こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑦発音改善はフェルトボールで〜
手先の器用さと発音の改善グッズ
前回投稿はこちらです。
デコレーションボール(フェルトボール)の紹介
100円ショップの手芸コーナーやラッピングコーナーにあるフェルトでできたボール。手芸やラッピングに使うだけでなく、子どもの発達を助けてくれるお役立ちグッズでもあります。
手先の器用さアップの遊び
お箸やトングを使って、フェルトボールを運ぶレースはどうでしょう。床やテーブルの上にフェルトボールをばら撒き、拾いながらお皿や容器に集めていきます。誰が一番多くフェルトボールを集められるか……白熱した戦いになりそうです。お箸やトングでモノをつまむ練習は、手先の器用さを促してくれます。大掛かりな準備やお部屋が汚れるリスクもなく、気軽に取り入れられる遊びです。拾ったボールの数だけおやつのボーロをあげる、なんてルールにするとやる気もアップしそうです。
発音改善にもお役立ち
もうひとつはお口を使ったサッカーゲーム。机の上にフェルトボールをばら撒くまでは上の遊びと同じ。ですがこちらではお口を使います。
フェルトボールに息を吹きかけ、テーブル下の容器に落としていきます。誰が一番多くのフェルトゴールを決められるか……こちらも大盛り上がりになること間違いなし。
ふーっと息を吹きかけることは、唇の筋力アップにつながり、舌足らずな話し方や全体的な発音不良が改善されます。肺を鍛えることや、空気の量のコントロールにもつながりますね。
発音の悩みには種類がある
言語聴覚士の元にやってくる問い合わせのうち、数が多いもののひとつが子どもの発音問題。医学用語では構音(こうおん)とも言います。
この発音問題、大きく分けて3種類あります。
ひとつは、その音自体の出し方を習得できていない「機能性構音障害」。一般的なのはカ行やサ行が言えず、タ行に変わってしまうこと。特徴は、必ずタ行に誤るということ。この場合、カ行やサ行の出し方の練習を行う必要があります。
もうひとつは、「とうもろこし」が「とうころもし」になったり、「ウルトラマン」が「ウラトラルマン」になったり、聞き馴染みのない少し難しい言葉が復唱で言えなかったりする「音韻認識」の問題。こちらは音韻認識のトレーニングが有効です。
そして3つ目が、唇や舌の筋力不足で起こる「口腔機能発達不全症」です。普段からお口がぽかんと開いていることが多いのも特徴のひとつ。全体的な滑舌不良や、小さい「やゆよ」が含まれる音が出しづらかったりといった症状があります。今回の吹き出しサッカーは、このタイプの発音問題にお役立ち。口腔機能発達不全症は、必要な筋力が足りていない状態。様子を見ているだけではなかなかよくならず、各種筋トレが有効です。
遊びながら発音改善
発音トレーニングは地道な努力が必要。だからこそ子どもたちを飽きさせないよう、いろんな遊びを取り入れながら行います。どれだけ楽しくできるかが、ある意味大人の腕の見せ所。「今日はお口でサッカーやろう!」とお子さんを誘ってみましょう。