【仕事編・学童保育指導員⑤ 有機的自律運動の活性化を促すためにできること】 0ポイントと出会う旅
毎日おなじカフェのコーヒーをのんでいても、味がこんな違う。
気温とか湿度とか環境と、淹れているタイミングと、粉の状態と、器の温度とか物の状態と、わたしという個体のその時の状態、これらもまた有機的自律運動の中にあり、わたしという個体で感知されるその時、「〇〇な感じにおいしい」な星座に成る。
前回は、
と書いた。
そして、こうも書いていた。
ここで、当時、わたしにはできなかったことを、試みてみようと思う。
それはなにか。
「粒と星座」の言葉で、当時のことを記述し直してみるということ。
わたしにはこの10年くらい、自分と世界と起きていること、を考える時に伴走してきてくれた「粒と星座」という言葉、それに付随する言葉、がある。
わたしの体験から出てきた想像の、仮説の、言葉だ。
それは、人間のこと社会のこと、だけに集中しがちになる考えのクセを、そもそも人間は自然のはたらきの一部に過ぎないよね、というようなところに接続し直せる気がしている。
その前までは、わたしはずっと「自分がない」と思ってきた。
わたし以外の人は自分があって、意見があって、するべきことがわかっていて、他の人のことはそれほど気にしなくても済んでいて、冷たいってわけじゃなくて、それくらい「自分」がないと、わたしのように人に左右されすぎてヘトヘトになるから、他の人はそんな他人のことでヘトヘトになっているように見えないから、だからわたしは他の人と違って「自分がない」んだと思っていた。
どんどん、人のことがわたしの中になだれ込んでくるのだ。
しかしほんとうのところ、
自分の考え、と思っているものも、粒とつながり線のはたらきの軌跡が、繰り返しクセとなって自分の中に湧いてくる、勝手に走り出す、そういうちょっと、自分の思うようにならないものを「自分」という「個体」として認識してしまっているような気がしていた。
そういう、「はたらき」が、固体という「わたし」において感知される時、まるで「わたし」はひとつの独立した物体のような、独立し完結する個性のような、そのようなものと勘違いしてきたのではないか。
昆布巻きにされた当時のことを、「粒と星座」の言葉を持った今のわたしが記述し直すとするとどう見えてくるだろう。
それをしてみようと思った。
わたしには、このように見えていた。
わたしの即興お話を楽しめる子たちは、有機的自律運動のままにどんどん拡散していくことに制限がかかっていない。
刺激の素に接して、粒になって、つながり線になって、過去の経験の軌跡も混ざってくる、周囲の子たちや環境や話す声のわたしから発しているものも混ざってくる、拾っている、拾われている、粒になりつながり線になりがどんど広がっていく。
そのはたらきの中に安心して「居られている」。
その中にわたしも居た。
ひとりひとりがバラバラなのに、大きなはたらきの中に一緒に居られる感じ。
お互い様な感じ。
はたらきの下、誰が上とか偉いとかなく、ひとしくバラバラ、みたいな。
そのようにわたしには感じられる。
わたしを昆布巻きにした子たちは、「やれ」と指令し、「了解」と受け、そのように一点目指して行動する。
有機的自律運動はいつでもどこでもはたらいているからその点では同じだが、バラバラに広がることは許さない、一つに集約するよう収縮にはたらいているように思う。
標的をマットで巻け、ジャンプして痛めつけろ、そのような一つの目的、指令が支配している。
そうでないもの、目的に沿わない有機的自律運動は「ダメ」。
そのようにわたしには感じられた。
当時のわたしはこれらがなぜそうなるのかわからなかったし、自分は何もできないし情けなかった。
今も、なぜそうなるのか理由は知らないままだけど、「有機的自律運動のはたらき」に注目することで、「こうありたい」という可能性を標榜することはできる。
どのようであったら心地いいのか。
ひとりひとりが居られるような有機的自律運動の活性化が望めるのか。
を考えてみよう。
・「唯一で絶対で正しいかのような集団の輪っか」にみんなを揃わせることはしない
・これじゃなくてもいい、他の姿でもいい、という可能性が担保される
・そのために集団の輪っかは一つじゃなくていろいろあっていい、数も種類も、を担保する
・そのために身近にそのような有機的自律運動のはたらきのロールモデルがあるといい
・そのためには、ひとりひとりの0ポイントを発見していく、0ポイントに成る、を尊重していく、態度と場があるといい
・そしてそれらを共有しあえる工夫があるといいい。
と、仮説を出してみた。
この仮説は、実証されていないし、実験は続いている。実際の生活で、集団の中で、社会の中で。
※ここまでに出てきた言葉はまとめています。
ひとりよがりな主観の言葉です。
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