久しぶりの会話
言葉を吐かなくなって
どれくらい時間が経ったか
わからないが感触はどこか
遠くに散歩に出る
久々に人と話すのに
喉はまだ震えずに眠る
気持ちは先走り口が
空回り見当違いだ
もっとうまくできたはずなんだ
これで何かを成してきたはずなんだ
しがみついたのはいつかの自分で
鼻で笑って振り向いて歩いていく
動かなくなればなるほどに
吐く言葉も宙に浮く
踏みしめていた地面はだいぶ下の方
いつか踏み込んだ相手のテリトリーで
臆病者は嘘つきに成る
もっとうまくできたはずなんだ
これで何かを成してきたはずなんだ
しがみついたのはいつかの自分で
鼻で笑って振り向いて歩いていく
もっとうまく話せたはずなんだ
取り繕うなんて事はしてはこなかった
いつの間に着ていた衣装を裂いて
変質者みたいに以前みたいに
これで初めて交わせる言葉を
僕は初めて会話と呼ぶんだ
旅に出た喉の感触は
手土産を持って玄関で笑った
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