私のCDコレクションとヴィム・ヴェンダースのこと
遅ればせながら映画「PERFECT DAYS」を見たので、横すべり的に雑談。
60年~70年代の洋楽ロックをこよなく愛する主人公・平山さん。彼の大切なコレクションを見ていたら、コロナ禍にCD900枚近くを軽々と手放したことを思い出してちょっと胸が痛んだ。
ロンドンのレコードショップで買ったThe Kinksも、段ボールにほいっと入れて売ってしまった私。あれは断捨離だったのか、それともヒマに任せた暴挙だったのか。
劇中で流れていた名曲の数々を、家に帰ってからSpotifyで聴いた。
一見、多幸感に満ちているけど、どの曲も「理想と現実のあいだ」「逆境に負けない力強さ」「不安定な自分」「絶望の中の一筋の光」みたいなのを歌っている。この映画で使われていたのには意味があったのだ。著作権のせいだろうけど、歌に字幕がついていなくて残念(映画あるある)。
Lou Reed、フジロックでライブを見たなあと思って調べてみたら20年も前の話だった。セットリストによれば最後の曲は、なんと"Perfect Day”。当時20代だった私の記憶には全く残っていない(汗)。
一方、覚えているのは2008年の劇場映画『8-Eight-』。"ミレニアム開発目標"のテーマに沿って8人の監督が制作した短編オムニバス映画で、ヴィム・ヴェンダース作品の翻訳を私が担当した。
ここ数年で流行語みたいになったSDGs(持続可能な開発目標)だが、実はずーっと前から存在していて当初はMDGs(ミレニアム開発目標)と呼ばれていた。
存在感薄めなMDGsだったので、ヴィム・ヴェンダースはこの作品で、メディアの姿勢を揶揄しながら、”個人ができること”について啓発している。タイトルは「人から人へ」。YouTubeで本編が見られることを発見。なぜか字幕フォントが変だけど。
で、「PERFECT DAYS」。あるシーンでクルミっ子を見かけて、ふと食べたくなった。いつも昼には売り切れてるけど、今日は買えるだろうか。音楽も、もう一度聴こうっと。
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