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『渾沌を飼う』タナカえん(Gallery White Cube)
名古屋市は中区丸の内にあるギャラリー、Gallery White Cubeさん。
今回初訪問。
ギャラリーはビルの4階に。
なんとエレベーターが壊れている!
よいしょよいしょと階段で4階までゴー。
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こちらのギャラリー最大の特徴は白いお部屋と黒いお部屋の二つのスペースがあること!
同じ作家さんの作品でも、空間が違えば印象が変わる。それを一度に体感できるとっても素敵なギャラリーでした。また行きたい!!
まずは白のお部屋から。
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私はタナカえんさんの作品をきちんと観るのは初めてで、今回のフライヤーは多分K.Art Studioさんへ行った時にひょいひょいもらってきた中の一枚だったと記憶。
かなり前からすごく楽しみにしてました。
まずタイトルがかっこいい。
渾沌を飼う、って響きが気になって気になってどんな作品なんだろう!とわくわくしてたから。
で、実際に足を踏み入れてみたら視界に飛び込む無数の色と線。
壁にかかるえんさんの言葉から、ここにあるのは自分の中で絶えず流れ続ける意識の群れたちと知る。
掴めない、動きを止めない、自分で制御しきれない、意識たち。
自分の意思でどうにもならないその渾沌を飼い慣らす。
作品によっては鏡が仕込まれていて、覗き込むとうっすら自分の姿が重なって見えるのです。
それも含めて、めちゃくちゃかっこいい!
これ観に行った時、色々悩んでる時だったんですよね。仕事だのプライベートだなもろもろ悩んで悩んで悶々としていて。
でもこの作品たちを観て、ああ悩んだら迷ったりしてる私の意識がこんなにも素敵な色や形をしてるなら。それって全然悪くないなぁ。そんな風に感じたのでした。
時に燃えるような、ある時には物静かな色をする私の意識。
この身体の中に、えんさんが描かれたような美しい形がたゆまず流れていることを想像すると、なんだか微笑みたくなるのです。
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黒のお部屋はがらりと雰囲気が変わって、ピンとするかっこよさ。
えんさん曰く、お部屋毎に作品のイメージをしっかり分けたそうです。
ピンクの作品は遠くから見ても鮮やかで目に刺さるようで、目の奥から脳まで届くような明るさだった。
何かに熱中している時。
ちょっとよくないことを考えている時。
唐突に衝撃を受けた時。
私の意識はこんな風なのかもしれない。
目に見えないものを、こうして作品にして見えるようにしてくれる。
だからアートが大好き。
また好きな作家さんと、通いたいギャラリーが増えました。