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休みの日はおじさんの家に訪問する介護職員

「おい。家で待ってるんだけどいつ来るんだ」

いやいや、そんな約束はしてないのよ

いとこのおじさんから電話がかかってきてね、お前、俺との約束忘れてないか?みたいな、部下のミスを外堀から攻めていくような上司のテンションでさ。

いとこのおじさんはパーキンソン病でワンツースリーの要介護3。このエッセイの主演男優として君臨している、あのおじさんね。

ぎゅるるるるぅ〜
時をもどそう(ぺこぱ)

「あのさ、パソコンの中の写真を整理したいんだけど、やり方おしえてくれんか?」

「ん?パソコンの?ちょっと電話越しではわからんから、直接行かないとわからんかも」

「いつ来れる?」

「ん〜とね、次の火曜なら行けるから。昼頃どう?」

「火曜な、わかった。おーい!火曜ってなんもないよな?(おばさんに予定を確認中)火曜な。わかった。待ってまーす〜ブチッツーツー

要件を伝えるとそっけなく電話は切れてだね、

おうおう、ぼくの休みはほとんど潰れたようなもんだぜ!ってなもんで。

はい、パソコン関連で呼び出されること累計10回以上ドモホルンリンクルでも断られるよ(いや、しらんけど)。
毎回要件は同じ。同じ要件を解決しておじさんの家を後にするのだけれども、進捗は一切なくむしろ「画面が突然真っ黒になった(明るさをいじったらしい)」とか「デスクトップのフォルダが巨大化した(設定で少し大きくなる)」なんて、後退してるのね。

ぼくがホームページ制作の仕事をしていたことが、お呼びがかかる理由。それと、息子に頼むと「もう!パソコン触らなくていい!」って怒られるらしい。

ぼくは優しいんだって。いやいや、たまにだからね。毎日言われたら万力でパソコンを挟んで締め上げているかもしれない全体重をかけてギリギリと。いや、しないけど。

毎回行くたびに、だいぶ型落ちしたノートバソコンと格闘がはじまるのね。

もう、人のパソコン触るほど嫌なものはないよね。ましてやぼくはmacを使ってるものだからWindowsが苦手で。

「ああ、これは素人では無理かも。プロに頼むか買い換えた方がいいかもね〜」なんて、逃げてきたこともある。(ごめんなさい)

問題はね、パソコンを直すことじゃないのよ。まず話を聞くってことが大切なのよ。(ほんまか?お前の勝手な解釈だろう)

あと前に書いたことあったけど、おじさんのブラウザのブックマークに「あだると」というショートカットあったのね。見てみないふりしたけど、平仮名で「あだると」って書いてあった。どこ震わしとんねん。(これは行き過ぎたツッコミですが、身内なのでお許しください。)

そうして、火曜日におじさんの家に行くことになっているのよ。

ぼくとしてはね、なるべく直接的な介護ってしないようにしたいのね。

というのは、おじさんを取り巻く環境にいろんな人が関わってほしいと思うから。

おばさんだったり、デイサービスだったり訪問看護やリハビリやら。うちの母親はおばさんの妹で姉妹なんだけど、ちょいちょい様子を見に行ってくれるようになったし。

介護ってひとりではできないから。ましてやおばさんももう、80近いわけで老老介護世帯だからさ、何かあった時に連絡できる箇所はできるだけ多い方がいい

だからぼくは直接的な介護を避けて、人をつなぐような動きをしたいのよ。

でも、パソコンに関しては、ぼくの役割かなぁと思う。

でもこうして様子を見に行くたびに、ネタができるわけで。

おじさん大丈夫。エロい画像があったらぼくがこっそり持ち帰ってあげるから。そして墓場までもっていくし、なんなら現像して棺桶にぶち込んでファイヤーさせてあげるから。

つーことでおじさん、火曜日ね!
か・よ・う・び

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。