0−2歳:ことばの発達を促す、子どもへの声かけ・インリアルアプローチ②
前回の内容もご確認くださいね。https://note.com/kotobanohattatsu/n/n0c9083644b83
さて、子どもへの声かけ方法であるインリアルアプローチの2回目です。
単語以上の発話があるお子さんにオススメ
d.モデリング(子どもに新しいことばの例を示す)
前回の「まだ発語がない〜単語の一部を話せるお子さんにオススメ」に入れようと思ったのですが、文字数の関係でこちらへ。モデリングは、ことばの使い方の例をお子さんに示してあげるものです。
たとえば犬を指さして「あっあっ」と言っていたとしたら「ワンワンだ!」というふうに、犬を見つけたときにはこんなことばを言えばいいんだよ、という例をさりげなくしめしてあげます。「ワンワン!」と単語が言えるお子さんなら「ワンワンいるよ」「ワンワンみつけた」と2語文にしてあげればいいですね。おやつに手を伸ばして「あっあっ」と言っていたら「おやつほしいよ」「おいしそう」といった感じです。前回のパラレルトークに似ています。
e.エキスパンション(子どもの発したことばを広げる)
上記のモデリングに似ています。子どもが犬を指さして「ワンワン」と言ったら、「ワンワンいたね。大きいワンワンだね」と、単語から少しだけ膨らませて返してあげます。このとき2語や3語文の短いことばにしてあげるとよりよいです。子どもはそのことばを聞いて、ワンワンを見つけたときの、もっと多くのことばを学んでいきます。大事なのは大人があまりに多くのことばをかけすぎないこと。短く、簡潔に広げてあげましょう。
f.リフレクティング(子どもの言い間違いをさりげなく訂正する)
子どもがぶどうを指さして「ぶっ」と言ったとします。大人はそれに対して「”ぶどう”でしょ。ほら言ってみて、”ぶ・ど・う”」と返してはいけません。オススメの返し方は「ぶどうだね。この間食べたね」などです。ここでは「ぶ」しかまだ言えないお子さんの発話を「ぶどうだね」と正しい例を示しながら、楽しく会話を続けています。救急車を「うーしゃ!と言ったとしても「ほんとだ、救急車だね」と、間違いを指摘せず、さりげなく訂正してあげるのがリフレクティングです。
g.セルフトーク(大人の気持ちや行動をことばにする)
子どもが車を走らせながら「ぶっぶー」と言っていたとします。「ほら、ママもぶっぶーだよ」というふうに、大人の気持ちや行動を簡単なことばで示すのがセルフトークです。
子どもと一緒におやつを食べながら「パパももぐもぐだよ」と声かけをしたり、子どもがプールで水をばちゃばちゃさせていたら「ママも冷たいよ!」などと声かけすることです。
声かけのポイント
今回、便宜上2回にわけましたが、大切なことは以下のとおりです。
・子どもの目をみること
これは何度も説明していますね。ことばの芽生えの軸になるのは、「人とのコミュニケーションが楽しい」と学ぶことです。
・子どもが起こしたアクションに、大人がついていくこと
大人が「◯◯ちゃん、ほら新しいおもちゃよ。こうやって動かして」と指示するのでなく、子どもが起こしたアクションに大人がついていくのが基本です。大人はでしゃばりすぎないことが大切です。
・短く、簡単なことばをゆっくり話しかける
ことばの発達がゆっくりなお子さんは、ことばの受け止め方もゆっくりです。多くのことば、長いことばを使わないこと。また早口にならないこと。とくに会話がすでにできる兄や姉がいると、多くの親御さんは上の子のスピードに合わせて生活してしまいがちです。
インリアルアプローチは、ことばがゆっくりなお子さんにこそぜひ取り入れていただきたい考え方です。ご家庭での生活に取り入れてみてください。