漁師の孫にして魚の種類を知らない女が回らない寿司をエンドレスに食うよ
正直、生の魚が苦手なんだが
和歌山の海沿いのど田舎、美浜町で生まれ育ち漁師の祖父を持つザ・マリンガールの筆者だが、生の魚があまり好きではない。生魚臭さがものすごく苦手な故だが焼いたり煮たり火を通した魚は大好物だ。そうだよ焼けばいいじゃない、焼き魚美味しいよ。
和歌山市 寿司割烹「保利以」
クリスマスに回らない寿司…だと?
こちらは和歌山市の一見さんお断りのお高いお寿司屋さん。回りまくる寿司に慣れ親しんだ筆者はやや緊張気味に足を踏み入れる。頑固そうでそれでいてプロの板前の風貌を醸し出す大将だ。お得意様にしか出さないエンドレスに寿司が提供されるメニューがそこにあった。
最初からクライマックスだぜ
もう満足の突き出し
突き出しに私の好きな食べ物ランキング上位の白子様がご登場だ。正直これと熱燗さえあれば120点。これで本日の料理は終了ですと言われても「ありがとうございました!」と叫び出すだろう。
止まらない寿司
「ストップを言わないと止まらないから言ってね」
そんなまさか。そんなことがあるものか。
こんなに厳選されたネタの数々、見るからに高級で上等な品々だと言うのに。
生魚が苦手な筆者が不思議と美味しく食べられるくらいだ。本当に吐き気を催すほど生魚が得意ではないが本当にどうして寿司屋に来たんだろう。
しかしここの寿司は食べられる、食べられるぞ…!
ネタの鮮度の良さか、大将の腕の良さか、あるいは両方か。
魚分かんないけど美味しい
前述の通り生魚をほとんど食べないので本当に魚を知らない。焼きサバ焼き鮭程度の魚の知識である。よくわからないけど見たことあるけど明らかにいつも見かける寿司とは違う。スーパーのパッキングされた寿司とは違う。
当たり前だが驚きと感動の数々である。生魚ってこんなに美味しいのか。生魚を食べられる世界が新たに開かれた瞬間だった。
好きな食べ物ランキング上位のウニいくら
生魚は得意ではないが筆者は非常に、そう非常に、生き物の大切な部分が大好物である。
「醤油は漬けずに食べてくれ」
なるほどしっかりと味がついていて驚くほど美味しいぞ。
これが本物のいくらなのか。そして驚くべきはウニ。その甘さ、奥深さ、海の香り、どれをとっても格別。これがウニ、本物のウニだ。いやこれまでに食べてきたウニは果たしてウニだったのか…?
もうとっくにお腹がいっぱいだよ大将
そして人間の食べる許容量をとうに超えていた。
目が眩み、頭が回る。思考が追いつかない。
何をしているんだ私は。しかしその手を止められない、いや止めることが出来ない。
なぜなら大将が続々と紡ぎ出すその芸術品たちを楽しみに待つ好奇心の方が勝ってしまっているからだ。
もう何を食べているかさえ定かではない。大将と名刺交換をした気がする。地元の話もたくさんした気がする。夢中で箸を進めたのだ。そうして人はまだ見ぬ幸せを求め続ける。
赤だしのタイミングを間違えた
もう完全に限界だわこれ。
赤だし大好きだし初めて来る店だしどうしても飲みたくなった赤だしだったが本当にやってはいけないことをしてしまった。
赤だしは美味しい、美味しすぎる、さすがである。赤だしに罪はない。
しかし限界をとうに超えた私の身体は小刻みに震え出した。
終わりに
何が言いたいかと言うと、次はウニいくらでやめておこうね。
パーティーは一番楽しいところで帰るのが良いとはよく言ったものだ。私は身をもってその説を証明した。犠牲は大きかったが、これを最後まで読んだ皆様には必ず知っておいて欲しい。
食べ放題は美味しくても調子乗っちゃダメ。
大将、本日は素晴らしい職人技の寿司の数々と楽しい会話の提供をありがとうございました。
次はウニいくらで止めておきたいと思います。
たいへん美味しかったです、ご馳走様でした。