嘘つき

生まれたてのフリをして
手を抜いて生きているんだろう
初めてのふりをして
心のない交わりを

温もりも人も街も
全部にベールをかけてさ
見えないふりして踏んづけて
あたかも知らないふりして

そのままでいいから
そのままでいいから
心はそのままで
そのままでいいから
せめて目は開けて
できるだけ目を見て
君の体温も
それなりに暖かい

最近言葉が重くってさ
ハリボテをつくってさ
言葉を受け止めさせたら
ハリボテが笑うから寒気がしたんだよ

自分のノートにはなにも
書いてないから恥ずかしくて
人のノートを写すから
僕の言葉が出てこない

体温もこの声も口からでまかせになって
借り物を返すタイミングも散歩
いつだか君が話してくれた話も
僕は借りっぱなしなんだ

僕のままでいいかな
僕のままでいいかな
ハリボテの笑顔は
僕の顔に似ていた
僕は汚いから
あんなに笑えるかな
思い込みなのかな
そんなところにしとこう