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介護施設のトイレアナウンス

9時から16時半までの間、

着いてすぐに1回、
お昼前に1回、
昼食後に1回、
おやつ前に1回、
帰る前に1回、

「お手洗いよかったですか?」と声をかける。

約2時間に1回。

どうだろう、ぼくは2時間おきにトイレにいくだろうか。年齢差があるから膀胱の塩梅も違うから。

ぼくはコーヒーを1日4杯くらい飲むもんだから、2時間に1回では済まない。ぼくの膀胱はジジイ化してるのだろうか。それとも利尿作用の思うツボなのか。2時間に1回では済まない。

介護スタッフが利用者さんに「トイレアナウンス」をするのは、表の目的と裏の目的がある。

表向きは「トイレで排泄することの大切さを守りたい」から。
便意・尿意を感じない人・リハビリパンツを履いている方が多い介護施設・ぼくが勤めているデイサービスでは、自らの意思でトイレに行けない方もいる。
トイレアナウンスをしない場合、リハビリパンツの容量がMAXを越えた時、お風呂のお湯は湯船から溢れ出し脱衣所を水浸しにするわけだ。
そうなると、特殊な訓練を受けた介護スタッフでさえたじろぐ。
「ちょ!座っちゃだめ!ちょ!立って!」不協和音のオクラホマミキサーが流れ、椅子取られゲームがはじまるのである。(これは経験によるところは大きいが)

「ボヤ騒ぎでもあったんか!」くらい慌てふためく介護スタッフ。その輪の中心には利用者さんがいる。放火魔じゃないんだから。

当然利用者さんの心には、暗い影が落ちることもある。そうならないために「アテンションプリーズ!」として、乗客を守るのである。これは表向き。

裏の理由としては後処理の問題だ。
トイレでできなかった場合、リハビリパンツ内にしていたとしても着替えしたり、汚染していればシャワーで洗い流さなくてはいけない。
だいたいそんな時は午後が多い。午前中、お風呂に入って綺麗にした後のことが多い。
送迎の車に乗っているときも後処理が大変になる。怒られるのを承知で書くが、バキュームカーの内側に乗っていると想像してみてほしい。
乗客はひとりじゃない。アトラクションの名前はどうしたらいいと思う?

「NO LIMIT!」

表の理由と裏の理由、それらをひっくるめた回数が1日5回のアナウンスの理由だ。

いきたい時のトイレじゃないかもしれないが、
利用者さんも介護スタッフも、どちらも守る行為だから許してくれ。

ここで突然の大喜利だ。

トイレに行ったはいいけど、排泄がなかった時の変な間に名前をつけてください。

「冷静と情熱のあいだ」

とだけ答えておこう。

ぼくらの正義のためにいっておくが、
もちろん表の理由を大事にしている。

※同業者のみなさん、異論・反論お待ちしています。お手柔らかにお願いします。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。