出るように感じられて、「職業作詞家っぽくないキョンキョンの詞」が、私は結構好きですね。
35,岩崎宏美「南南西の風の中で」
(『パンドラの小箱』)
このアルバムの先行シングル、皆様ご存知「シンデレラ・ハネムーン」のB面曲でもある。
シンデレラ・ハネムーンとは対照的な、ゆったりバラード。
秋の気配が来そうで来ない、でも八月の終わり頃の海水浴場の風景なのでしょう。
70年代までは編曲を担当することも多かった作曲家・筒美京平の世界を最も堪能できる歌手の一人が宏美氏だと思うのだが(このアルバムも全作編曲:筒美京平氏によるもの)、特にアルバム曲では、こうした「御自身の音楽趣味が結構濃い目に入っているのでは?」という曲も散見できて、聴いてみると面白いです。
36,キャンディーズ「MOON DROPS」
(『夏が来た!』)
百恵氏や宏美氏もそうなのだが、70年代アイドルって、アルバム曲に「意欲作」というか「実験作」をガンガン入れてくる傾向ありますよね。
いや、作り手も「売れ線とか関係ないなら、本当はこういう曲を作りたいんだよ!」みたいな、そういうトライを、アイドルのアルバム曲にも平気で遠慮なくぶつけてくるみたいな様子が多々見受けられます。(その点、後の時代、80年代からの制作のほうが「アルバムも全球ストライクを狙え」みたいなところがあったかも?ですね。良くも悪くも「遊び」が許されないというか。)
このアルバムで言うと、「危険な関係」とか、あんまりアイドルっぽくないラインの作品がカッコ良かったりしますな。(キャンディーズのこの時期のシングルで切るには少々冒険となる感じですかね?)
で、この曲「MOON DROPS」の話。
私は捻りまくったコード進行の曲がそもそも大好きで、だからこの曲も「なんだこれ??(100%良い意味で)」と耳に止まったわけなのです。
伊藤蘭氏のソロ曲なのですが、うーん、こりゃあなかなか、旋律を捉えるのにきっと苦労なさってあろう、と。(当時の人気アイドルの皆様は、多忙なスケジュールの中でレコーディングまでに曲を憶える時間も相当限られていたでしょうしね。)
で、誰の曲?とクレジットを見たら、ムーンライダースによるものでした。
ま、「キャンディーズの面々ならなんとか歌ってくれるだろう」ということだったのかもしれません。――実力派アイドルも大変ですね。
37,渡辺美里「君はクロール」
(『Lovin’ you』)
前曲からここ次曲へのつなぎも「どうしよう?」と悩んだ割に、実際繋いでみたら「いいね!」となって、ホント、プレイリスト作りって楽しすぎます。
さて、私個人としては、美里氏の声質は粗削りなところも感じられる3rdアルバムまでが特に好きなもので、その中で夏の曲を……と探してみたけど、あれ?意外とそんなにないのね??
いや『ribbon』あたりからは、渡辺美里と言えば「夏の代名詞」みたいな感じになっていたけど、スタート期はそうでもなかったんでしたっけ??
『eyes』から「追いかけてRAINBOW」とか、『BREATH』から「風になれたら」とか、あるにはあるんだけれども。
と、いうわけで、思ったより候補曲はなかったけど、その中でも一番目立たないかもしれないこの曲にしてみたわけですが。
うむ、改めてプレイリストの中で聴いてみると、なかなかいい曲ではないですか??(ファンの方々からもスルーされていそうな、アルバムの中においてもインタールード的な地味~な曲ではありますが。)
美里氏の詞もいいし、大村雅朗の作・編曲もいい。
午後に入って徐々に傾いていくがジリジリした陽射しを、もう曲の質感から感じられる。
躍動感はあるのに、プールに流れる時の流れだけがスローで、そこに静寂すら感じる、これは夏の午後ならではの風景でありましょう。
38,斉藤由貴「アクリル色の微笑」
(『チャイム』)
制作期間を反映しているのか、10月21日という発売日の割に、春や夏の曲が多いアルバムである。
そういや、サブスクでの好評を受けてか、同アルバムから「ストローハットの夏想い」がアナログシングルカットされるそうな。
(ねえ、欲しくなるからそういうのはやめてっ!!笑)
(ジャケ写も今まで未使用のカット使うとか、ホントにもう、勘弁してェっっ!!)
(もう、ダメです!コンプリートとかキリがないから、新曲が入っていないものは購入いたしませんっ!!笑)
でも、今回のプレイリストは「ストローハット」は入れないよ~ん。
(もう相当聴かれて注目されているみたいだから。……私はひねくれ者なもので。笑)
と、いうわけで「アクリル色の微笑」。
ここで言う「アクリル」とは、画材のそれを指しているのでしょう。
由貴氏の自作詞なのだが、これまた映像的でよろしいわけである。
「巨大な影 傾く都会で」
という歌い出しから、曲と相まって、絵が動きだす。
――由貴氏の詞って、曲の出だしからストライク決めてくるんですよね、ホントに上手。
「♪光の中で生まれたら」
とか
「♪それは静かな予感だったの」
とか
「♪手紙書きます、あなたに」
とか?
(逸れてきちゃったので、話をこの曲に戻します。笑)
「白い自転車から”さよなら”告げたら
夏の空へ舞いあがる」
白昼夢のような、夏の光景である。
崎谷健次郎氏の曲も夏の午後のゆらりとした感じが出ていて、とてもいい。(編曲は武部聡志氏と共同。)
39,南野陽子「ひとり」
(『夏のおバカさん』)
当初は80年代中の別のアルバムから「サマーフレグランス」とか「SPLASH」とか入れて、「ナンノの夏は涼し気ね~」なんてコメントするつもりだったんですけど。
でも、今回は「ひとり」。
――そうなのである、最近ナンノのラストオリジナルアルバム『夏のおバカさん』も聴き直したのである。
シングルカットされたアルバム表題曲以外は全作詞、で、作曲のほうはなんとアルバム通して全曲、ナンノ本人によるもの。
リリース当時は、「へー、ナンノの自作アルバム、意外といいんじゃない?」なんて思いつつも、そこまで聴きこむ時間の余裕が当時の私になかったのか、スルっと通り過ぎてしまったのでしたが。
いや、今になって改めて聴き直すと、うん、やはり「良い出来だよね」となった。(――あの時より今のほうが耳が肥えているというか耳が「ウルサく」なっていると思うんだけれども!笑)
じっくり詞とかも改めて「大人になった自分が」読み返してみたりしてね。
(リリース当時はまだ高校生だったもんでね。)
それでふと思ってしまう。
「これって、ナンノの私小説的なアルバムなのだろうか??」と。
――無論、半分そうかもしれないし、半分以上そうなのかもしれないし、いやいや、ほとんど「創作」なのかもしれないし。
ま、でも、実際そこはどーでもいいかな?
どうもこのアルバム全体通して描かれている「主人公」が、いろんな人物が描かれているというより、「たった一人の女性」が描かれているような気がしてしまって。――生真面目でひたむきで、それゆえか恋には不器用で、まだまだ迷うことも多い――何だかこれ、人物像がどうしても「ナンノ自身」に重なって見えてしまって仕方ない。
と、
ここまで聴いた側に思わせる時点で、「作り手」として合格点なんじゃない?
なんて私は思うわけだ。
「私小説的」な作品群なのだとしても、いやいや「完全に創作です」なのだとしても、どっちにしても、見事なんじゃない?と。
だって、聴いている私が作品に感情移入できなければ、それ以前に、こういう感想は浮かんでこなかったと思うからだ。
そして、今になって気づいた、ちゃんとリリースタイミングに合わせて「夏アルバム」に全体を仕上げている点。
――ちゃんとほとんどの詞を「夏物」で揃えている(季節が特定できない曲はあるけど、別の季節の曲はない)あたり、うん、やはり作り手として、意識高いと思う。
「よくやったな!」という感想を持ったなあ。
ま、率直に厳しいところを言えば、音楽作家力として、ユーミンのような「匠みさ」があるわけでもなく、みゆきさんのような「文学性」とか「演劇性」とかがあるわけでもなくて、若干「没個性」なところはあるにはある……けど、この「ソングライター職人二大巨頭」と、シンガーソングライターとしてスタート地点にたったばかりのナンノを比べるのも酷ですわな。
例えばこれが、90年当時大躍進中だった「全曲岡村孝子の書き下ろしです」と言われれば、全然信じられるクオリティーではあったと思う。
――そうなんだよなあ、歌い方も直線的で、抑制的なところとか、岡村孝子氏に似ているし、その路線で突き進むの、大いにあり得たと思うのだよなあ。
ビーイングの明石昌夫氏のアレンジも良いが、でも、それならここ一番、(岡村孝子氏の作品も数多く手がけていた)萩田光雄氏に編曲者再登板してもらえていたら――更に「好感触アルバム」に仕上がっていた気もする。(やはりナンノといえば萩田光雄氏アレンジとなるわけだものね。)
シングルカットする曲も、「夏のおバカさん」(がアルバムを通してのテーマなのだとしても)ではなくて、もうこの際腹括って、「アイドル」としては重たい内容の曲になるかもだけど、今回取り上げた「ひとり」とか、あるいは「八月の風」とかシングルにして、「ソングライターとして切り替えて真っ向勝負」すればよかった気もする。(「夏のおバカさん」も悪い曲じゃないだろうけど、無難過ぎるというか、特に新鮮味を感じるような「耳をひく」「お!と注目を集める」ラインではないんだよなあ。)
で、ナンノもまた、もうちょっと粘り強く、「創作歌手活動」続けてもよかった気がするんだよなあ。――これでオリアルは最後になってしまって、何だかその後に「契約消化試合」みたいに、謎のコンピ盤が何枚もリリースされたりしていたしなあ。
まあ、このアルバム、売上的には「弾けなかった」というのは、その通りではあるんだけれども。(そのせいで「私には歌手としての需要がない」とこれまた生真面目に思ってしまったのだろうか。いやいや、それは結論を出すのが早すぎだったと私は今回思ったぞ。)(一作作って燃え尽きてしまったというのなら仕方ないんだけど……ちょうど独立とかして前事務所周辺からゴタゴタとした頃だったから、そもそも粘るだけの心の余裕とか、芸能活動自体の余力がなかったのかもしれないけどなあ。)
でも、デビュー時点から即売れてそのまま大成した女性シンガーソングライター自体、当時はあんまりいない(前例がそんなにない)わけであるから、「長い目で」じっくりやってみたら、「化けた」可能性も大だったと私は思ったわけである。
(ユーミンですら、デビューアルバムが売れ出したのって、3枚目のアルバムの好調につられてだったもんね。――むしろデビューアルバムがデビュー時点で売れると、その後が続かないパターンのほうが多かったよな。久保田早紀氏然り、小林明子氏然り。)
な~んて、またついつい長く書いてしまった。(笑)
さて、残すところあと2曲となりました。
40,森口博子「真夏のアリス」
(『Prime Privacy』)
毎度この感想ばっかりで申し訳ないんですけど。
森口さんの歌は、良いよね~。(またかよ、って言わないで!笑)
森口さんも、ディレクションがバラけてしまっていたから、いっそ「バラドル元気路線」はバッサリ捨てて、ブレイク作もバラードだったし、この曲みたいな感じの「じっくり聴かせる」路線中心で「歌手活動イメージ」形成していったら、面白い感じになっていた気もするなあ。
と、言いつつ、アップテンポの曲もしっくりはまってヒットも出せちゃうから、そうなんだよ、「何がきてもバッチリ歌える器用過ぎボーカリスト」って、アイドルの場合、ちょっと損なんだよな。
そして、最後の曲は、ボーナストラックとして。
日焼けの少し残る腕に
秋を告げる風
41,薬師丸ひろ子「バンブー・ボート」
(『夢十話』)
いや、薬師丸さんも、夏の曲は他にあるので、当初は別の曲で考えていたのですが。
ふと
〈「バンブー・ボート」をラストに置くのはどうだろう……?〉
と思いついてしまったら、思いついた途端、私の中で「即決!」となってしまいました。(笑)
「バラードコレクションの締めくくりに薬師丸」は「必勝パターン」ではないかと。
(――薬師丸ボーカルに絶大な信頼を寄せすぎでしょうか。笑)
これ、85年のまだ2ndアルバムなんですけど、「歌に説得力があり過ぎ」ですよね。(いや、説得を特に要する歌詞内容ではないですけど、って、そういうことを言いたいのではなくて。)
「テクニック」とかを予め越えた、「天性のもの」を真っ先に感じさせるボーカル、これこそが「アイドル歌手」に求められる最大の要素ですねっ!
(と、いうわけで、うまく締めくくれましたかね??笑)
ここまで目を通してくださったあなた!
(どなたかいらっしゃいますかね???笑)
心より御礼……参り50回くらいしたい気持ちでいっぱいです!!!
(何だそれ?!?!笑)
今度こそホントに以上です!
(結局、自ら記事冒頭で宣わった「配慮」も「節度」もない、いつもの「膨張記事」でスミマセンでした!!
――毎度毎度、激化して膨らませすぎだよっっ!!!笑)