こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑩仲間を集めると語彙が増える!〜
語彙を増やすための、上位概念のお話
前回投稿はこちらです。
三度登場、ダイソー「あいうえおカード」の紹介
また絵カードのススメ?と思われるかもしれませんが、小児言語聴覚士である私が無人島に持っていきたいおもちゃですから、遊び方は1つや2つではありません。文字すごろく、なぞなぞかるたに続く、もうひとつ別の遊び。それが「仲間あつめ」です。
「仲間あつめ」遊びの紹介
カードをばらまいて、その中から「仲間」になるカードを集めていく遊びです。ダイソーのあいうえおカードでなくても、お手持ちの絵カードで同じように遊べます。
語彙を増やす「上位概念」
語彙ネットワークの話は過去に何度か登場しています。ことばをおぼえるためにはネットワークを形成していくのが効率がいいという話です。そのネットワークの中で、フォルダ分けをしていくことで、語彙を整理整頓できるわけですが、このフォルダのことを「上位概念」と言います。「○○の仲間」という概念が、上位概念にあたります。
上記のイラストでは、動物や果物、文房具などの仲間を集めています。これが上位概念。その中にあるライオンやうさぎや鉛筆といったものは下位概念にあたります。
上位概念はこれだけではありません。下のイラストのようにさらに上にも存在しますね。
このように、大きいものの中に小さいもの、さらにもうひとつ小さいもの、とマトリョーシカ人形のように入れていくと、語彙が分類され、頭の中がすっきりして、検索がしやすくなります。整頓していくとスペースもできて、また別の物を収納できるようになるかも。おうちの収納とおんなじです。
上位概念の育て方
いきなり「仲間あつめ」をやろう!と声をかけてもとまどう子どもが多いです。まずは大人が「○○ちゃんは食べ物を集めてみようか」などとヒントを出しながらやってみるといいかも。大人は黙って集めながら「パパは何を集めてるかな?」「ママが次に欲しいものはなんだろう」などと考えてみるのも面白いですね。
もうひとつの遊び方「連想ゲーム」
あいうえおカードは、裏側にひらがなが書いてあります。
年長さんには文字からはじまる連想ゲームもオススメです。「あ」から始まるものなーんだ!といったふうに、頭の中の語彙を検索するトレーニングにもなります。
ね、このカード本当にお役立ちでしょう? 100円でこんなに遊べるなんて、コスパ最高です。