真冬の空の下で
父の通院日。
冬空で、風は冷たい。
父と二人で通うようになって2回目の診察。
前の受診は母が亡くなってから
ひと月くらい経ったころだったか。
暑かった記憶がある。
寒くなって、
木々も色づいて
帰ってきてから
豚汁を作った。
誰も美味しいとは言ってくれないのは
寂しいものだけど。
そして、今日は、
なぜか先生に言えなかった。
もうしんどいので、
どうにかしたいと。
もう何か提案して、
動いてもらうこと自体が
わたしには重い。
「疲れたよ」
誰かに届くわけでもないけれど。
何を変えたいわけではないけれど。
「疲れたよ」
冬空に向けて呟いてみた。