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幸せな暮らし図鑑
兄弟の家に行った。
私の生活と比べると、兄はかなり豪邸に住んでいるし、優しくて賢くて素敵な奥さんと生活していて、本当に絵に描いたような幸せな生活をしている。本人達にはもちろん本人達にしかわからない苦労や努力があるのはわかっているんだけど、あまりの素敵さと、兄夫婦2人の優しくて、穏やかで、ほんわかとした居心地の良い雰囲気に、嫉妬心なんて一切出てこなくて、ただただ「楽しい〜〜〜!」と思ってのんびり過ごさせてもらった。
幸せな家というのは、家に着いた時から「この家は幸せな家だ」とわかる。
突然スピリチュアルなことを言うなと言われそうだけど、幸せというのはとどのつまり「人間の状態」なので、幸せな人間から溢れ出すオーラというのは空間そのものを良いものにしてくれる。
幸せな人間は、部屋を綺麗に使う。
ゴミをちゃんと捨てる。
シンクに物を溜めない。
みたいな、なんとなーくの共通ルールがあって、
その上でみんなそれぞれの「幸せルール」が運用されている。
例えば、猫好きな夫婦なら猫中心の生活を、
お互い趣味があるならそれを尊重した生活を、
お互いが譲り合ったり、話し合ったりして、調和の取れたリズムが家に流れているように思う。
幸せな家は、どこも大体似ている。
100組あったら100組が大体同じような幸せがある。
でも、不幸な家はそれぞれの形で不幸だ。
100組みあったら100通りの不幸があるように感じる。
それが本当がどうかはわからない、私の感じた感想だから。でも、どういうわけか、幸せな家というのはとにかく似ている。初めて訪れた人間でも余裕で昼寝できてしまう。安心とか安全はある程度目に見えるし、何にも考えてない人にもそういうのはちゃんと伝わる。とりわけ私のような多動で情緒が暴れん坊の女にとって、あの家はマイナスイオンの溢れ出る滝みたいなパワースポットだと感じた。
兄夫婦の近くにいると、いつも漠然と優しい気持ちになれる。だから大好きだ。2人のあの穏やかで落ち着いてる雰囲気は私の憧れで、もし万が一また誰かと結婚したり、一緒に生活することがあるなら、2人のようになれたらいいなと心から思う。
自分の両親も仲が良いので、毎日かなりマイルドで楽しそうだけど、兄夫婦はその令和版って感じ。令和版ムーミン谷。春になると行きたくなるスポットNo. 1。たまらなく心地よい空気が流れている。
ケーキを買って行ったら、兄が綺麗に切って出してくれた。紅茶を淹れてくれて、みんなで食べて、おしゃべりしてて、気がついたらさっきケーキが乗っていたお皿は下げられて洗われており、え、なに?マジック?!?!と思ったら、兄が片付けてくれてただけだった。
私がピーチクパーチク喋っている間、兄はケーキを切り、紅茶を入れ、食べ終わった皿を下げて自分で洗い、紅茶のおかわりを持ってきて、話の相槌を打ちながら加湿器に水を足し、旅行の話になればタブレットをテレビに繋いで大画面で写真を見せてくれて、仕事の話になれば最近やった仕事のわかりやすい物を、わかりやすい形で説明してくれるのだ。
なんだこいつは、スーパーマンか?
奥さんは私や私の両親の相手をしてくれており、ピーチクパーチク喋っている者達の話をうんうん、それでそれで?と優しく聞いてくれる。
なに?愛か??愛がすごいのか???
居心地が良過ぎる。2人ともすごく優しいし、言葉も話も面白くてユーモアがあって、ゆとりがある。そう、ゆとりがある。
安定しており、ゆとりがある!
これが幸せな家だと感じる正体かも。
本当は毎日忙しいんだと思うけど、人の話を聞く時のあの穏やかで優しい波長、ゆとりがあると感じるし、それがすごく優しいと感じる。
せかせかしていない。この人達は、もしも庭に隕石が落ちてきたり、突然勢いよく温泉が湧き出しても、ぎゃーぎゃーぴーぴーわめいたりしないんだよ多分。「わぁ、すごいねぇ!」と笑って動画を撮りながら、適切な場所に適切な連絡をしてそう。こういうのが「安心」の正体だと思う。
このうちの、子供になりて〜〜〜!!!泣
犬でも良い。私が犬になるから飼って欲しい。毎日いっぱい尻尾振るし、白目むいた寝顔で2人のこと笑わせたい。
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