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内藤 奈美
2017年11月6日 16:29
午後の電車は平和だ。眠りの溶け込んだような柔らかな空気に、学校終わりの女子学生の屈託のない笑顔。書籍の文字を追うひと。音楽を聴くひと。どこか遠い目をして車窓を眺める、ここにあらず、な瞳が許されている、そんな気がしてしまうのだ。日常を照らす落ちかけた陽光も建物の外壁を染め上げて、その反射は強くもあるが、朝の光とはまた異なる、僅かな寂寥と儚さとを含有して空を街をひとを包んでいる。これは、他者との程よい
2017年9月15日 21:06
隣席の女の子のイヤフォンから音漏れしている、アップテンポな音楽を微かに聞きながら帰宅している。東海道線は気怠い空気の中、多くの駅をとばしてスピードに乗る。誰かの耳には心地よい音楽が、私の中には入ってきてくれない。外側ばかりが気忙しい、金曜の夜。ターミナル駅で乗り換えて、流れる人波の中、わずかな安息を音楽に求めた。時間をほどいていくようなミドルテンポ。「出さない手紙は届かない」ふと意識に残った歌