琴平で自分の店を持つようになるまで「雑貨&Cafeひふみ」
琴電琴平駅から徒歩2、3分ほどの神明町筋に雑貨店を構える店主ノアさんは、6年前に転勤で都内から琴平に移ってきました。琴平にある店舗の運営を任されたのです。
生まれは東京葛飾で、お母さんの実家である九州までの道のりにある四国は「通り道」で、滞在することはありませんでした。
仕事がご縁となり、はじめて訪れた土地の琴平に、どうやって馴染んで、どうやって自分の店をもつまでになったのか、その経緯を伺いました。
琴平に移住を決めた理由
転勤に従って訪れた町とはいえ、深い縁を感じたとノアさんは言います。象頭山を臨む場所で、ゆったりとした暮らしがとてもしっくりきたのです。
東京での暮らしは、スピードスピードスピード。効率よくお金を稼いでいかなくてはなりません。住居費が高いので、住む場所のために働いているような感覚になることもありました。
その点、琴平ではそれほどスピードが要求される場面は多くはありません。そして、そのゆとりがあるからか、自分の感情をしっかり感じ取ることができます。
嬉しく感じたことも腹が立ったことも、誤魔化してやり過ごしたり、最初からなかったことにしていくのではなく、その場で立ち止まって自分を見つめ直せるのです。
そうして自分を開放できる場所だと感じられたことが、琴平を好きになった理由のひとつです。
この土地で仕事をさせていただくうちに、たくさんのご縁が広がり、空き店舗のご紹介もいただいて自分の店をもつことができました。
地元の人からの信頼を獲得する秘訣
田舎暮らしで話題によくあげられているように、人間関係は密で狭くなります。当然、その関係性を大切にすることが必要です。
外部から来た人にはわかりにくいことですが、目の前に見えているコミュニティの状態や、人間関係は、その土地で長く醸成されてきたものでもあります。
それを知らずに、物事の一端をみて全体が見えていない状況で軽々しく判断して物申すのはよくありません。
ノアさんが心がけているのは、まずその土地の人の歴史や流儀を知るということ。「教えてください」という姿勢を徹底してきました。
そうして、少しずつ地域の人々の信頼を獲得していきました。
都会と違い、店舗を借りたいとお金だけを積んでも、どうにもならないことがあります。
いくらシャッター商店街になっていても、大家さんが貸す気がないという理由で借りられる店舗が限られているということも発生しがちです。
そんな中、「あなたになら貸してもいい」と言われるには、少し時間がかかることなのかもしれません。
けれど難しく考える必要はなく、誠意をもって人と接する普通のことができていれば大丈夫。
地元に根差して、じっくり商売を続けていく気持ちを示すことも大切になってくるでしょう。
お店の紹介
天然石で作ったアクセサリーをはじめ、麻や藍など天然の素材を使ったデザイナーさん手作りの素敵な作品が並んでいます。
ノアさんが琴平に来てから繋がった方々が、信頼して委託をしているのです。
明るい店内で、作品ひとつひとつが存在感を放ち、見ているだけでも気持ちがよくなってきます。
カフェスペースもあり、美味しいコーヒーや地域特産の珍しいお茶も淹れていただけます。
お茶を飲みながら、色々なことを話されることが多いそう。
ノアさんはカウンセリングもされているので、「ちょっと話しを聞いてほしい」と訪れる人もいらっしゃるのだとか。
悩みの根本を違った角度から、光を当てて違った見方ができるようになれると評判です。
これから琴平で叶えていきたいこと
年齢や肩書き、性別などで人と対するのではなく、そんな垣根を取っ払って、心と心で通じ合う人間同士の繋がりをつくっていきたいと考えています。
「ひふみ」は、それができる場所。
あのお店に行ったら、若い人ばかり、もしくはお金持っていそうな人ばかり、年齢が高い人ばかり、というような区別をしたくありません。
「あそこにいけば、普段と違う人に会える場所」「心地がよいと感じられる人に会える場所」になれば、人生にもっと選択肢が広がり豊かになっていくと思います。
琴平町は、いわずとしれたこんぴらさんの門前町です。旅行者の方がゆったり楽しめるようにお迎えする必要があります。町内に住む人が仲良く協力して、和やかな空気で多くのお客様を迎えられるようにしたいのです。
旅行者だけでなく、住む人も、琴平の山を愛して繋がっていく人たちを増やしたい。
人がプラスのエネルギーで繋がっていくための、場所を提供したいと考えています。
詳細情報
店主ノアさんのページ
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