居酒屋での会話

「話してよ悩み事」酒場で友が僕にそう告げれば
つらつらと出ればいいが、のど元で言葉がひきこもる
笑ってごまかして、「なんにもねぇよ」と酒を流し込み
塩味の効いたつまみは涙の代わりの鳥皮串

たばこの煙に巻いて、久々の会話に花を咲かせ
それでも咲かせぬと芽をつぶした本心はここで出してはならぬという

全部お前に話せたならどれほど楽かなんてそりゃ一目瞭然
わかってったってそりゃできぬ話さ、重ねた年月が口を結んで
「わかる、わかるよ」の言葉すら全部嫌味に聞こえて仕方がないさ
共有できぬ視界は未だに曇りガラスのようにぼやけて見えないもんだな

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