人間は、知性を身につけてしまったバカな生き物だから。
知らなければ、楽なのに。自分が悲しいか嬉しいかだけわかれば、自由に好きなように行動できるのに。それがいいか悪いかなんて、考えずに。
他の動物と、人間の違い。つまり、人間を人間らしくしているものは、何だろうか。
言葉だという人もいる。
論理的思考力だという人もいる。
自分という概念があることだという人もいる。
どれが正解かはわからないけれど、とりあえず少しだけ頭がいいことは確かだろう。
石器からスマホまで、人は色々な道具を発明し、改良してきた。観察と実験を繰り返し、世界の構造を明らかにしてきた。
そのおかげで、寿命は延びたし、色々なことができるようになった。明日の食料を気にせず、自分を表現する方法や、理想の自分なんてものを一日中考えていられるようになった。
そんな知性を身につけた人類の進化に、わたしはバカと叫びたい。
どうして、できないことをできるようになるために、こんなに辛い思いをしなければいけないんだろう。
どうして、悲しくなることを言われたのに、相手の方が正しいってわかっちゃうんだろう。
どうして、誰かに言いたいことがあるのに、言っても意味がないって予測できてしまうんだろう。
感情と論理は、しょっちゅう喧嘩するから、私はいつも板挟みになる。
そんなとき、どうしたらいいんだろう。
たとえば、前に進むなんてもう嫌なのに、嫌いな自分を周りのせいにしても、いくら応援がいても、結局は自力で進むしかないってわかっちゃったら、どうすればいいんだろう。
やっぱり、どうしようもないよね。
どうしようもないなら進むしかないかって、自分の気持ちに逆らって前に進んでいる人が、あっちにも、こっちにもいる。
頑張っている人が、みんな強いわけではない。
仕方がなく、頑張っている弱い人もいる。仕方がなくっていうのは、辛いなと思いながら、傷つきながら、頑張りたいと思っちゃうから頑張るということ。
黒りすとして綴る言葉は、そんな人が少しでも楽に進めるような、HP回復の薬草みたいな存在でいてほしいなと思う。
奥田民生さんの「愛のために」という曲の一節。
じゅうぶん休んでから行こう。いちいち道草して行こう。
わたしがいつも疲れたら立ち戻る、この言葉みたいに。
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