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「FIRE BIRTH」齋藤勇介個展(市民ギャラリー矢田)

ナゴヤドーム前矢田駅からほぼ直結、図書館などと複合した建物の中にある施設。
中日ドラゴンズの選手たちの顔写真や、ドアラの活躍シーンなどのパネルを右に左に見つめながら、出口までの延々続く通路をこれでもかと進んだ先に、ようやく外に出たと思いきや今度はどんだけ上るの?というエスカレーターがそびえてるので「駅直結」という言葉のイメージよりは歩かないと着かない。

バンテリンドームやイオンモールも直結してるので、土日祝日は通路が混む。
でも市民ギャラリーは大体空いてる。
駅は利用したことあるけど、ここは入ったことないという方も多いのではなかろうか。
通路からエスカレーターを(今度はそんなに長くない)ちょろっと登った先にある。左手は図書館、そして右手がギャラリー。
市民ギャラリーというだけあって、絵を楽しんでます〜といった趣味の高じた展示もあれば、学校の卒展もある。
そして時々「うわっ、この人は凄いぞ…!」という展示に出くわす。
今回の齋藤勇介さんもまさにそれ。

エスカレーター前の案内板

正直、ホームページを見てもどんな展示が開催されてるのかさっぱり分からないので、どんなものが観られるかは運と偶然によるところが非常に大きい。
大概無料で観られるので(ここでお金払った記憶はない)多少満足度が低くても「まあいいか」とはなるのですが。

齋藤さんの展示は、部屋に入った瞬間に「うわぁ…」と驚きの声が漏れた。心の中で言ったつもりが、あまりのびっくりに口から漏れてた。

歴史博物館かと思う空気感

古代遺跡にでも来たんか、という重厚感。
しかし出迎えてくれた齋藤さん御本人はなんとも穏やかな若い方。
現在、美大院生だそうです。

彫刻、だけど、土の焼き物でもある。
遠い過去から使われてきた土と火。

作品には鉄も使われているから、新しいことは分かってるはずなのに、この空間で作品に囲まれていると「長い長い歴史の向こう」を感じる。

特に中央に位置するこの作品。

縄文レコード(手前)

その名も「縄文レコード」。
所々ぼろぼろに欠けているレコードに、遥か彼方の記憶を見る。
それは自分の中の想像でしかないけれど、その想像を掻き立てる力が漲りまくっている作品。
カセットでもCDでもない、レコードという言葉が最もしっくりくる。

そういえば私はいま「縄文ZINE」なるものを読んでいるので、この展示にぐぐっときたのはその影響もあるかもしれない。

まさかの縄文繋がり。
普段歴史についぞ興味のない自分が、ダブルで縄文に触れてるんだから人生何が起こるかわからない。おもろい。

ほんとうに、矢田はしれっと油断ならない展示をするから困る。
こういうとんでもない展示はもっと派手に宣伝をうってください。
会期は8/25(日)まで。今週末お出かけの際は是非、矢田の長い長い通路を歩いてみてください。ゆとりーとラインもあるよ。

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