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子どもの発音の誤り、いつ頃指導を始めるべき?

こんにちは。言語聴覚士の木山です。今回のテーマは「発音」。医学の世界では「構音(こうおん)」ともいいます。

小さいお子さんの発音の誤り、今すぐ治した方がいいのか、それとも自然にできるのを待つべきなのか、悩みますよね。発音の習得には個人差があるとはいえ、「5歳頃言える」「6歳頃言える」と言われたとき、お子さんが3月生まれだったりしたら、4月生まれの子とはずいぶん差があることになります。

本当に誕生日まで待っていればいいのでしょうか。今回はお子さんが誤りやすい「カ行・ガ行」と「サ行・ザ行・『ツ』」について、いつ頃指導を開始すべきかお話したいと思います。

「カ行・ガ行」が言えない場合

「カ行・ガ行」は早いお子さんだと2歳頃から言えるようになりますが、完成するのは5歳頃と言われています。そのため年中さんの夏休み頃までに言えなければ指導を開始した方がいいです。逆に言えば年中さんの夏休みまでは様子を見守りながら自然習得を待つことができます。日本では4月に学年がひとつあがりますから、「何歳」と考えるより「年中のこの時期」と考えた方が後々のためになると思います。

「サ行・ザ行・『ツ』」が言えない場合

サ行やザ行、『ツ』も、早い子だと3歳頃で言える場合もありますが、完成は6歳頃だと言われています。そのため年長さんの夏休み頃までに言えなければ指導を開始した方がいいです。なお、どの地域でも秋頃、就学前の健診があると思いますが、そこで発音のチェックをされることがあります。仮にそこでひっかかったとしても「今指導を受けているところです」と答えれば大きな問題にはならないでしょう。

例外もある

以下のような場合は、それぞれの夏休みを待たずに、少し早めに指導開始した方がいいです。

①本人が言えないことにストレスを感じている場合

ストレスから誰かとお話することを嫌がるようになってしまうと、せっかくのことばの発達を阻害してしまう可能性があります。本人の自覚が強い場合は早めに指導を開始しましょう。

②カ行とガ行がまだ言えないのに、先にサ行やザ行が言えるようになった場合

発音の発達にも順番があります。本来なら一番最後にくるはずのサ行やザ行が先にできるようになっている場合、より簡単なはずのカ行とガ行の自然な習得が難しい可能性があります。この場合は年中の夏休みを待たず、早めに取り掛かりましょう。

③指導を受けられる施設が少ない場合

言語聴覚士の指導が受けられる施設がお住まいの地域に少ない場合、希望の時期に申し込んでも受けてもらえない場合があります。その場合は早めに医療機関に相談して、順番を待つのがお勧めです。

④発達のスピードがゆっくりめのお子さんの場合

発音の修正は3ヶ月から半年程度で完成することがほとんどですが、言語や発達のスピードがゆっくりめのお子さんは、より時間がかかることが想定されます。お子さんのあゆみに併せて、早めにスタートするのもよいでしょう。

どこで指導が受けられるの?

身近なところで指導してくれる場所が思いつかない場合、まずは通っている幼稚園や保育園に相談してみるほか、地域の子育て支援センターや保健センターに確認してみるのいいと思います。あるいは、各都道府県にある「言語聴覚士会」にメールなどで問い合わせし、指導してくれる病院を教えてもらうのもありです。

また発音指導をオンラインで行っている言語聴覚士も大勢います。インターネットで検索してみるのもお勧めです。当相談室でも発音オンライン指導を行っていますので、ご興味ある方はホームページからお問い合わせくださいね。

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