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ケア実践講座第5回/ミュージアムアクセシビリティから学ぶ②実践編


ケア実践講座 第5回|ミュージアムアクセシビリティから学ぶ①実践編 
日時|2024年12月14日(土)13:00〜16:00
会場|多摩区役所生田出張所 大会議室A・B
講師|プロジェクトスタッフ(近藤乃梨子、玉置真、財田翔悟)
内容|
・目が見えない人、見えにくい人と作品鑑賞をする
・車椅子利用者、ベビーカー利用者が美術館を楽しむには


5回目となるケア実践講座では前回の講座に引き続き、アクセシビリティについて考えます。
実践編ということで2つの美術館の事例を見ていき、ミュージアムにおけるアクセシビリティの具体例にどんなものがあるかを学び、そしてことラーにはミュージアムの実例を通して、こと!こと?かわさき式のアクセシビリティを考える時間にしてほしいと思っています。
今回も前回同様、国立アートリサーチセンターが制作したeラーニング講座「ミュージアム・アクセシビリティ講座 ふかふかTV」の動画を使用して講座を行いました。

まずは前回のおさらいからスタートです。
アクセシビリティの基礎的な考え方である「合理的配慮」や「情報保障」がどういったものなのか、前回の講座の中でことラーが気になったワードも振り返りつつ、共有していきます。

続いて、ふかふかTVの動画を見ていきます。
ことラーが見たのは「目が見えない人・見えにくい人@滋賀県立美術館」と「車椅子利用者・ベビーカー利用者@東京都庭園美術館」の2本です。
2本の動画は美術館の実例を通して、目の見えない方や車いすユーザーの方が美術館に来館した際にどのように作品を鑑賞することが出来るのか、そしてどういった楽しみ方が考えられるのかの一例がわかりやすくまとまっています。

動画を見終わった後にはこと!こと?かわさきのプロジェクトマネージャー3名で動画内でそれぞれが気になった点やアートコミュニケーション、こと!こと?かわさきの活動とはどう繋がるか、といった観点でミニクロストークをしました。

マネージャーが3人並んで話す機会というのがあまりないので、ことラーが喜んで撮ってくれた

こと!こと?かわさきの活動では特定の場所だけでなく、街なかで展開されるため、動画で見た美術館の中でのアクセシビリティの事例をそのまま使えるわけではありません。ただ事例の中には人とひととの接し方や取組の工夫など、ことラーの活動に活かすことのできる考え方が多く含まれています。
ことラーにとって「ミュージアム・アクセシビリティ」から「こと!こと?アクセシビリティ」へと理解がスムーズに繋がるように、ことラーにとって大事な部分はここかな、というマネージャーの考えを伝えました。

その後、ことラーにはそれぞれに動画やクロストークの中で気になったワードを付箋に書き、グループで共有しながら考えを深めてもらいました。

ことラー同士が話し出すといろいろな考えや思いがあふれ出て、止まりません。


たくさんの付箋にそれぞれのキーワードが並びます。
今日講座に参加したことラーが気になったワードを分類しつつ、その中でも気になった付箋を元にマネージャーが話を広げます。
ことラーとマネージャーが直接考えを共有する時間となりました。



後半はことラー発のオリジナルな活動「ことラボ」の中でケアの視点が強く現れている「み・み・ラボ」の活動を取り上げ、講座の中で共有する時間を作りました。
「この指とまれ!」でラボを立ち上げた山本さんからみ・み・ラボを始めようとした経緯やこれまでの活動について説明をしてもらい、他のみ・み・ラボ参加ことラーからもラボに参加してみて起こった自分の変化やことラーの活動にどう影響しているかなどを話してもらいました。
最後に前回のラボミーティングの際に行われた「手のひらを使ってリズム合奏」をこの日のケア実践講座のメンバーみんなでやってみました。

ことラボの活動についてはことラー専用の掲示板で情報共有がされていますが、文字や写真で見るのと、実際に体験してみるのとではかなり違いがあるはずです。
会場の中はいい一体感で包まれて、講座は終了しました。


ケア実践講座では社会のあらゆる人が心地よく安心してコミュニケーションできる場作りが出来るよう、ケアの視点を深めることを目指しています。
今回ふかふかTVの動画の中で目の見えない方と作品を鑑賞していた学芸員さんが語っていた障害のある方との鑑賞は特別な技術が必要なわけではなく「誰にでも出来るはず」という言葉が印象的でした。
障害の有無に関わらず、相対する人一人ひとりを知ろうとしてコミュニケーションを行おうとすること自体は意識すればそこまで難しいことではありません。
知識や経験があることで円滑なコミュニケーションにつながる面はあるかと思いますが、ともに同じ空間でアートを楽しもうとする感覚が実際に穏やかで楽しい時間を創出するんだな、その気持ちはことラーの活動の中でも必要だし重要だな、と感じました。

ことラー同士、ことラーとマネージャーが交流する時間多めだった今回。
それぞれの考えを共有する時間の大切さを改めて実感できた回となりました。
次回は今年度のケア実践講座最終回となります。
改めてアートコミュニケーションとケアの関係を考えられる回に出来ればと思っています。

(こと!こと?かわさきプロジェクトマネージャー 財田翔悟)


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