バス停にて
ぽつぽつぽつぽつ
「雨の夜だね」
ぽつぽつぽつぽつ
「なかなかやまないね」
ぽつぽつぽつぽつ
「帰りはどうする?」
ぽつぽつぽつぽつ
「バスは来ないみたい」
ぽつぽつぽつぽつ
「風が冷たいね」
ぽつぽつぽつぽつ
「今夜は冷えるかなぁ」
「そろそろ返事をくれてもいいじゃない?」
「うつむいていたのでは何もわからない」
今までのことを
暖をとりながら
朝まで話そうか
目の前の古ぼけた酒場で
君が今は話したく
ないならとりあえず
暖かい熱燗を
飲んで泣けばいいよ
ぽつぽつぽつぽつ
雨はやまなくて
ぽつぽつぽつぽつ
君は傘をさして
「持っていたなら
させばよかったのに」
びしょ濡れのまま
僕も傘をさした