カミングアウトのメリット、デメリット

前回記事で、オープン就労とクローズ就労のことについてお話しました。

ここでは、それぞれのメリット、デメリットをお話することにしましょう。
※自分の障害のことについて話すことをカミングアウトと言います。また、本人の意に反してその個人の秘密を話すことをアウティングと言います。似ている言葉なので誤解なきよう。

【カミングアウトのメリット】
・自分が苦手とする事柄について周囲に理解を求める根拠となる
・周囲に理解があれば支援を得られやすい

【カミングアウトのデメリット】
・周囲が必ずしも理解して支援してくれるとは限らない
 (意地悪ではなく、支援のためのリソースが避けない場合がある)
・説明をしても、「それができないはずはない。やりたくないだけでしょ?」と言われることもある

これが、カミングアウトをするべきか動画をなやませる理由です。個人の特性や勤める組織の状態によって、カミングアウトが有効に働くかどうかが左右されるので、支援者としては当事者に対して、オープン就労の方がいいとか、しない方がいいとかを正解のようにお伝えすることが出来ません。、

こういった場合には、当事者とよく話をして、そのメリット、デメリットをしっかり理解してもらった上で、当事者の自立的な意思決定がなされなければなりません。

なお、合理的配慮というものが、障害者雇用促進法により定められてはいますが、1つ落とし穴があります。

それは、雇用主が就労者に対して必要な合理的配慮を提供しなければならないと定めている一方で、金銭その他の負担が著しいときは対象外と書かれていることにあります。
発達障害の場合には、目に見えない障害のため、何が出来ないか分かりづらい状況にあります。また、日本式の企業では1個の仕事をするにしてもその裏側に当事者にとってたくさんの苦手が存在するような仕事の割り振られ方をされることが多く、そこに苦手があるということは、場合によっては独りで業務をこなせない人ということになってしまうことも有り得ます。
なので、その支援のために人を割り当てないといけない場合もあるのですが、そうすると企業としては人件費がかかってしまうため、大きな負担となります。
このようになってきた場合には、ケースバイケースではありますが、場合により支援をお願いすることが難しくなる場合も有り得てしまうのです。

結論として、カミングアウトをするかどうかは当事者が置かれている状況を総合的に判断して、社内外のリソースを支援のために発揮してもらえるのかということの見極めが非常に大切ということになってくるわけです。

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