見出し画像

基礎講座⑥/ことラボのはじめ方

6/23(日)、基礎講座も第6回目となり、いよいよ最終回です。この日のテーマは「ことラボのはじめ方」。これまで「きく力」「みる」「グッドミーティング」など、活動の基本となる価値観を共有してきましたが、その総集編として企画のブレストを通して学んでいきます。

講師は、東京藝術大学社会連携センター教授の伊藤達矢さんです。伊藤さんは芸術が持っている力を社会に届けていく活動として、東京都美術館と連携した「とびらプロジェクト」に立ち上げから10年間プロジェクトマネージャーとして携わり、現在は文化芸術機関や企業、医療福祉機関、自治体などが幅広く連携するプロジェクト「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」のプロジェクトリーダーをされています。

今日の講座は3〜4名のグループで進めていきます。1日の時間を共に過ごすために、今自分がどんなコンディションでここにいるか、を話してチェックインから始めました。このチェックインも、これからいいグループワークをするための大切なポイントです。

チェックインの後は、伊藤さんより、こと!こと?かわさきの背景にある「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」についてのお話しをします。これまでの講座の中でも「社会的処方」や「文化的処方」について共有してきましたが、ここで改めて目指していきたい少し未来の社会の姿について確認しました。

共創拠点では、社会とつながるのと同時に、自分と向き合う時間をバランスよく持つことで健康が保たれるのではないか、それには芸術や文化が有効にはたらくと期待しています。芸術や地域の取り組みを組み合わせた、その人がその人らしくいられるレジリエントな場所やクリエイティブな体験を文化的処方とし、地域社会の中に浸透させていこうとしています。

そこで今日の課題は、「文化的処方を提案してみよう!」です。

ここからのワークは、会議の4つの段階(共有→拡散→混沌→収束)をたどりながら、ことラーがこれから自分たちのアイデアから作る活動「ことラボ」を行っていくプロセスを共有していきます。重要なのは「ミッション先行ではなく、そこにいる人が全て式」という考え方です。

ワークは大まかに以下の流れで進んでいきます。

  1. 個人で「好きなこと」「得意なこと」「すべきこと」をそれぞれ付箋に書き出します

  2. 付箋をグループで共有・整理し、「私の」アイデアから「私たちの」アイデアとしていきます

  3. 付箋を取捨選択し、そこにある素材で企画を考えます(冷蔵庫の中にあるものでメニューを考える要領で)

  4. グループで1人が企画の説明役として机に残り、それ以外のメンバーは他の机に移動し、自分以外のグループの企画に本気のアドバイスを送ったり、アイデアを足していきます

  5. 全員元の机に戻り、他のグループからもらったアドバイスも踏まえて企画をブラッシュアップします。

この日は、最後にグループの企画をポップにし、ベストプログラムに投票しあいました。
今回のベスト3の企画は「ことラー40人のおでかけ交換ノートin川崎」「五感で楽しむ1day trip」「生活はアートだ!Life is Art 私のすてられないモノ展」が選ばれました。どの企画もことラーの日常や気づきの中からアイデアが生まれたものでした。

最後に、ことラボの進め方として、あらためて「この指とまれ式」「そこにいる人が全て式」「解散の設定」の3つのプロセスを確認しました。
ことラボでは、誰か1人がアイデアを差し出し(この指とまれ)、そこに3人集まったらことラボをスタートできます。お互いのアイデアや考えをきき合い、お互いのできることややってみたいことなど集まった理由を知り合い、それらが重なり合ったところでアイデアを膨らませていこう、というのが「この指とまれ式」と「そこにいる人が全て式」です。また、何かアイデアが生まれたときに、それを実現するために外から資源を持ってくるのではなく、自分たちがすでに手にしているリソースを使い企画にしていくことを大切にしていきます。話し手ときき手が入れ替わりながら、する/されるの関係性を超えて協働していくのがことラーのいいあり方だと思っています。
また、解散設定をすることで、続けることを目的化しない、ということも大事にしていきたいと思っています。もう少し続けてみたいと思ったときには、またこの指とまれをする。それが最初と同じ人でもいいし、別の人でもいい。そういった緩やかさが、ことラーの活動を活発に持続可能な形で展開していけるのではないかと思っています。

伊藤さんからのアドバイスとして、しっかり混沌する時間をつくり、選択肢を出し切ること。そうすれば収束に向かっていくことがしやすいとのことでした。
自分たちのアイデアを共有し、混沌できる場としてオンラインツールの「掲示板」を活用していきます。
最後に、掲示板の使い方について、プロジェクトマネージャーの財田さんより説明をしました。

6回の基礎講座を通じて、様々な角度からアートを介して人や場所やモノをつないでいく文化的処方を支える考え方を共有してきました。7月からは実践講座とプログラム、ことラボも始まります。
これからことラー40名それぞれが基礎講座での学びを糧に活動を広げ、それぞれの語り口でプロジェクトを育んでいきます。川崎のまちの中にも飛び出していきます!

(こと!こと?かわさきプロジェクトマネージャー 近藤乃梨子)

いいなと思ったら応援しよう!