腎移植①　112AM91

kotodas

A さん（47 歳、男性、会社員）は妻と 2 人暮らしで、自宅の室内で犬を飼っている。15 年前に慢性糸球体腎炎（chronic glomerulonephritis）と診断され、徐々に腎機能低下が認められたので、2 年前から慢性腎不全（chronic renal failure）のため血液透析療法を週3 回受けている。今回、弟から腎臓の提供の申し出があり、生体腎移植の目的で入院した。入院 3 日、A さんの生体腎移植手術は予定通り終了した。

Aさんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。
1.尿量
2.血糖値
3.白血球数
4.シャント音

正解　1

解説

Aさんは生体腎移植手術を受けたため、手術直後の観察項目としての優先度は、新しい腎臓の機能や手術の成果を評価するものが高くなります。

  1. 尿量 - 腎臓は尿の産生に関与しており、新しい腎臓が正常に機能しているかどうかを示す重要な指標です。手術直後に尿量の観察は、移植腎の適応や機能を評価するための基本的な項目となります。

  2. 血糖値 - 腎臓移植の手術直後の血糖値は、術後の全般的な体の状態や合併症の有無を評価するための一つの指標となりますが、特に腎移植と直接関係するものではありません。

  3. 白血球数 - 白血球数は感染や炎症の指標となりますが、手術直後の初期段階では移植腎の機能を評価する指標としては尿量がより優先されます。

  4. シャント音 - シャント音は血液透析を受ける際のアクセス（シャント）に関連するものです。Aさんは移植手術を受けたので、透析の必要がなくなる可能性が高いため、この時点でのシャント音の観察は優先度が低いと考えられます。

したがって、Aさんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのは「1. 尿量」です。