見出し画像

昭和歌謡を語ろう vol.1「また逢う日まで」

圧倒的な歌唱力と声量で
新しい女性像、別れの瞬間を描いた名曲!


自称「昭和歌謡の会会長」の私が
昭和歌謡を取り上げてウダウダ言うだけのブログです(笑)

本日の曲は「また逢う日まで」!
作詞:阿久悠、作曲:筒美京平、歌:尾崎紀世彦

言わずと知れた(え、知ってるよね?)
1971年、第13回レコード大賞受賞曲です。

ヒットメーカーふたりの強力タッグなのだから、
名曲なのは間違いない。
それに加えて、尾崎紀世彦のあまりにも圧倒的な歌唱力!!
一度聴いたら、もう絶対に忘れられない
記録にも記憶にも残りまくりな名曲です。

ちなみに、私の中で最強のシンガーは4人おりまして(←どうでもいいw)
順位はつけられないのですが、
玉置浩二さん、布施明さん、根本要さん、
そして、尾崎紀世彦さん!!
この4人が私にとっての最高峰です。
異論も反論も認めません(笑)


で、話は変わりますが、
いつだったか、阿久悠さんの半生を振り返る番組だったか、
ドラマだったかの中で、
この曲は「新しい女性像」を意識した、と阿久さんが語っておりました。

それまで、歌の世界の女性と言えば、
演歌の中の、尽くして尽くして捨てられる。
それでも男の幸せを願う…みたいな、健気といえば聞こえはいいけど、
まあ、男性に都合のいい女だったわけですよ。
三歩下がって付いていくって感じの。

そんな女性像をぶっ壊したのがこの曲で描かれた女性の姿。

「ふたりでドアを閉めて、ふたりで名前消して」

そう。ふたりで、なんですよ。
別れも一方的に男性が告げるのではなく、
「対等に」「同じ目線で」ふたりで出した答えなわけです。

男女平等なんてことが声高に言われるのはもうちょっと後の時代なんで、
そういう意味では、阿久さんは先の時代を読んでいたんだなと。
改めて、天才なんだなぁと思うわけです。

曲に関してはひとこと、
イントロがインパクトありすぎてそれだけでもうオールOK(笑)
考えてみると昭和歌謡って、そういう名曲、多いですよね。


今回、この曲を取り上げようと思ったのは、
実はYouTubeで(またかっw)
レコメンドにこの曲のカバー動画が上がってきたからなんです。

歌っていたのは
山崎育三郎さんと三浦大知さん。

個人的に、わりとカバーには否定的というか、厳しめな質で、
ちあきなおみさんと山口百恵さんのカバーはほぼ全否定という
心の狭い昭和歌謡の会会長ですw

とはいえ、歌の上手さでは定評のあるおふたり。
ちょっと聴いてみようとなりまして。
結果、オリジナルとはまったく別物ではあるものの
これはこれでいいかも、と思ったわけですよ。

オリジナルに比べて、だいぶソフトというか
優しい仕上がりの「また逢う日まで」。
特に山崎さんのパートに至っては甘さも若干乗ってる。
本家では絶対にありえないのだけどw
これって、今っぽいなぁと。

昭和の頃とは男女の立ち位置が違うので
男性が女性を思いやるというか、別れる間際になっても、
やさしさを忘れていないってな感じを受けました。

オリジナルの「また逢う日まで」は
尾崎紀世彦さんのパワフルな歌声も影響してますが、
男性も女性も別れの湿っぽさはなくて
むしろ、前向きなたくましさすら感じるくらい。
時代的には、男尊女卑でしたが、
そこは、作詞の阿久悠さんが仕込んだ「新しい女性像」
という要素が効いていて
ふたりで出した結果を納得して別れていくという
ある意味、清々しさを感じる仕上がりに。
これを表現するためにも尾崎紀世彦さんのボーカルは必須だったんだと
今更ながら組み合わせの妙を感じます。


公式な動画ではないので、リンクは貼れませんが(笑)
よろしければ、YouTubeで探してみてください。
その後で本家もチェック!
ぜひ、聴き比べて楽しんでみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?