窓の下から窓を拭いている人を見た
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そしてここから重大発表!!
今月ニューアルバムをリリースします。
タイトルは「KIND OF RED」
予約受付を開始しました。
諸事情で正式な日程が確定できていませんが今月中には必ずお届けします。
11月30日までに購入して頂けると、2曲、アルバムに入らなかった曲をプレゼント。データ販売有。
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これは、言音(ことね)という、現代音楽家の市川ロ数(イチカワロスウ)と、詩人の私で活動しているユニットの新作です。
言葉と音のまだ自分たちも聞いたことが無い着地点を探っています。
同じ世界の中の異なる世界を生きる私たち。
それでもなおどこかの場所で寄り添えないか。
同じものの中に宿る全く違う世界。
同じ事象について話をしていても、
同じ問題意識を持てず、バラバラのことを話す現代。
同じものの中から何を見出すか、
何かを見出したとして他の別のものを見出した人を攻撃しないでいたいな。
誰も彼も血を流さないように、最低限、寄り添える場所として、赤の気分が、このKIND OF REDが機能したらいいなと思います。
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音と詩の紫陽花、前作poetrangea から4年。
フラクタルな詩の器を経て、4年かけて紡がれた久世の新作
「KIND OF RED 」は「世界の全て」
光が全て重なった白の世界で同一平面上にある
見えない赤の世界を描き出す。
世界の形。私の形。
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詩が始まります。
楽しんで頂けますように。
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窓の下から窓を拭いている人を見た
始まりはまだ完全に暗くなる前の、
昼が身体を夜に渡す短い時間の出来事。
月はもうはっきりと出ている時間。
窓の下から窓を拭いている人を見た。
黙々と作業をしている姿に見とれていた。
向こうはこちらに気づいていない。
もくもくと窓を拭いているあの人は、
世界と自分との境界線を
拭くことではっきりと提示しているみたいだった。
「ここからはお前の立ち入れない場所」と、
空気の中にやけにくっきりと透明な印をつけている。
世界中に蔓延しているウィルスがいやでも、
自分と何かとの境界線を浮き彫りにする。
透明でそこに在る窓。
僕はしばらくそこでその窓を眺めていた。
もう昼の気配は完全に消えていて。夜になっていて。
きれいになった窓とその周りを包み込む夜。
きれいになった窓に浮かび上がる生活の風景。
境界線は夜の時間とともに闇に溶けて柔らかく融解し、
むしろ、僕に対して、夜の中、一つだけ開いている入り口に見えてきた。
狡猾で卑しい透明な壁とやさしい透明な入り口。
窓がある 窓を拭いた それを見た それだけのことなんだ。
(終)
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