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転んだら転んだで「それもぉまたぁ〜人生ぃ〜」

どうもー、手が冷たすぎて入浴介助の時に「冷た!」とビックリされてしまう、ひさしというものなんですけども。
デイサービスで介護職員をしておりますどもね。頑張っていかなかんなぁ〜いうとりますけども。

ひとりで歩くとあぶないので、椅子に座っててほしい。まぁ、立ち上がってひとりで歩こうとするんですけどね。

介護のあるあるですね。在宅介護でも介護施設でも、介護している人間は強豪バレー部の練習ように左右に揺さぶられてね。

当の本人はというと「何が危ないの?」みたいなね「え?プリン食べたのわたしじゃないよ」みたいな、しらを切り通した天然をかますんですがね。

ぼくのいとこのおじさんはパーキンソンなんですけどね、まぁ家の中でよく転ぶんですよ。
前傾でね、つま先を擦って歩くもんだから、コピー用紙一枚の厚さでも転ぶんじゃないかってくらい危なっかしい。
なんつーんだろ、あの自分で背中のツボを押す湾曲した鉄の棒あるじゃないですか。え?なんつーんだろ、ハート型の半分みたいな形の。わかります?

「え?その姿勢でバランス保てるんだ!」って、いつも思うんですけどね。一人で歩くんですよ。ずぅっずぅっずぅっっと。

介護してるおばさんもはもう慣れてて、家の中ではほったらかし。んなもん、動く度に見守りしてたら身が持たないよね。おちおちトイレすら行けない。

転んだら転んだで「それもぉまたぁ〜人生ぃ〜」

そんな感じで放任主義。おじさんは転びすぎてスネが松崎しげるぐらい真っ黒なんだけど。言ったところで聞きゃーしないんだと。

さすがに介護施設ではそうはいかないですけどね。でも「座っててね」とはなるべく言わないで「一緒に歩きましょうか」って言うことにしてますね。どうしてもね、見守りの人員がいない時は「少しお待ちいただいていいですか?」って言うようにしてます。

運転免許もってて「車乗るなって」言う方が不自然ですから。免許とり上げるってことがどういうことか。

転倒は自己責任でいいのかなぁ〜って、たまに思います。怒られるかなぁ。転倒事故っていうけど、運転してるの本人だからなぁ。それも本人の意思であってその人の人生であって。たとえ認知症だったとしてもね。

転んで痛いのはできるだけ避けたいけど、椅子に座ってるだけの人生ならば、転んだ方がましだったりしないですかね。わかんねーよなぁ。こればっかりは自分も歳をとってみないと。だって立ち上がるほどの、自分を突き動かす何かがあるわけでしょ。それは未来に向かっているわけじゃないですか。

ね、その先には、ね。

あ、トイレか。
あ、タバコ吸いにいくのか。
あ。おやつをつまみ食いしにいくのか。

じゃぁ、付き添う必要があるかもなぁ。

きょうも1日、お疲れ様でごぜーやした。

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介護エッセイ元お笑い芸人@のざき寿(ひさし)
介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。