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絵本『ささ さささ』を出版しました


どんな絵本?

「さっ」と登場するのは、「ささ」。「さささ」と走り、「さっ」とほうきを手に取り、「さっさか」お掃除。「さ」の音の魅力とともに、読み聞かせにも楽しい、ちょっと不思議な「ささ」たちのおはなしです。

シンプルな文章と内容で0〜6歳以上、大人までお楽しみいただけると思います。

株式会社ニコモ YOMOさまにてオンデマンド出版しました。
YOMOさまサイト(ログインすると1度だけ最後まで試し読みができます)とAmazonさまでご購入いただけます。

制作時期:2023年7月頃
一般公開日:2025年1月25日
サイズ:W182×H182 24ページ
使用ソフト:Adobe Illustrator / Procreate / Adobe Photoshop /

作ったきっかけ

当時4歳の娘が歯医者さんから「さ」の発音練習を勧められたことがきっかけで生まれました。「さ」の発語練習と言われどうしようかなと思い、「さ」がたくさん登場する絵本を作ってみたらどうかなと考え始めました。このとき、ちょうど七夕も近かったので無意識に笹への連想が湧いたのかもしれません。

制作過程

細長い「ささ」をどうキャラクターにしていくか、どう動かしてゆくか、本の形で仕上がったときにどういう見え方になるか、シンプルな文字とイラストだからこそ、描きながら、時には本の形でレイアウトを試して流れや動きが自然に見えるか丁寧に確認しなが練ってゆきました。

実際の笹を観察したり、しくみを調べながらキャラクターにしていきます。
表紙案。
細長い笹が小さく見えないように、でも太くしすぎて笹らしさを失わないように
見え方をよく検討します。
絵がシンプルな分、形や動きを慎重にチェック。
ラフの段階から本の形でレイアウトの確認をしています。
ページをめくったときに流れが自然に見えるか確認。
もともとはわが子のために手製本していました。

販売への道

出版社さんに見ていただく機会もいただきましたが、手製本版の本の完成から1年半ほど経た頃、YOMOさまが知育テーマのコンテストを開催しているタイミングに合わせてオンデマンド出版&コンテスト応募することにしました。

もともとは完全に知育の真ん中を目的にしておらず、知育テーマでの応募に少し迷いもありました。しかし、さまざまな表情を見せてくれる「さ」の音の魅力、面白さが言葉遊びやオノマトペ的楽しさを生み出してくれている確信はあり、言葉の楽しさを伝える一助として、知育の部門でもお役に立てる部分はあるかもしれないと考えました。

絵本作家 : とみや ゆい

以前より絵本を出版するなら、こどもにも読みやすい「ひらがな」で、名前らしい名前のペンネームが良いな思っていました。あれこれ考え、「とみや ゆい」の名義で発表することに決めました。ペンネームではありますが、急に一個人らしい名前で前に出るような心地に少々気恥ずかしさも感じています。長年の夢のひとつだった絵本の活動です。「絵本作家:とみや ゆい」をよろしくお願いいたします。

現在のメインの活動名「ことこと制作室」の屋号も引き続き使っていきます。じっくりことことお鍋で煮込むような、わくわくの詰まった丁寧なものづくりを心がけて。そんな願いを込めた屋号と、新たなペンネームとともに、より一層豊かな制作活動を歩んでゆきたいと思います。

完成して

妊娠・出産を機に体調を崩し、好きだったデザインの仕事を辞めざるを得ない状況になり、一時は創作の世界から離れつつも、育児に奔走しながら少しずつまた細々と制作を続けてきました。創作と向き合うときの気持ちはささやかな楽しさだったり、希望のような小さな炎を絶やしてなるものかという想いが浮かぶこともあったりしつつながら、ようやく時間が取れるようになってきたところ。まだまだ子をはじめ、家族や自分の状況との兼ね合いを取りつつの中ではありますが、ようやくここまでこられたな、と少々感慨深い気持ちも湧いています。山を登っていて、開けた景色が見える地点に来られて一息つけたような。

手製本の絵本は何度か作ってきましたが、皆様のお手元にお届けできる形としてのはじめての絵本です。手探りで進んできましたが、一番は無事に完成してほっとした心地です。皆様にもお楽しみいただけますと幸いです。

〈おまけのミニあとがき〉
後から調べたらサ行は歯擦音(しさつおん)というそうですね。もしかして「さ」だけでなく「し」「す」「せ」「そ」も使っても良かったのかな?と思いつつも、「さ」に重心を置いたことで面白いお話が生まれたので良かったと思います。

↓こちらから試し読み・ご購入いただけます。

いただいた感想と楽しみ方のアイディア

学生時代に幼児向けボランティアサークルで活動され、現在も育児中の西野みや子さんから、うれしいご感想をいただきました。「読み聞かせに楽しい」、「読み聞かせ甲斐がある」、「大人もクスっと楽しめて、こどもにも読んであげたくなる」とのお言葉。

本作にたくさん登場する「さ」。この「さ」はこんな感じかな?こっちの「さ」はどんな調子で読もうかな、と読み手にとってもさまざまな工夫を加えたり、味付けを楽しめる余白があるのも面白いポイントになってくれたと思います。そしてそれを聞いたお子様が、話者の真似をしていろんな調子で発語を楽しんでくれるかもしれません。絵本を通して豊かなコミュニケーションが生まれるきっかけになれたら幸せだなと想像します。

たくさんのお子様と接した経験をお持ちの西野さんからのあたたかな声、とてもうれしく、参考になります。ありがとうございます!

西野みや子さんは漫画家であり、「子どもの安全第一ハーネスプロジェクト」の発案者でもあります。幅広い活動を下記よりご覧いただけます。


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