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介護計画書に目標がきちんと書いてあんねんから
どうも〜、利用者さんに「あんた手が冷たいね!」といわれる「ひさし」というものなんですけども。
デイサービスで介護職員をしておりまして、頑張っていかなかんなぁ〜言うとりますけども。
さて、
介護って、介護する人によって優先するケアの価値観やクセがあるなぁ。っていう話なんですけども。
デイサービスやなんかだと、個別支援計画書(通所介護計画書)ってのがありましてね、施設の生活相談員や介護福祉士が作成するですけどね。
利用者さんに合わせた目標設定やケアの方針を文書化したものです。
たとえば「レクリエーションを通じて生活に必要な運動機能を維持する」みたいな大目標に対して、具体的な活動内容を考えていくものです。
長期・短期の効果測定のポイント(マイルストーン)を設定して、目標の達成率を管理していくこともします。モニタリングと言いますが、
「レクリエーションに参加した回数」「自立した日常生活動作(着替え・トイレなど)」、数値化できることを記録したりもします。(なかなかそこまではできないけども)
要するに、一般の会社でも行われている目標管理みたいなことですね。人間て、目標や未来・夢に向かって歩いた方が自発的になれると思いますし。
なので目標の設定は利用者さんと話し合って、同意を得た上で作り上げていくことが基本です。
介護って、コーチングスキルやマネジメントの知識も必要なんですね。
「痛みなく最後を迎えたい」
こんな目標でもいいんです。実際にはないですけども。これをポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかは置いておきますが、
そうなると、長期的な目標・短期的な目標はなんでしょうか?それを達成するための手段・方法はなんでしょうか。課題はなんでしょうか。
転倒しないように足腰を鍛えておくとか。
塩分・糖質の多い食事は気をつけ、野菜をしっかり食べるとか。
身辺整理も課題に上がってくるかもしれません。
そうした習慣を身につけることが、長期の目標になってくるかもしれませんね。
「90歳でハリウッドスターになる」
こんな目標でもいいわけです。
目標って達成することが目標ではなくて、その一歩を踏み出したかどうかに価値があるでしょ。そうっすよね。そうだよね。
演技の練習のために、毎回映画を一本観るでもよし。
演技の練習に「入浴拒否」をしてみるでもよし。
役作りのために体重を絞るでもいい。
女装してみるのもいいかもしれない。
レクリエーションで芝居してもいい。
楽しけりゃいい。やる気になってくれればいい。
パーキンソンのいとこのおじさんは、旅行の為にリハビリを頑張っていました。
ということで、利用者さんに応じて目標やケアの方針はきまっているのですね。
なのに、
介護者によってケアのバラつきが出ます。
それはですね、介護者の価値観や視点・知識や経験が人によって違うからです。当たり前の話っちゃぁ〜、当たり前なんですが、
ある介護スタッフ(50)は、
「わたしも同じとしの母親を介護してたんだけどね、精一杯身の回りのことをしてあげられなくてね…」
そうですかぁ。それはそれは、
「〇〇さん、しんどくない?寒く無い?疲れた?横になる?」
まぁずっとマンツーマンでケアしてるわけですね。その光景・世界たるや暖かくて和む。でも、他の利用者さんもいるわけでね。そっちも見て欲しい。振り向いてほしい。あなたに。
こーゆー人間模様というか、いろんな人の価値観に触れるってことが介護現場の面白いところであるんですね。
なんやろ?映画や小説のような、伏線だったりバックボーンが垣間みえて、想像してしまうんです。
バリバリ仕事をしていたけど、急に親の介護が始まって自分の人生を生きられなくなった。そんな想いかがあって、心底、母親の介護に向き合えなかった自分。
母が亡くなってからあらためて気づいた親のありがたみ。そして精一杯介護できなかった自分への後悔。
母にしてやれなかったこと、利用者さん返していこうと思う。
わたし、決意した。
わたし、介護の仕事をする!
怒らないでください。素敵なことですから。
かくいうぼくは、リハビリ的なことを重視しています。
「雨が降ってくる前に、ちょっとだけ外へ散歩しにいきましょう!」って、できるだけ外の空気と日の光を浴びにいきます。
利用者さんもですね「ひとりで歩きに行くことが怖くてね。一緒に歩いてくれると安心だわ」とおっしゃってくれます。
息子さんと近所のスーパーに買い物にいったとき、店内を回るくらいは自由にしたいのだそうです。支援の先には生活があるんですね。
大体の個別支援計画の目標にですね。「安全に日常生活を送りたい」っていうことが含まれているんですね。むしろそれしか書いていなくて形骸化してないか!ってツッコミ入れたくなるけども、
つまり運動機能の低下が、日常生活の安全を脅かすんです。
なので「歩く」という基本動作を重要視して、下肢筋力の低下を防ぎ、血流の促進と心肺機能の維持をしたいんです。
これは利用者さんの目標であって、在宅で介護するご家族のためでもあると思っています。
利用者さんが自立して安全に日常動作ができることが、ご家族の介護の負担を減らすことになると思うからです。
さて、きょうも、
先ほどの、ふたりの世界に入っている利用者さんと介護スタッフに近寄り「ちょっとだけ歩きにいきませんか?」と割り込んでいきました。
介護職員の少し「何?」みたいな目線を振り払い、
個別支援計画書の目標にはきちんと、
「下肢筋力の低下を防ぎ…」と記載してあることを、裁判所のから駆け出してくる勝訴の勢いで、見せつけてやろうと思っているのです。ぼくは。
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