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目を閉じて〜何も見えず〜
目を閉じてご飯を食べてみる。
お皿の位置がわからない。
箸先が今、どこのなんの食材に触れているかもわからない。
箸でつまんでみた。
箸は見事に空を切って、口に運ぶものは何もない。クレーンゲームでアームが景品にかすりもしないあの徒労感に似ている。
あまりにそのことが続くと、次第に空腹感がなくなっていく。
もしかするとその人は、そうして次第に食欲を失っていき痩せ細っていったのかも知れない。
どうも〜。「ひさし」と言いまして、デイサービスで介護職員をしているものなんですけども。頑張っていかなかんなぁ〜いうとりますけども。
さて、
何をしているのかというと、
全盲の方の食事を疑似体験しようと思って、夕ご飯を目を閉じて食べていたんです。
途中で目を開けてしましました。結局半分も食べれずに目を開けてしまったんです。
「食べるのが、めんどくせぇ」という感想でした。ぼくは。
味どうこうよりも先に、食べ物を口に運ぶことがめんどくさい。食べ物を掴むことに意識と神経を使っているので、食事が味どうのこうのと楽しめない。
今日はですね、勤めているデイサービスで研修がありまして、
最近、全盲の方の利用が始まりましてですね、
支援についての注意点だったり「そもそも目が見えないってどういうこと?」ということからディスカションが始まりました。
ごっつ怖いですよね。
ごっつ不安ですよ。
ごっつ寂しいかも。
めっちゃ鋭いかも。
えげつない敏感かも。
スーパー遠慮してるかも。
会話は普通にできる方だったので、いろいろお話を聞きながらケアの方法を工夫していこうって方向ですが、
目の見えない方にも、先天性と後天性がありまして、
知ってる世界が見なくなるのと、
そもそもその世界すら見たことがないというのと、
鏡に映った自分すら見たことがないとすると、
色も形も模様も、頭の中で描かれる実態というか概念はどんな感じなのか。
そんなことを考えながら夕ご飯を食べていたらですね、
おかずが冷え冷えになっていました。
ぜひあなたも、
目を閉じてご飯を食べてみてください。
そして目を閉じてお風呂に入ってみてください。
階段を登り2階の部屋まで辿り着いてください。
絶対に、1回も目を開けてはいけませんよ。
介護って、ほんとにいろんなことを考えさせられます。
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