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2024明治安田J1リーグ第28節ガンバ大阪対アビスパ福岡の個人的な見どころを紹介

今節が終わればリーグ戦は残り10試合
いよいよシーズン終了までのカウントダウンが始まっていく

今季のJ1リーグは混戦だ。首位町田が勝ち点53。ホームのG大阪はその勝ち点差「6」という4位に位置している
他力ではあるが十分に優勝を狙えるポジションで終盤を迎えようとしている

一方の福岡は勝ち点37と堅実に確実に積み上げを行い中位に位置をしている
現状残留争い18位に位置する磐田は勝ち点が28でその差は「10」
今季はこの残留争いが熾烈でもあるので、まずは早い時期での残留を確定させ、更なる上昇を目指したい
昨季の7位を上回るためにも、ここからのG大阪、神戸、町田と上位争いでしっかりと勝利を目指したい

G大阪は天皇杯から中2日でのホーム戦。そして、福岡はアウェイで迎える上位相手の一戦。好ゲームに期待しましょう

(J1リーグ 解説:橋本英郎さん・篠田善之さん リポーター:内藤朝佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/8/21時点)(リーグ戦のみ)

ガンバ大阪:13勝8分6敗 勝ち点47の4位  30得点 20失点(+10)(4位)

白熱した攻防だった。勝ち点差「1」で迎えた関西対決
G大阪は両サイドのウェルトンとファン・アラーノを配置。神戸戦で多くの得点を重ねてきた宇佐美も先発メンバーに名を連ねた

G大阪はトップ下に入った山田康太が高い技術を見せて、宇佐美との連携でゴールに迫る場面を見せた
神戸のサイド攻撃に苦慮する部分はあったものの粘り強く守り膠着状態に

その中でCKのこぼれ球に反応したファンアラーノがゴールを脅かす場面をつくった前半だった
このまま同点で折り返しかと思われた前半終了間際に、サイドからクロスをあげられて失点。ポストへの跳ね返りや、中谷の守備もあったが人数をかけた神戸の攻撃に失点を許してしまった

後半に入り、勢いを持ったのはG大阪だった。宇佐美がボールに関与する時間も増え、ピッチを広く使いながら攻撃を仕掛けていく
その宇佐美がセンターサークル付近からボールをコントロールして、最後は自らミドルシュートを放ち同点に追いついた
このままガンバペースかと思われたが、神戸も交代メンバーを起点に流れをつくっていく
すると、後半の39分に左サイドから佐々木、初瀬のコンビネーションで突破を試みると、最後は途中交代の宮代が復帰戦で貴重な勝ち越しゴールを挙げて2-1と神戸がリードを奪う
ただ、今季のガンバ大阪はこれでは終わらない。終盤に宇佐美のアウトサイドパス、坂本が粘ってシュートまで持ち込むと、前線に顔を出していた中谷がボールの軌道を変えてゴールネットを揺らす

土壇場で追いついたガンバが2-2として、アウェイで貴重な勝ち点1を積み上げた

J1リーグ神戸VSG大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

そして、先日水曜日に行われた天皇杯ラウンド16ではホームで湘南と対戦
立ち上がりに古巣対戦でもある奥野に先制を許すも、すぐさま山下が同点ゴールを決めて1-1に

ただ、湘南も鈴木章斗がゴールを奪い、再びリードを許す展開に
それでもガンバは鈴木徳真のセットプレーから福岡、中谷とCBコンビが頭で得点を決めて逆転に成功

神戸戦、湘南戦と先制を許すも引き分け、勝利としっかりと結果に繋げた一戦となった
次節は中2日とタフなスケジュールとなるが、その中でどんな戦いを見せてくれるか注目したい

天皇杯R16ガンバ大阪VS湘南(Jリーグ公式HPより引用)

アビスパ福岡:9勝10分8敗 勝ち点37の8位  26得点 26失点(9位)

札幌戦は2-2で終盤に勝ち越し、勝ち点3が見えたところで痛恨の失点があり悔しい引き分けに
そこからの再起を誓った一戦だった。札幌戦からはスタメンを3人入れ替えた(前 寛之、佐藤 凌我、ウェリントンはいずれも2試合ぶり)
繋ぐ新潟に対して、前線からのプレッシャーと攻守の切り替えでスピード感を持って攻め込みたい福岡だったが序盤から新潟が主導権を握る戦いを見せる

それでもCBの宮が体を張った守備や、GKの村上が冷静にシュートストップを見せて得点を許さない
なかなかプレッシャーがかからずチャンスをつくれない福岡は3-4-2-1から4-4-2にフォーメーションをスイッチ
ボールコントロールできるタイミングも増えて、ゴールに迫る場面を見せるも得点には至らずに粘って前半は0-0で凌いだ格好となった

後半に入り、CBの井上に代えて前嶋が約3か月ぶりにリーグ戦のピッチへ立った
選手交代で流れを変えたかったが、後半の立ち上がりに新潟がロングボールから抜け出した谷口が冷静にゴールネットを揺らし先制に成功。新潟が待望の先制点を挙げた

1点を追う福岡はザヘディを投入し前線にウェリントン、ザヘディと強力な2TOPを配置。ロングボールを中心に押し込む時間帯をつくるも1点が遠く、最終的には0-1の敗戦と6試合ぶりの勝利とはならなかった

長谷部監督も「難しい試合だった」と語るように上手くいかなかった部分もあった一戦だったが、フォーメーションの変更を含めて、最後まで戦う姿勢を見せた。また、前嶋の復帰もチームにとってはプラスの材料となる

今節は中6日とアウェイ戦とはなるが、リフレッシュした状態で7試合ぶりの勝ち点3を目指したい

J1リーグ福岡VS新潟の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去のリーグ戦ではガンバ大阪が15勝、福岡が8勝、引き分けが4つとなっている

今季は5/3に対戦し1-0でアビスパ福岡が勝利(得点者 福岡:シャハブ・ザヘディ)

昨季のリーグ戦、G大阪のホームでは1-2で福岡が勝利(G大阪:クォンギョンオン 福岡:山岸・ルキアン)
福岡のホームでは1-2でガンバが勝利(福岡:山岸が得点 ガンバ:アラーノ・三浦が得点)

昨季はG大阪・アビスパ福岡がそれぞれアウェイで1勝という結果だった。ガンバは対福岡戦、リーグ戦は連敗中
特にホームでは最後に勝利したのは2013年の8月11日と10年以上勝利なし

福岡は対ガンバ戦は連勝中。ガンバのアウェイ戦は4試合負けなし(2勝2分)

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手
ガンバ大阪:宇佐美が2得点、倉田、ファンアラーノ、福田、三浦が得点を記録
アビスパ福岡:シャハブ・ザヘディが得点を記録

■古巣対戦
なし

古巣対戦自体はないが、過去一緒に別のチームでプレーした経験がある選手は多い

山下と佐藤は東京Vで共にプレー(2020-21)特に2021年はお互いに良い活躍を残している
また、GKの一森と村上は山口で2015-16共にプレーをしてお互いに高めあった
他にも松田と永石はC大阪で、中野は宮や金森と鳥栖でプレー
岸本は松岡と清水で共にプレーするなど共通点も多い

先日練習で笑顔を見せていた福田は福岡出身でもあり、小田・佐藤とは東福岡での先輩後輩にもあたる

ピッチ上でそうした邂逅を見る事ができるかもしれない。そうした点も楽しみにしたいポイントの1つだ

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

ガンバ大阪:13勝8分6敗 勝ち点47の4位  30得点 20失点(+10)

先制試合:13試合 11勝1分1敗(5節広島戦は追いつかれる。21節町田戦は逆転負け。※退場有)
先制された試合:9試合 2勝2分5敗(8節鳥栖戦、15節川崎戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:6節京都戦、14節東京V戦、20節の鹿島戦、25節FC東京、26節柏戦の5試合

ホーム:8勝2分3敗 勝ち点26  19得点 11失点 得失点+8
アウェイ:5勝6分3敗 勝ち点21 11得点 9失点 得失点+2

リーグ戦では12名が得点(宇佐美9得点、坂本4得点、ウェルトン3得点、中谷2得点、ジェバリ・山田・ダワンが2得点、アラーノ・岸本・三浦・倉田・福岡が得点を記録)

複数得点:9試合 
複数失点:4試合
無失点:12試合
無得点:8試合

<得点>前半12得点 後半に18得点 
<失点>前半は7失点 後半13失点

今季は30得点中セットプレーでの得点は11点の36.7%。FKで4得点、CK起点で3得点を記録
※セットプレーは宇佐美が起点。神戸戦では鈴木徳真がOGを誘発
20失点中セットプレーからの失点6で割合は30%(CKで1失点、PKで3失点など)
しかしながら天皇杯の湘南戦では鈴木徳真のセットプレーから得点を記録。今季リーグ戦では宇佐美がメインのセットプレーだが、ここにバリエーションが出ればより脅威になるはず

アビスパ福岡:9勝10分8敗 勝ち点37の8位  26得点 26失点
先制試合:13試合 9勝3分1敗(5節浦和戦のみ逆転負け)
先制された試合:10試合 3分7敗(9節磐田戦、12節川崎戦,25節湘南戦は同点に追いつく)
スコアレスドロー:開幕節札幌戦、7節名古屋戦、10節東京V戦、19節町田戦と4度

ホーム: 4勝5分5敗 勝ち点17 13得点  16失点 得失点-3
アウェイ: 5勝5分3敗 勝ち点20 13得点  10失点 得失点+3

リーグ戦では10名が得点(シャハブ ザヘディが9得点、紺野4得点、ウェリントン3得点、田代・佐藤が2得点、重見・松岡・亀川・前・小田が得点を記録)

複数得点:7試合  
複数失点:7試合 
無失点:10試合 
無得点:9試合

<得点>前半に11得点 後半に15得点   
<失点>前半は9失点 後半は17失点
後半の立ち上がりに5得点と割合が高い。後半アディショナルタイムに4失点とクローズも集中したい

26得点中セットプレーでの得点は7点の26.9%。紺野・北島のCKや前の直接FKも
26失点中セットプレーからの失点は5で割合は19.2%(CKとPKから2失点等)
セットプレーからの失点は少なく固いのが福岡の強みの1つ

そしてザヘディとウェリントンの2人は強力な前線のターゲットになっている。今季得点は26得点と決して高い数値ではないが、ヘディングでの得点が8得点を占めるなど空中戦の強さは1つの武器
セットプレーからこの点を活かして先制点を奪い優位に立ちたい

個人的な見どころ

前回の対戦はGWの5/3に福岡のホームで行われた

ザヘディの約70メートル近くのロングシュートで福岡が先制。
G大阪も坂本が果敢にゴールを狙う場面もあったが得点を奪えず1-0で福岡が5試合ぶりの勝利を飾った一戦だった

G大阪はこの福岡とのアウェイ戦敗戦後は現状アウェイ戦負けなし。今季最後のアウェイ戦敗戦が福岡戦となっている
福岡はこの試合の前までは4試合続けて引き分けという結果だったが、5試合ぶりの勝利を手にして順位を1桁まで上昇させた

G大阪は勝利すれば他チームの結果次第だが2位まで、アビスパ福岡は6位まで順位向上が狙える一戦だ
それだけ今季のJ1リーグは勝ち点が詰まってきている
一方で引き分けや敗戦で勝ち点の積み上げが少ないと一気に順位が入れ替わる可能性もある
今節含めて残り11試合。ここからは目標に向かってどのように戦うかは非常に重要な意味を持つ

試合の個人的な注目ポイントは3つ

①G大阪は天皇杯からのメンバー編成
②福岡は前線のてこ入れはあるか?ゴールまでの道筋に注目
③得点を取りたい両チーム。ボール奪取からの展開で仕留めきれるか

①G大阪は天皇杯からのメンバー編成
G大阪は天皇杯はリーグ戦から6人メンバーを変更。一方で一森、中谷、福岡、鈴木、山田は連戦となった
今節はウェルトンが累積警告出場停止のため出場はできない
とはいえ、山下が天皇杯で今季2得点目を奪い、ネタラヴィも落ち着きのあるプレーを見せ、何より坂本は非常にキレのある動きを見せていた
ケガ人も少しづづ戻ってきている中で、中2日の連戦をどうマネジメントしていくかは注目したい

ガンバから見ると、神戸戦で負傷したように見えたダワンが早期で復帰している部分はホッとした部分のはず。一方でジェバリが負傷というコメントもあっただけに、前線のプレーヤーの奮起は必要になる
新加入の林はコンディション調整も伴い実践復帰はまだ少し先になる見通しだけに、天皇杯では守備面で特に奮闘した食野や、今季なかなか出場機会のないプレーヤーたちがベンチからでも出番を伺いたい


②福岡は前線のてこ入れはあるか?ゴールまでの道筋に注目

福岡は前線ザヘディがサブからのスタートで前線はウェリントンの1TOPからスタートした。とはいえ、プレスの部分ではまらずに途中で4バックにするなど試行錯誤を行いつつも、多くの決定機をつくることができなかった

新加入のベンカリファに最終ラインで奮闘していた奈良や7月途中から離脱しているグローリー、そしてサイドでは湯澤と各ポジションで存在感を出していたプレーヤーの離脱もある中で、井上の奮起や前節復帰した前嶋の存在も非常に大きい

とはいえ直近5試合の得点は「3点」内1点はPK
そして試合終盤となる後半のアディショナルタイムに2点が記録されている
終盤に得点を奪う事ももちろん重要ではあるが、欲しいのはやはり先制ゴールだ
札幌戦では5試合ぶりの先制点を奪い、結果は追いつかれての引き分けではあるが勝ち点を積み上げた
5節の浦和戦で逆転負けは喫しているものの、今季の9勝は全て先制試合。しっかりと主導権を握って、固い守りで勝ち切りたい

前線の高さで上回れる点は福岡のストロングでもある。両サイドのからのクロスや、前線の選手たちが起点となって、佐藤や紺野といったテクニックのある選手たちでゴールに迫る場面をより多く見せたい

G大阪は新潟程ではないが、ボールをコントロールしながら攻め込むチームだ。だからこそ、良いプレッシャーから奪って、その後の展開をより高い共通意識で前線に向けていきたい

③得点を取りたい両チーム。ボール奪取からの展開で仕留めきれるか

クリーンシートの数は今季リーグ戦で見るとガンバが12試合でリーグ2位。そして福岡が10試合でリーグ3位タイとなっている

どちらも守備は固いチームだ。だからこそ、そこをどのようにこじ開けていくかは重要になってくる

両チーム、もう1つの特徴に「ボール奪取」がある
福岡は1試合あたりのタックル数が1試合平均17.9回でリーグ3位
ボールを奪ってからのショートカウンターやそこからの起点で得点を奪う場面もある
中盤の松岡、前はどちらもハードワークができて守備範囲も広く、攻守の切り替えも担えるプレーヤーだ。福岡は奪ってから、効果的な攻撃に繋げる事ができるかが重要になる

一方のガンバはタックル数の1試合平均数は15.0回でリーグで15番目の水準だ
ただ、タックル成功率で見ると68.6%でリーグ2位と優秀な数字を記録している
その中心を担っているのが鈴木徳真だ。タックル総数、そして成功率ともチーム内ではトップを記録(総数55回で成功率80%)している
ダワンと共に中盤を構成している鈴木は非常にインテリジェンスも高く、気が利くプレーヤーの1人だ

得点を取るのは前線に位置する選手の可能性が高いが、そこに至るまでのプロセスとして、特にガンバはダワンや鈴木。福岡は前や松岡といったハードワークできるプレーヤーに注目をしたい

その中でガンバは連戦となるだけに、ネタラヴィや山田康太、坂本といった選手たちのプレーにも期待がかかる。

夏場のナイトゲーム。台風は恐らく影響は受けないが、蒸し暑くタフなコンディションの試合が予想される。その中で怪我なく、素晴らしい好ゲームに期待しましょう

今節はピックアップマッチに選出されており、MCのハリー杉山さんも含めてゲームを盛り上げてくれます。お時間のある方は是非DAZNや現地にてお楽しみください!

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